冨田秀雄の設計日記

家づくりへの想い、考え、そして私的な内容を綴ったブログです。
自由学園初等部
オープンアーキテクチュアー2009の自由学園見学に参加しました。
東久留米の学園町にある自由学園は、池袋から移転してきたもので、フランクロイドライトの弟子遠藤新の設計した建築郡で多くが成り立っています。東京とは思えない深い緑の森に点在する建築は、高さが抑えられ住宅のスケールです。子供達の建物という理由かもしれませんが、とても落着いた佇まいでした。


正面が初等部食堂、左右は昔教室でしたが、今は教師室と集会室です


庭を挟んで食堂の反対側にある第一校舎


芝生広場を囲むように建物が配置されています。


部屋と外の庭が一体化するように開口部が大きく取られ、すぐに外に飛び出せます


食堂内部から第一校舎と中庭を望む

初等部、女子部、男子部、最高学年部とありますが、敷地内に強い軸線は無く、それぞれの部が森の中に点在し、視界が開けるとそこに建築郡があるという有機的な繋がりを持っています。


| 建築・設計について | 22:30 | comments(0) | -
横浜マリンタワー
横浜マリンタワーのオープニングレセプションに行ってきました。横浜マリンタワーは、昭和36年に完成し、灯台の役割も持っていましたが、2008年にその役目も終え、集客力の低下により一度は、閉鎖しましたがこの度、横浜開港150周年事業の一環で再生しました。まず、夜間の照明デザインを一新し、ブラウンとシルバーの鉄骨構造美を美しく浮き上がらせています。構造は、何一つ無駄が無く、完全な機能主義の形態ですが、その整然とした厳しさに美を感じます。
下部の店舗は、厳格な構造の塔と対をなす局面のガラスカーテンウォールで透明感と優しさを表現しています。店舗も新しい業態が入り、結婚式まで挙げられます。店舗には、テラスやバルコニーが着いていて、ハマの風にあたることができます。これは、うれしい。







地上100mの展望台からは、180度のパノラマが楽しめ、横浜らしい山手やベイブリッジ、ランドマークも綺麗に見えます。





一生懸命作ったものは、改修されることで又その息を吹き返すものです。
| 建築・設計について | 23:00 | comments(2) | -
東京女子大学旧体育館(3)
アントニンレーモンドは、フランクロイドライトの弟子で、帝国ホテルの設計の為来日します。東京女子大の旧体育館暖炉は、ライトが用いた暖炉のノウハウが生かされ、吸気口の設置や高い煙突等により、暖炉の輻射熱が部屋全体を暖めたそうです。暖炉の壁には、帝国ホテルで使われたスクラッチタイルが使われ、暖炉形状は、チェコキュビズムを表すデザインがなされています。旧体育館には形の異なる5つの暖炉が残っています。





暖炉の火を見ていると、心が落着き癒されます。ライトが暖炉を用いたのは、当時核家族化されていく家族を食事の後もう一度集め、1日の出来事を暖炉を囲んで話し合う場として重要視したと考えられます。

次にライトの影響が残る花鉢です。



コンクリートでできていますが、どうやって型枠を当時作ったのでしょうか。
コンクリートの技術などほとんど無く、その中で多くの技術者や職人がチャレンジしたのですね。

サッシの開口は大きく、しかも非常に繊細なスチールでできていて、今も横軸回転で開きます。美しいサッシです。



取り壊すともうこんな豊かな建築はできません。暖炉があり、美しいサッシもある。空間構成も素敵ですが、ディテールまで神経が行き届いています。
建設当時の意気込みを感じさせてくれる、貴重な建築です。

| 建築・設計について | 19:38 | comments(0) | -
東京女子大学旧体育館(2)
東京女子大旧体育館は、体育教育だけではなく、演劇を楽しみ、講演を聴き、クラブ学習の場であり、生活を楽しむクラブハウスでした。A・レーモンドは、ニューヨークブロードウェイの劇場舞台をいくつか手掛けたコポーの下で働き、その経験をこの体育館で実現させたそうです。



