冨田秀雄の設計日記

家づくりへの想い、考え、そして私的な内容を綴ったブログです。
目黒から恵比寿散策
JR山の手線で恵比寿から目黒に行く途中に大きな赤い球が黒い建物に食い込んだ建築が目に入ります。すぐそばを通る機会があり、外観を覗いてみますと、道路側は全くの黒い壁にスリット状の開口部が綺麗に空けられています。金属パネルとばかり思っていましたが、なんとコンクリートの壁にスリットが設けられていました。力技です。


先端方向まで歩くと先の方は細くなり、シャープなイメージですがそこにアンパンマンのホッペみたいな球体がはまっているのを垣間見ることができます。



さらに歩くと、その球体が見えるのですが、道路からはほとんどその全容は見えません。

設計は芦原太郎氏。自動車教習場の建物です。
赤い球は、昇る太陽をイメージしたもの。一度見ると忘れられない形状です。



強烈なインパクトを与えますが、街に対しては暴力的では無く大人の落着いたデザインであり、動く山の手線に対しては一瞬の映像として頭に残るインパクトのある建物となっています。


恵比寿駅まで来ますと、良くデッサンのモチーフとして使われている雑居ビルが見えました。こちらは、街並みに対していろいろ看板が着いていますが、色とそのバランスが良く、なかなか見ていて飽きません。陰影があるのと、人の手の痕跡のようなものが見えるからでしょうか。
| 建築・設計について | 00:59 | comments(0) | -
世界建築模擬旅行
さて、次なる写真はどこでしょうか?



イタリア南部の港町か。



マヤの遺跡か。



イスラムの寺院か。

ということで、完全なるフェイクの世界ですが、良くできています。
廻りに一切日本の建築郡や、もろもろの建造物が見えず、空がバックのためまさに現地にいるような錯覚にもなります。
東京ディズニーシーには初めて行きましたが、人が多く繰り出して来ていてランドもシーも入場制限がかかっていました。何とも25年の成果ですが、ここは不況知らずです。人を喜ばせ幸せな気分にさせることに全エネルギーを掛け、夜はゲストが帰った後で園内を大掃除し、働いている人も皆元気で笑顔です。妥協を許さない徹底したサービスが、人をひきつけるのでしょう。
| 建築・設計について | 19:41 | comments(0) | -
ネイチャー・センス展
森美術館で11月7日まで開催中のネイチャー・センス展を見てきました。
吉岡徳仁・篠田太郎・栗林隆といった作家の作品が天井の高い大空間に置かれていて、ゆっくりと味わうことができます。自然というとても大きなテーマを現代アートとしてどのように捉えるかというテーマです。





吉岡徳仁のスノーという大きなインスタレーションは、羽毛を扇風機でかき混ぜ、それがゆっくりと時間をかけて落ちてゆく様子を見て感じるのですが、雪国の粉雪を連想させ静寂と時間の流れを体感させてくれます。また特殊ガラスの無垢板のテーブルは、無垢という圧倒的な存在感を感じることができます。



又ネイチャーセンス展とは別に見ることができたインドネシアのトロマラマの作品は、音楽と映像作品がまさに一体となった物ですが、気の遠くなるような力技から生まれたもので、その掛けられたローテクエネルギーがだれにもわかるが故に、感動させられるものでした。


| 建築・設計について | 22:26 | comments(0) | -
根津美術館(2)
根津美術館の中にあるレストラン棟です。この小さな建物はシンプル・ミニマムな空間を体験させてくれます。無駄なディテールが一切無く、開口と屋根と壁がそれぞれ見せ場があります。まず開口部ですが、森に向かってガラスの開口がどーんとあり、無駄なサッシのラインが見えないのでそのまま森の緑が目の前に迫ってきます。都内でこんなに自然を感じられる喫店はなかなか無いでしょう。



天井と壁は、和紙をイメージした素材で天井からの光が和紙を通して室内に入り、柔らかい雰囲気を室内に醸し出します。




物と物がぶつかり合う部分をどう対処するかが、設計者の腕の見せ所でもあり、またそのディテールが建築全体まで影響するものですが、この建物はその部分が実にあっさりとして、それだけに折り紙の中にいるようなイメージをすんなりと受止めることができます。


入口から軒下をみた写真ですが、屋根もシート防水そのままで、本体の瓦屋根とはまったく対照的です。


これは、庭園内にいくつかある茶室の一つ。近くには池、小さな滝もあり、
静けさの中に水の音も聞こえます。
なかなか楽しい美術館です。
| 建築・設計について | 22:58 | comments(0) | -
根津美術館1
青山にある根津美術館です。新しくなって1年が経ちますが初めて中に入りました。まず、庭園の素晴らしさがあり、その庭を内部から存分に眺められる設計になっています。ホールそして展示スペースの移動の際、その緑が優しく目に写ります。建築家隈研吾氏の力作です。




