冨田秀雄の設計日記

家づくりへの想い、考え、そして私的な内容を綴ったブログです。
東京女子大学安井記念館・外国人教師館
東京女子大学に残る歴史的建造物の内、アントニン・レーモンドが設計した住宅が3件。ライシャワー邸、外国人教師館、安井記念館です。
まず、安井記念館
非常にモダンな建築で不要な装飾はいっさいせず、四角の壁を積み重ねた構成です。中央に暖炉が見え、バルコニーを持つ鉄筋コンクリート住宅です。オランダのデ・スティルの実験住宅のようです。





次が外国人教師館これは、全てがフランクロイド・ライトです。
庇の複雑な装飾と造形。玄関に対象に置かれた大きな花鉢。水平ラインを強調する大きくはね出したといった具合です。







安井記念館と同じ時期に同じ建築家が設計したとは思えないデザイン。
相当レーモンドは、デザインで苦しんでいたというか、次なるスタイルを模索していたというか・・・。
| 建築・設計について | 23:01 | comments(0) | -
東京女子大学本館
東京女子大学本館です。正門からの軸線の中心に位置し、以前は大学のシンボルでもある図書館として使われていました。ライト風の外観で特に方形の瓦屋根が載る庇下隅部分の柱が無くなり、コーナーに深い陰影をおとしている部分が特徴です。




裏の部分も同じように凝っています。


収蔵庫部分は、正面の装飾性はまったく無く、機能主義のモダンな外観です。


内部は、2階と3階が吹抜けの開架書庫です。当時の図書館はほぼ閉架図書形式であったところを、本国アメリカの図書館を参考に開かれた図書館としました。


開口部にはレーモンドの妻ノエル作のステンドグラスが嵌め込まれています。
| 建築・設計について | 00:08 | comments(0) | -
東京女子大学東・西校舎
東京女子大学西校舎・東校舎です。正門を入って正面に旧図書館があり、中庭を挟んで両側にそれぞれの校舎があります。





開口部は、スチールサッシで、当時のものを中庭側は改修保存してあり、ラッチを廻して突き出すタイプのものです。緑に着色され、非常に繊細で美しいサッシです。





内部は、小講堂が中心にある配置です。教室内部の天井部分の梁の架構が美しい。



旧体育館は、非常に残念ながら解体されてしまいました。美しいサッシ、内部空間の豊かさ、何よりも学生達に長年愛されて使いこなされてきた建物でした。おそらく同じく解体された寮と共に、レーモンドはかなり熟考し、夢をもって設計した建物だったと思います。礼拝堂や、本館、そして今日紹介した校舎は後世まで残るでしょうが、旧体育館の空間の豊かさは、これらの建物に勝るとも劣らないものでした。
| 建築・設計について | 21:14 | comments(0) | -
東京女子大学礼拝堂・講堂(2)
東京女子大学礼拝堂の内部です。美しいコンクリート打ち放しの壁、天井、柱そしてプレキャストで作られたステンドグラス開口部が優しく迎えてくれます。


優しい光につつまれる空間をレーモンドは、ランシーの教会からヒントを得て、ここに再現したかったのでしょう。


ヒューマンスケールで、一人で静寂の中、ゆっくりと瞑想できます。

天井部分は、ハイサイドライトになっていて緑のガラスを通して光が天井を照らし、オーロラのような感じです。



下段の壁には石と日本瓦が貼られています。日本は、地震国ですので耐震要求が厳しく、レーモンドもそこのところは十分考慮して設計しており、柱と梁ががっちり建物を守っています。





鐘塔を支える柱は下は、4本ですが途中5本になり上部に向かうと3,2と減っていきます。

ル・ランシーの教会は、細い柱が独立して建ち、側廊も大きく規模も違います。街の教会なので収容人数も多く、それだけに静かに瞑想という感じではないかもしれません。ステンドグラスの色が艶やかで、正面の十字架もはっきりとわかります。

ル・ランシーの教会 柱の細さがうらやましい限り


ル・ランシーの教会 内部外部共打ち放しです.天井はヴォールト天井でトップライトはありません。


ル・ランシーの教会


ル・ランシーの教会のプレキャスト部分


ル・ランシーの後ろ側パイプオルガン部分と、鐘塔を支える柱郡
光の中を柱が力強く上へと登っていきます。

建築は、まったく零から形ができていくのではなく、自然や過去の遺跡、過去の偉大なる建築からインスピレーションを得て、現代版にアレンジされていきます。レーモンドル・ランシーに感動し、光の礼拝堂をどうしても自分で作ってみたかったのかもしれません。女子大の礼拝堂は、大学の礼拝堂としてスケールも良く、非常に落着いた内部空間でした。
| 建築・設計について | 22:52 | comments(0) | -
東京女子大学礼拝堂・講堂(1)
アントニン・レーモンド設計の東京女子大キャンパス内建物を見学してきました。まず、礼拝堂・講堂。礼拝堂と講堂という機能をまとめた建物で、礼拝堂のパイプオルガンが礼拝堂と講堂のどちらからも聞こえるというしくみになっていました。礼拝堂は、パリ郊外にあるオーギュスト・ペレ設計のル・ランシーの教会を模したものです。スケールは小さいですが、外壁のプレキャストコンクリートを用いたステンドガラスの構成や鐘塔のデザイン、照明まで真似ていて、どうしてこの教会をこのような同じデザインモチーフにしたのか不思議です。東京女子大は、敷地環境がすばらしく大地に建つ教会として街中に建つランシーのものより見栄えは良いです。











