冨田秀雄の設計日記

家づくりへの想い、考え、そして私的な内容を綴ったブログです。
山邑邸(2)
玄関を入り、階段を登るとまず迎えてくれるのが応接室です。正面南の海が見える開口を中心としたシンメトリーな内部で、左右に出窓タイプの大きな開口とソファーのコーナーと、本棚、暖炉の構成です。天井は、両側開口部が低くなり、座ったときに丁度落着ける高さになっています。


大きな開口部の上部は、換気の為の小窓が並びます。


換気の開口は、網戸だけで以前はガラスは無かったということです。
これだけ並ぶと開け閉めがちょっと大変ですが、光と風が流れ快適ではあります。


豊かな緑を借景とし、まるで森の中にいるような気分です。


正面にはバルコニーがあり、そこからは海が望めます。


暖炉は、大谷石の装飾が施され、重厚感が漂います。
| 建築・設計について | 00:19 | comments(0) | -
山邑邸(1)
フランクロイドライト設計の山邑邸(現ヨドコウ迎賓館)を見てきました。兵庫県芦屋市の山の手に設計された山邑邸は、六甲の山々を背後に瀬戸内の海を正面に取り込んだ素晴らしい立地に建ちます。土地の高低差を上手く利用し変化に富んだ空間が展開します。まず門を入るとなだらかなスロープに導かれ、右手の崖の上に建物を見上げながらエントランスへと向かいます。


ここでは、ライト特有の花鉢が迎えてくれます。土地の傾斜に合わせていくつかの水平方向のブロックが重なっています。


建物と緑をなめるようにして玄関ピロティーへと進みます。


ピロティー上部の大きな開口のある部屋は、2階の応接室です。応接室の開口部分は、ソファーが置かれ壁が外に飛び出す出窓形式です。大谷石の装飾が美しい。ピロティーの向こうには美しい緑の森が広がります。


ピロティーに入って左を見ると壁のスリットから芦屋の街と遠く海のきらめきを捉えることができます。明快な軸線を読み取れます。


ピロティーの右側が玄関です。正面の水盤を挟んで左の扉が玄関扉です。
大きな構えにしては、玄関の入り方がさりげない。

大きな空間から一度小さな門や扉をくぐり、さらに又大きな空間へと繋がっていく展開です。ピロティー天井高さは、2500。


| 建築・設計について | 21:44 | comments(0) | -
京阪電鉄中ノ島線
大阪の京阪電鉄中ノ島線中ノ島渡辺橋、大江橋の内壁に、不燃木材が使われているというので見てきました。それぞれ共通のデザインコンセプトで素材を変えながら駅のホームの壁に木を使っています。


大江橋駅は、石と木のストライプ


渡辺橋駅は、ステンレス板と木のストライプ




中ノ島駅は、全て木の壁



公共の空間しかも地下鉄というどちらかと言えば、コンクリートと固いイメージの仕上げ材しか頭に無かったのですが、ここに木を使うことで随分雰囲気が和らぐと思います。
ただ、残念ながら中ノ島駅は、終点のためプラットフォームには電車が停まっている時間が長く、余り木の壁を認識できません。
それと、木の壁は、プラットフォームから見た内壁だけなので、もう少しホーム自体にも木がはみ出してきてほしいし、木でできた駅という感じにまで頑張ってほしかった。
 東急の横浜中華街駅のようなドーム状の拡がりがほしいところ。そこが木でできていたら建築としてもっとアピールできたと思うのです。
| 建築・設計について | 23:20 | comments(0) | -
木材会館
新木場駅前にできた木材会館を見てきました。
コンクリート打ち放しと、120角のヒノキ角材で構成された外観です。設計は日建設計。






防火地域で、外壁や内部に木を使うため構造評定や蓄煙など様々な手法を用いて建築基準法をクリアーしています。


用途は、事務所です。木で構成されたバルコニーがオフィスワーカーの気持ちをやわらげます。



日本の杉は、ことごとく余っており、有効に使われていません。伐採から加工まで非常に手間が掛かるので、外来材におされていますが、これからの時代何よりエコを考えると、日本の木をもっと使わないといけません。これは、政治を含めた構造の問題も多々ありますが、我々一人一人がもう一度コストバランスも含めてトライしなければならないと思います。太陽エネルギーも大切ですが、先祖の人々が残してきた財産にも目を向けなければならないと思います。

| 建築・設計について | 21:07 | comments(4) | -
自由学園明日館(5)
自由学園明日館のメインホールです。扉を開け低い天井の向こう側に舟底天井、縦スリット開口のホールが現れます。


手前の天井が低いので、向こう側のホールが非常に高く感じます
なかなかここまで天井を下げられません。しかし、日本人の背の丈に合う高さなのです。


ガラスの桟は、繊細で美しくリズミカルです。サッシの一番下は、開くことができ、自然の風を取り入れます。



椅子は当時の学生の為のものですので、少々低いですが、座り心地は悪くありません。ダイナミックな空間の変化がおもしろい。



| 建築・設計について | 21:39 | comments(0) | -
自由学園明日館(4)
明日館中2階にある食堂です。天井は緩やかな舟底天井で、大きな切妻屋根の空間の3方向に小さな部屋が張り出すように作られもう一方の面は、暖炉と2階へ上がる階段でシンメトリーに構成されています。


