冨田秀雄の設計日記

家づくりへの想い、考え、そして私的な内容を綴ったブログです。
アパートメント傅
東中野にあるアパートメント傅の喫茶店傅に寄ってきました。入口は、壁が曲がっていて見えませんが、奥に進んでいくにつれこれはだたの集合住宅では無いと感じます。カフェ傅は、集合住宅の中の一部の建物ですが、雰囲気が非常に落着いていて、ゆっくり寛げます。かなり前にできた建物ですが、経年変化によって樹木が建物を被い、壁も適度に汚れて、非常にしっくりとした建物群です。設計は、泉幸甫氏。とても落着きのある和を感じる建物を多く設計している建築家です。





カフェの壁には小さな丸い穴が空いていて、そこから内部に薄い光が差し込みます。開口部は大きくとられていますが、今は樹木が上手い具合にかぶさって、視覚的な拡がりと自然の豊かさを上手く感じることができます。内部は、適度な暗さがあり、非常に落着きます。


全体の敷地規模にしては、大きな外部空間が豊かに取られ、どこかヨーロッパの小さな村に来たような感じになります。


階段のディテールもさりげなく美しいです。

こんなカフェが近所にあると、いつも通うのですが・・・。
| 建築・設計について | 21:34 | comments(0) | -
建築はどこにあるの?展
国立近代美術館で開催中の「建築はどこにあるの?」展に行ってきました。
7人の建築家のインスタレーションがあり、各人が歩きながら「建築って?」を考えます。
一番最初にあるのが、中村竜治氏の作品。


単純なトラスで形成された半透明な壁とでも言いますか。歩きながら見ますと、遠くに視線が通ったり、またクモの巣のようにレース状に見えたりと、固くもあり柔らかくもある感じがします。シンプルなものをいかに面白く見せて、そこに感動を呼ぶか・・といったところが建築?かなー。

隣は、中山英之氏の作品

結局建築っていうのはスケールと寸法なのでしょうか・・・
そのバランスを少し変えてやると、今までとは違った何かが生まれそうです。

次は鈴木了二氏の作品

なんとなく解りやすく、私の時代は学生時代からこんな空間にあこがれて、それを表現したいと思っていましたが・・・。静寂。水平・垂直。光。反射。水に映る影。浮遊感。

伊東豊雄氏の作品



いつも全く新しい空間を求めて設計活動を行っている建築家の提案空間。
未体験ゾーンに入る感じです。蟻か蜂はこんな感じの家に住んでいるのかも。じっと佇んでいるよりも、常に動いているという流動性を感じます。

もうしばらく開催してますので、ちょいと覗いてみてください。
| 建築・設計について | 00:26 | comments(0) | -
銀座並木通りをぶらぶら歩いていましたら、突然道の反対側に何やら不思議な物体がありました。資生堂ビルのショーウインドウの中ですが、何とクチビルではないですか!



かなりのインパクトがあったので立ち止まり近づいて行くと・・・

妙にリアル・・・


な、何と口紅でできた唇でした。
意味のあるストレートな表現と、訴えるパワーの強さに感動しました。



まさにこれぞアートであります。
| 建築・設計について | 17:13 | comments(0) | -
O邸マンション改修工事(8)
いよいよできあがりです。
玄関を入ると木で囲まれた空間が迎え入れてくれます。
奥の書斎まで視線が通り、光が入り込みます。本で囲まれた書斎は、一人でじっくりと調べ物をしたり、集中して本と楽しめるスペースです。


正面左上の開口は、ここに観葉植物や何か飾りを置くスペースです。
左側の引き戸を開けると廊下に繋がります。


廊下の天井高さは、2.250mmですが、建具が天井までの引き戸となっているので、垂直方向に目線が行き、とても高く感じます。奥からはリビングからの光が差し込みます。


リビングと和室はつながっていて、南からの光で溢れています。
造り付の家具は、緩やかにカーブを描くことで、優しく2つの部屋を繋いでいきます。


キッチンと廊下を見返したところ。
ダイニングからは、キッチンの一部が見え、料理をする奥様と会話ができます。ガラスの部分は、大切な置物を飾るスペースです。
建物は鉄骨鉄筋コンクリート構造で、丁度大きな梁が部屋を横断していますが、逆にこの梁で領域が区切られ、アクセントとすることができました。


ダイニングの照明は、ヤコブセンデザインのAJロイヤルランプです。フォルムが優しく、光も下と上に行くので、部屋が何となくホアッと明るくなります。私もお気に入りの照明の一つです。

玄関と書斎のかちっとしたスペースと、リビング・ダイニング・キッチンへと流れる明るく優しいスペースが混在し、とても住みやすい住宅になりました。風も非常によく通り抜け、昨日の猛暑でもじっとしていれば、冷房不要です。これから本が入り、長年大事に使われてきた食器棚や冷蔵庫が納まり、新しいカーテンが付くと完成です。
| 建築・設計について | 19:15 | comments(0) | -
O邸マンション改修工事(7)
家具を含め、下地の工事が終了し、最後の仕上げ工事である塗装工事となりました。木の肌が表れる扉や家具の塗装は、床の竹フローリングの色に調合して、薄く色のついたラッカーを吹付け工法で塗っていき、そのあと拭き取るというやり方をしました。
下地の木目を殺さないようにしかも、出来る限りムラがでないように注意深く色を付けていきます。