プレキャストを用いた外壁は日本で最初ではないでしょうか。
外壁は、当初打ち放しだったそうですが、戦争中はコールタール黒く塗られていたそうです。戦後白いペンキで塗装されました。




上の2枚は、3年前に見に行ったル・ランシーの教会です。

| 建築・設計について | 22:56 | comments(0) | -
SB固定柱脚工法
今工事中の自動車ショールームは、鉄骨2階建てですが、基礎を鉄骨梁で造り柱と溶接固定したSB柱脚工法という工法を用いています。まず、基礎のコンクリート工事の手間が非常に省けるのと、基礎と柱を繋ぐ部分の構造安全性が格段に向上すること、それに工事期間の短縮です。基礎を鉄筋コンクリートで作りそこにアンカーボルトをセットして、地上部の鉄骨とボルトで固定するのが今までのほとんどのやり方ですが、アンカーボルトが曲がって、鉄骨柱脚と合わなかったりして結構あいまいな施工になりがちでした。地中梁を鉄骨とすることで、2階程度の建物だと一期に鉄骨を組み立てられ、しかも柱と地中梁がしっかり固定されているので安全性も確保できます。基礎の鉄筋工事もかなり簡素化できます。コストは、単体比較ですとUPしますが、工期や手間を総合的に判断すると従来と同じでいけると思います。


ショールームの上に建物と一体化した大きな看板が載るデザインです。


大きな通りの街路樹で、中途半端な看板では見えないので、18mの外壁を設けました。







上3枚は、基礎部分のSB柱脚工法の写真で、これから基礎のコンクリートを打ちます。
| 建築・設計について | 14:21 | comments(0) | -
ガンダム
炎天下ガンダム実物大を見てきました。余り期待してなかったのですが、実物大の18mガンダムを見て感動!良くできています。30年前のデザインとは思えない創造力に感動しました。今でもまったく古さを感じず、十分新鮮さを与えてくれます。すばらしい!




動かないかと思いきや、が出ました。


クビが上を向きました




目も光っていて、迫力十分。

炎天下で影がないので、熱中症には気をつけて見に行って下さい。
| 私的な話 | 08:28 | comments(0) | -
阪急電鉄嵐山線
生まれ育ったのが阪神間なので、阪急電車にはよく乗りました。昔から小豆色の外観と、薄い木の色をした内壁、ビロードのような抹茶色のシートは変わりません。最初にこの色を決めたのは、素晴らしいセンスだと思います。
飽きがこないし、高級感があり乗っている目にも優しい。かなりのこだわりを感じます。





最近は、4人掛けのシートと1人掛けのシートの組み合わせもあるようです。





関西と関東では車両やシート、色彩もいろいろ違っていて、注意してみれば面白いです。
| 私的な話 | 18:25 | comments(1) | -
山邑邸(5)
山邑邸の記事も今日で最後です。食堂から繋がるテラスは、2段構えで、まず食堂から出ますと南に広がる芦屋の街と海が目の前に拡がります。さらに、正面左側にあるトンネル状の階段を下りるともう一つのテラスにでるというしつらえです。







トンネル状の階段は、応接室の暖炉の煙突を兼ねていて天井が低くなり、ちょっと窮屈ですが、そこがライトの狙ったところで大きな空間に入るその前に一度小さな空間があり、そこを出ると視界が開け、感動が待っているという事なのです。





ただ、広く天井の高い部屋を作っても、そこに辿り着く道筋が重要で、人にその大きさを感じさせる工夫が必要なのです。落着くスペースとは、どのようなスケールなのか、廊下や人が動く動線をいかに豊かなものにするのか等、住宅設計にあたり多くのヒントが詰まった住宅です。
| 建築・設計について | 19:46 | comments(0) | -
山邑邸(4)
山邑邸最上階食堂です。南側には、大きなルーフテラス、東側には下階のテラスに出るための前室、北側は暖炉で構成され、食卓を中心に天井は方形となっています。食卓を囲むスペースにテラスへの出入口が飛び出す形で付いている為、より奥行きと拡がりが感じられます。









| 建築・設計について | 22:30 | comments(0) | -
山邑邸(3)
2階応接室からプライベートなエリアに上がる階段です。
暗く、低い天井の廊下から振り返って階段を登り始めると正面に大きな開口があり、光が注ぎ込まれます。



山邑邸は、吹抜けやダイナミックな空間構成はありませんが、敷地の高低差を利用しながら床レベルの変化により多くの感動する空間体験ができます。
この階段も上下の視線の移動、光の取り入れにより感動的な空間になっています。


一度踊り場で向きを変えると、連続する開口部による明るい廊下に続きます。


長い廊下は、和室の前室です。


踊り場から反対の階段をあがると家族室へと導かれます。

本当に小さな踊り場と階段による空間操作ですが、ヒューマンスケールでしかもワクワクする楽しみがあり、流れのある場面が展開します。

| 建築・設計について | 12:58 | comments(0) | -
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