ハイサイドライトからの光が部屋全体を明るく照らします。次の又その次の空間へと空気が流れていきます




暖炉を中心としたシンメトリーなプランです


小さな部屋は、横からの光と、テーブルより下の床を照らす光で構成されています

小さな部屋は天井高さも抑え、部屋の中の部屋であり、全体空間を見渡せる落着きのある部屋となっています。

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開口部は、ラインに強弱を付けたデザインで、ライトのものと一目で解ります
| 建築・設計について | 15:43 | comments(0) | -
自由学園明日館(3)
芝の前庭を見ながら回廊に沿って歩き、エントランスから中に入ります。入口までの動線は、長いほうが贅沢です。気分も変わります。外の空気を一杯吸いながら大谷石が敷き詰められた道を進みます。




玄関の庇は非常に低く、住宅に入る感覚です。扉のガラスデザインが特徴的


扉を開けると小さなホールになり、トップライトから優しい光が注がれます階段を上がると食堂。右へ曲がると廊下で教室があり、左の扉を入ると講堂です。食堂は中二階レベルなので、ホールから食堂の一部が見え、空間が視覚的に連続します


扉を振り返ったところ


低い天井が続き、大きな開口部のあるホールへと導かれます。
天井は船底天井で、2階は今フランクロイドライトギャラリーになっています
照明は間接照明。暖炉が空間を引き締めます。
天井の高さの変化と空間のボリュームが心地よさの要因です。
| 建築・設計について | 19:53 | comments(0) | -
自由学園明日館(2)
自由学園明日館で行われる講義「レーモンドは何を残したか」2回目に参加しました。明日館は、フランクロイドライト設計のものと、道路を挟んで反対側の遠藤新設計の講堂がありますが、池袋の繁華街の中心から5,6分歩いただけで、とても静かで落着いた建物群が現れるので驚かされます。このあたりが、日本の混沌とした都市の面白さです。





前面の芝生広場に対し平たく水平に拡がる様に建物があり、講堂食堂棟を中心にシンメトリーな配置です。建物は低く、あくまでもヒューマンスケールで、子供達が中心の建物であることが理解できます。



入口の庇は、低く抑え内部に入るにつれて天井も高くなり、空間が流れていきます。ここの照明は、東久留米の自由学園女子部廊下の照明の元です。

| - | 21:01 | comments(0) | -
自由学園
自由学園男子部外観です。左右対称の配置で、正面の高い建物は体育館です。アーチ状の開口を持つ両サイドの壁に特徴があります。



配置計画は、男子部、女子部等それぞれ学部単位では中庭を中心とした軸線を持った形状ですが、全体としては大きな敷地に緑の中に埋もれて有機的に繋がっています。設計者の遠藤新、「敷地の良い場所は残せ」と言っていたそうです。確かに一番良い場所に芝庭や緑地を持ってきて、その廻りに建物を配しています。建物と建物の間の領域をとても大切にしています。歩いていてもどこか森の中を散歩しているようで、いきなり視界が開けた所に美しい芝庭があり、校舎がその廻りを固め、すばらしい景観を作っています。




女子部の校舎から池を挟んで講堂を望む


女子部の廊下。照明は明日館とまったく同じデザインのもの
廊下は、ほとんど外部です。「外」を感じながら移動します。





| - | 19:44 | comments(0) | -
自由学園女子部(2)
自由学園女子部食堂です。縦ラインの開口と、シンメトリーな外観デザインです。




池袋のフランクロイドライト設計の明日館のような空間の流動性や、移動した際に感じる空間の拡がりや感動は余りありませんが、とても暖かい空間で、子供達を優しく包んでくれそうです。







建物は、非常に大切に維持管理されています。毎日学生が掃除し、愛情をもって使われています。まったく時代の古さを感じません。今でも十分通用するデザインコードを持っており、時を越えて生きている建築です。
今の時代、常に新しいものを求めていますが、今あるものを大切に使う、「もったいない」という精神が益々これから起こってくると思います。我々日本人には、そのようなDNAがもともとあるわけですから、考え方も少しシフトしないといけないと感じました。

| 建築・設計について | 11:07 | comments(0) | -
自由学園女子部(1)
大芝生と呼ばれている広い前庭に羽を広げたように配置された女子部の体操館です。遠藤新の設計で、水平に伸びた両翼と半円形の体育館で構成されています。ここでも子供達が庭に一斉に飛び出せるような開口部を持ち、内と外との連続した繋がりを重視した設計となっています。建物の高さはとにかく抑え、威圧感は無く、自然に溶け込んでいます。




手前が体操館、奥が図書館です




体操館を正面から見たもので、奥に切妻屋根の食堂が見えます


縦のラインを強調した食堂ファサード



| 建築・設計について | 23:56 | comments(0) | -
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