木の部分が完成しますと、次に壁の塗装に入りました。
| 建築・設計について | 20:13 | comments(0) | -
O邸マンション改修工事(6)
壁の下地ボード施工前にキッチンを取り付けます。




その後、壁の石膏ボードを貼り込み、続いて造り付家具の製作に入りました。今回天井や壁との取り合いが難しいのと、寸法的余裕がなかったので、全て現場に合わせながら大工さんが家具を造りました。


リビングとキッチンを緩やかに繋げるカウンターは、天板が優しくカーブしたデザインにしました。そのカウンター下はキッチンからもリビングからも使える収納になっています。このカウンターの製作が苦労しました。


蔵書が多いので、本の壁で囲まれた書斎を造りました。窓の下にあるベンチに腰掛けて本をじっくり読むスペースです。


玄関は、木の壁で囲まれたスペースで、入ってきた時にがらっと雰囲気がかわるデザイン的にも考えたスペースです。ここから上の写真の書斎が見え、光を感じることができます。



| 建築・設計について | 08:40 | comments(0) | -
O邸マンション改修工事(5)
まずはユニットバスの取付です。今回のユニットバスは、キッチンと同じヤマハ製。お風呂に入りながら音楽が聴けるスピーカー内蔵です。



次に天井の下地工事そして間仕切り壁の下地工事を行います。

ロールカーテンは、天井に内蔵するよう、ボックス型に下地も組みます。


今クライアントのお持ちの家具をぴったり納まるように壁の位置を決めているので、寸法には細心の注意が必要でした。


今回は、設備を床下で配管しています。その上に床の下地を貼っていきます。


家具の工事は、全て大工さんが行います。いろいろな取り合いが多いので、今回は、始めに床の仕上げフローリングを施工しました。
フローリングは、竹です。床暖房も一部入っていますが、床暖房対応のフローリングとしています。
| 建築・設計について | 13:12 | comments(0) | -
O邸マンション改修工事(4)
サッシが付いた後に窓枠、カーテンBOXを付けて断熱を吹き込みました。
壁は、勿論のこと、天井も床も60CMまで吹き込みます。断熱材は、イソシアムレートフォームで厚みは15mmとしました。








1階に車を置きそこからポンプをマンション外部を伝わせて吹き込む方法を取りました。
| 建築・設計について | 01:57 | comments(0) | -
O邸マンション改修工事(3)
全てをスケルトンにした後、まず設備の床下配管を行います。給水、排水、給湯管やガス管を全て新しいものでやりかえます。



一方製作した新しいアルミサッシを取り付けます。
まず、古いサッシの障子を外し、コンクリートに埋め込まれた古いサッシ枠の上から新しいサッシ枠を被せて取り付けます。





止水は、外部にコーキングを打つことで対応する方法です。




最後に新しい障子を取り付けます。

サッシは、全て特注サイズですので現場の古いサッシ開口部寸法をきちんと測り、工場で作ってきます。工場製作期間は、2〜3週間ですが、現場での取付は調整含めて3日間でした。
ガラスは、勿論ペアガラスで、断熱及び結露対策にはもってこいです。
又、新鮮空気の換気口は外壁に無く、古いサッシの上部ガラス引き違いで行っていました。今回の新しいサッシでも上部に換気がとれるガラリが付いており、開閉もできます。断熱性、安全性、使い勝手、意匠性が全て良くなりました。
| 建築・設計について | 23:34 | comments(0) | -
O邸マンション改修工事(2)
今回の工事は、間仕切りから仕上げまで全てをリフォームする計画ですので、既存の壁、床や天井の仕上げ及び下地その他キッチンからトイレ、ユニットバスまで全て解体し、スケルトンの状態にしました。


完全にスケルトンにした状態


壁の仕上げを外してみますと、断熱がされていないことが判明しました。
サッシのガラスも勿論シングル板です。


サッシに関しては、マンションの所有権が絡みます。通常外部のサッシまでは共有のものでなかなかいじれないのですが、今回は、サッシ自体がかなり古く使い勝手が悪いことや省エネ的にも不向きであり又、防犯上も見劣りするということ、更に新しいサッシを古いサッシ枠に嵌め込むという技術的工法もあり、外から見た目も意匠的にマンションの価値を下げるようなものでは無い事等を理由に管理組合の方やメンテナンス会社の方と協議して変更することにしました。


配管は、当時は下の階の天井内で納めていましたので、写真のように上階の排水管が見えています。
この部分に関しては、漏水が無いかを確認し、音ができるだけしないように保温材を巻き込む方法を取りました。