正面の2階バルコニーは、賛美歌のコーラスギャラリーになったりもしました。階段や2階窓、2階外部のベランダを有効に用いて演劇も催されたそうです。大きな舞台装置などいらず、建築そのものが舞台となっています。





1階の床が下がることによって、観客席にもなり又歌舞伎の花道のような使い方もできました。



建物を立体的に上手く使え、しかも楽しく豊かな空間の使い方が創造できます。とてもわくわくするクラブハウスです。





| 建築・設計について | 10:58 | comments(0) | -
東京女子大学旧体育館(1)
東京女子大学の旧体育館で行われた講習会に参加しました。A・レーモンドの設計で築85年の建築です。今でも十分に機能していますが、解体の危機に瀕しています。東京女子大キャンパスは、バージニア大学のキャンパス配置を手本として計画されたそうです。正門を入り図書館を中心とした建物群で構成される学びのゾーン、学生寮を中心とした生活のゾーン、そして旧体育館を中心とした社交のゾーンから成り、2つの軸線をもつ明快なキャンパスです。既に学生寮は取り壊されてしまいました。建設された当時は、まだ女子で大学へ行ける人は少なく、地方から出てきた学生は皆寮生活でした。
夜遅くなって帰ってくる学生にとって、図書館とこの体育館の光、そして寮の中心にそびえていた塔の光が、安心と安全を提供したそうです。







旧体育館は、日本で最初の鉄筋コンクリート造の体育館で、両側に壁量の多いクラブ室等の2階建ての建屋を持ちその間に挟まれたように平屋で構成されています。これは、耐震性を考慮した結果の形態だそうです。

この建物には体育館という機能だけではなく、暖炉を持つクラブルームやレセプションルームがあり、ステージは、演劇ができる舞台となることで、学生や教師の社交の場としての役割もありました。ロミエとジュリエットが演じられるように、2階部分にも窓があり、階段を通して立体的・パースぺクティブに正面舞台が構成されています。今から考えても非常に精神的に豊かさを提供してくれる建物です。







体育館の床は、600mm廻り廊下、ステージから低くなり2階の外部にも両ウイングを繋ぐ外部テラスが走っています。
光は、南の開口部から十分に注がれ、夏は風通しが良く、又冬も暖かい快適な空間だそうです。
この建物が85年も前の建物であることは、驚きと同時に設計者の熱意と苦労に脱帽させられます。
建築の価値を理解していただき、是非とも残してもらいたい建物です。
結局、建築は、文章や写真では理解不可能で、あくまでもその空間に身を置き自分の五感を通して体感することで初めて理解できるものだと思うからです。壊してしまえば、2度と同じ空間は再現できません。
| 建築・設計について | 20:22 | comments(0) | -
明日館(1)
今日から月に一度池袋にあるフランクロイドライト設計の明日館で、公開講義に出ることにしました。講座タイトルは、「建築家A・レーモンドは何を残したか?」で、建築家の三沢浩さんが、話をして下さいます。
明日館の建物に関しては、これからじっくりと味わってみようと思います。
ライトの建築を体験するのは、これで3つ目ですが、そのスケール感と入口から内部へと引き込まれる空間の流動性、内部の心地よさには毎度感動させられます。講義は1時間半でしたが、いつまでも寛いでいたい空間です。





レーモンドの建築も教会、学校関係は保存状態が良く、いまでもその空間を体験できます。これから半年、じっくりとレーモンドを含めた近代建築を学ぼうと思っています。

今日は、明日館の暖炉についてですが、煙道下部の見えない部分の吸気口から新鮮な空気を入れて、上昇気流で薪を燃やすと共に、前面には、暖かい輻射熱を出すという機能が隠されていることを学びました。
空気を取り入れるためのバックスペースにもかなり工夫された後をみてとることができます。