展示は、勿論すばらしく国宝を含めた日本の美を存分に楽しむことができます。




外部の屋根は瓦と金属。雨に濡れた瓦の美しさは忘れていた日本の伝統を思い出させてくれます。


庇は長く、切れのあるデザインです。

建物も良かったのですが、展示室の照明が優れています。LEDで全体照明を行い、ポイントはハロゲンランプ。展示される内容に応じ、器のひびの細かさを上手く出す照明や、暗い室の中で胴器の重厚感、表面の凹凸の変化を感じる事ができる照明など、非常に考えられた光でした。
| 建築・設計について | 21:34 | comments(0) | -
相模湖渡し舟
連休の最後は良く晴れたので、久しぶりに家族とハイキングに行ってきました。行き先は相模湖畔から登る石老山です。関東100名山に選ばれています。ガイドでは、簡単に登れて楽しめますと書いてありましたが、いざ登ってみるとなかなかハードで、簡単ではありませんでした。帰りの下り坂も厳しくひざが笑い、子供達もやや疲れたという最後に相模湖を横断する渡し舟があるというので、それに乗り込み帰路につきました。今日の頑張りのご褒美みたいな感じで、湖面はとても静かで美しく、周りから見る相模湖とは又一味違う表情を見せてくれました。









| 私的な話 | 21:09 | comments(0) | -
旧井上房一郎邸
群馬県高崎市にある旧井上房一郎邸を見学しました。
井上房一郎は、群馬交響楽団、県立美術館の設立、群馬音楽センターの建設等群馬の文化向上に欠かせない人ですが、その自宅がレーモンドスタイルの建築として今も残されています。レーモンドの事務所兼自宅の図面の提供を受け、井上工業の大工が建設したもので、レーモンドの自宅が無い今となっては、その空間・材料・しつらえを学べる貴重な建物です。

リビングは、中央に暖炉を置き、足場丸太の2つ割の梁が柱を挟み込んだ構造を内部にまで見せ、開口部と柱ラインをずらす「芯はずし」を行うことで大きく外部に開放された空間です。





南の連続的な開口は、深い庇により夏の光を遮り、北側のハイサイドに放たれた開口部からは、均一的な光を採り入れています。壁の周辺には造り付の家具が重心低く配置され、壁のベニヤ仕上げとひと繋がりになり、とても落着いたしつらえです。



屋根の一部をガラス貼りとしたパティオは、レーモンドの自宅では、よく食事がなされていたようです。外部と内部との密接な繋がりは、日本建築の伝統ですが、このパティオは、構造的にもデザイン的にも優れた領域で、とても気持ちの良い場を提供しています。


| 建築・設計について | 22:17 | comments(0) | -
白井晟一展
建築家白井晟一の展示会に行きました。





余り多くを述べられていない建築家の展示会ですが、創り出した建築の数々は、その建物を体感した者にとって非常にインパクトが強く、またその空間の持つ力強さ・静寂さというものは、忘れ得ない経験となって残ります。東京では松涛美術館が公共建築として残っておりいつでも体感できますが、多くの優れた建物(親和銀行東京支店、喫茶店亜門、自宅の虚白庵等)は残念ながら現存しません。
 文章では表現しきれないのが建築の魅力でありますが、なにかこの建築家の建物には多くの魂がしみ込んでいるような感じがします。
 近代建築が流行りだしその大いなる波が訪れていた時に、その流れとは全く異なる方向で1人で建築と向かいあっていました。流行に流されない強い意志と、深い考察が今の建築界にも必要です。
 私も今回の展覧会をきっかけにもう一度白井晟一とはどんな建築家だったのか勉強してみたいと思いました。
| 建築・設計について | 17:16 | comments(3) | -
群馬県立近代美術館
群馬県立近代美術館で開催中の建築家白井晟一展に行ってきました。
群馬県立美術館は、磯崎新氏の設計で、1974年に竣工し増築改修により今に至りますが、その空間の豊かさと存在感は、出来た当時と変わりません。


12m角の立方体フレームを建築モジュールとして、連続する形態を持ち、世界をめぐる美術品が一時ストックされる港としての空間として考えられています。


エントランスホールは、大きな吹抜けであり、各展示室も光が上手く取り入れられ気持ちよく展示品にふれることができます。ホールはスケールが大きいスクエアーな空間なのですが、光の抜けがあり、連続性のある視界の拡がりがあるため飽きがきません。


県の森にもしっかり開かれ、その景色を存分に取り組んでいます。




2階へと登る階段のアイストップには光が差し込む螺旋階段が見え、上昇感と期待感が交じる劇的空間となっています。
| 建築・設計について | 21:17 | comments(0) | -
ファサード
今日は天気も良く、散策には適した日和でした。銀座を歩いていて、空の青さが美しく、ビルを背景に写真を撮っていましたが、最近はそのファサードの表層意匠が凝ったもの、建物全体が有機的に曲がったものが多く見かけられます。なんとなく珍しいのですがすぐに混沌とした街並みに溶け込んでしまい、珍しくも何ともなく感じるようになってしまいます。









友人の建築家から今の建築の流れは、生物的か静物的かの方向にあると聞いて、なるほどと思いました。CADを用いていろいろな形も実際に構築できますし、様々なファサードも実現できるようになりました。自然界には直線は無く、曲線・曲面で構成され、それら自然界の形からヒントを得ながら建築にも積極的に取り入れ構造計算し、ダイナミックな空間を実際に建築できるところまで来ています。もう一つの考えは、静かな佇まいの中でも、今までの近代建築に無い要素、形態をわずかづつとりいれながらどこか変化の感じる静かで豊かな空間を構築する方向。私としては、静物的な建築が好きですし、これからもその方向に進んでいこうと思いますが。
| 建築・設計について | 23:20 | comments(0) | -
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