マンションのリフォームで思いの他苦労するのは解体です。解体する材料は、エレベータに入る大きさまで細かく砕き、さらにエレベーターを用いて1階まで運ばなければなりません。通常の解体よりも時間と人件費がかかります。廊下やエレベータの養生も勿論きちんとします。
| 建築・設計について | 23:08 | comments(0) | -
O邸マンション改修工事(1)
昨年から設計しておりましたO邸の改修工事がもうすぐ完成します。マンションの一室の完全リフォームですが、これまでの工事の流れ等話していきたいと思います。
 改修工事においては、竣工当時の図面が残っていれば設備や構造の位置等計画時に判断できるのですが、昭和46年竣工の建物でもあり図面もほとんどなく、今回も手さぐりでのスタートでした。
 まずは、現場の寸法を測り図面化します。天井裏や床下等外して見れるところはそこから覗いて配管や躯体の状況を見ます。


当時のマンションの間取りは、南に2部屋取り、真ん中にリビング・ダイニング、更に北に1部屋とるというパターンが多いのですが今回もそれに似た間取りでした。


開口部のサッシは古く、窓の上がガラスの引き違いになっていて、夏は良いのですが冬は、ちょっと寒そうです。又戸車の調子も悪く、手直しが必要だと感じました。


南の2部屋は和室できちんと収納は設置されていますが、やはりリビング中心の今の生活ですと部屋の真ん中がリビングというのは光・風の観点から見直す必要があると思いました。


キッチンや水廻り(トイレ・洗面所)の位置は、給水・排水管のルートと絡んできます。位置を変える為には配管の勾配が取れるのかを考えなければなりませんが、今回は、床仕上げで80mmしか余裕が無く、また天井も低いので床を上げて排水勾配を取る訳にもいかず、できるだけ水廻りの位置は変えないで間取りを考える方向にしました。


玄関の扉を開けて中に入った状態の写真です。
いつも思いますが玄関に入った時の視界の拡がりや、空気感はどの物件でも大切にしたいと思います。今回の計画でもリビング・ダイニングと同じようにこの玄関の空間創りに力を入れました。
| 建築・設計について | 22:05 | comments(0) | -
フランス大使館
新しく建築されたフランス大使館です。都心に残された広尾の森を大きく取り込むというコンセプトで、北側に面する森に対しては前面カーテンウォールのガラス開口。南側は、マンションがあるため、コンクリートの壁でプライバシーを確保するという構成。入口ゲートから中に入りますと、ピロティー広場がありその脇のデッキの敷かれた斜路を登って行きます。このプロムナードが素晴らしいのです。片側は、擁壁ですが威圧感を無くし森のイメージとする為に、擬石を積み重ね植栽を施しています。




アプローチは、出来る限り長くしかも自然を感じるものにしたいと常に考えていますが、この斜路を登って行きますと頭の回路がチェンジし、仕事モードに緩やかになっていくのではと思いました。


外観といったものは、ほとんど見えませんが、とにかく森の緑が室内のどこからでも気持ちよく眺められる設計になっています。


ガラスは、海外の特注品で熱の進入を抑えた複層ガラス。手動で開くサッシとコンピューターで制御された換気システムが外装カーテンウォールの中に上手く組み込まれています。


ガラス以外の部分は、コンクリートのPC版で、ただのコンクリート打ち放しではなく、もう少し柔らかさを出す為に、黒と白の花崗岩、大理石を埋め込んでいます。工場で造るコンクリートパネルですが、石を一つ一つ並べてコンクリートを打ち込んで、そのあと全面を研磨し、埋め込んだ石を表面に出すといったきめ細かい作業でできた外壁です。
目地もコーナーには入れないで、すこし折れ曲がったところに入れています。こうすることで、重厚感がでるのです。
 しかし本当に手間のかかる仕事をきちんと納めたいい仕事をしていました。
| 建築・設計について | 19:30 | comments(0) | -
早稲田スコットホール
しばらくご無沙汰してましたプログを又再開します。
7月に入りましたので、又いろいろな建築デザインを見聞きし、知の蓄積をしたくなってきました。
まず、早稲田スコットホール。早稲田は、家から比較的近いのですが、このホールには初めて足を運びました。現在でも、早稲田奉仕園として礼拝堂として使われる他に結婚式や会議等さまざまな用途に使われている現役なのです。完成は、1922年とありますので80年以上も頑張っているわけで、本当に多くの人に愛されているうらやましい建築なのです。
設計は、ヴォーリズ事務所で、施工監理が早稲田大学の内藤多仲教授と研究室にいた今井兼次助教授ということになっています。レンガ工法で屋根は、木造。内部は、木の屋根構造トラスがそのまま意匠になっています。
外観は、レンガのイギリス積み。






レンガという素材は、最近では三菱1号館の建設で沢山使われていますが、職人が一つ一つ積上げていくので、非常に重厚感があり、又不ぞろいのところが美しい素材です。外観の仕上げ素材と開口部の意匠が建築のデザインを決定する大きな要素でありますが、細さ、軽さ、浮遊感なる現代建築が多い中で私はこの重い感じが好きなのです。
| 建築・設計について | 22:36 | comments(0) | -
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