「森の別荘」でも暖炉の吸気に関しては気をつかいましたが、ライトはさすがに上手い方法で、暖炉を気持ち良く燃やしたものです。新たなる発見でした。
| 建築・設計について | 10:48 | comments(0) | -
座高円寺
高円寺に新しくできた座高円寺に行ってみました。設計は、伊藤豊雄氏。
外観は、テントのようでもあるし、ステルス戦闘機のようにも見えます。





外壁にランダムに空いた丸窓から光が内部にスポットライトのように入り、内部照明と重なって映画のワンシーン(無数のスポットが俳優を照らす)のように感じられます。入って奥の階段が、その象徴です。歩いていてとても不思議な感じ。今日は、残念ながら雨でしたので、外からの光が弱かったのですが、それでも十分楽しめました。







外部は斬新な形態ですが、内部空間はシンプルで非常にわかりやすい為、逆にスポット照明が強烈に意識されます。シンプルであればあるほどコンセプトが見えてきます。
| 建築・設計について | 00:04 | comments(0) | -
マーク・ロスコ展
千葉佐倉の川村記念美術館で開催中のマーク・ロスコ展を見てきました。
シーグラム壁画が、ロンドンテートギャラリー、ワシントンナショナルギャラリーから集められ、川村記念美術館所蔵のものと合わせて展示されており、まさしくロスコが望んだ「自分の絵画空間」が実現されています。自分の描いた絵画のみで構成される部屋をロスコは、強く求めていました。確かに、ロスコに描かれた絵は、他の作家のものとは違い、ロスコの絵のみを集める事で、静かな不思議な空間を創り出していました。
赤・赤茶・オレンジ・黒で構成された抽象画は、見ていて飽きません。心の非常に奥深いところに訴えてくるものがありました。




環境のすばらしい川村記念美術館で、静なる絵を見れてハッピーなひと時でした。雨も又良かったです。

| 建築・設計について | 20:05 | comments(0) | -
御岳山茅葺民家
休みを利用して多摩御岳山にハイキングに行きました。
ケーブルカーを降りて、御岳山に登る途中いくつかの茅葺屋根の民家を見つけました。



屋根に草が生え、そこに小鳥が行き来し、和やかな空気が流れていました。
茅葺の家は、そのメンテする人手不足と、生活様式の変化から一部を除いてその姿を消しつつありますが、自然を愛し自然と溶け込んで暮らしてきた日本人の本質を伝えるものとして、これからも生き残ってほしいものです。





| 建築・設計について | 18:24 | comments(0) | -
根津のはん亭
根津にある串揚げ屋さんのはん亭です。



木造3階建て。1階から3階まで全て客席があり、外を眺めながら食事ができます。味もさることながら、やっぱり建物が魅力的です。今の建築基準法では、これだけの開放性がある木造3階は、免振構造等を駆使しないとなかなか実現は、難しいです。






低い腰壁のある開口部に腰掛けて外の風を感じて涼むというのは、私が小さい頃には当たり前の事でしたが、最近の建物では余りこのような開口は、用いなくなりました。和室から洋室へと生活様式が変わったことも大きな理由ですが、やはり落着きます。外の街とも繋がりができるし、上から見ていてもとても楽しい。歩いている人にもつい声を掛けたくなるしつらいなんです。



今は、外部とのつながりを壁で閉じて内なるプライベート空間を楽しむという考えで住宅を設計する場合が多いのですが、もっと外に開く事も考えようと改めて感じました。

| 建築・設計について | 22:17 | comments(2) | -
日比谷市政会館・公会堂
日比谷公会堂です。時々前を通っていましたが、改めてじっくり感じてみました。





本格的ホールを備えた日本で最初の施設として1929年に竣工。設計は佐藤功一。ネオゴシック様式で、縦へと伸びるラインを強調した厳格なデザインです。自然の緑の中で、人間の作った垂直・水平が対比され、絵になります。



近代建築でもタイルを用い、彫りの深い建物は、光の陰影が美しいです。
| 建築・設計について | 10:30 | comments(0) | -
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