冨田秀雄の設計日記

家づくりへの想い、考え、そして私的な内容を綴ったブログです。
I・Mペイ マイヤーソン・シンフォニー・センター
ダラスのナッシャー彫刻センターの近くは、芸術地区となっていて、I・Mペイ設計のマイヤーソン・シンフォニー・センターや、ノーマン・フォスター設計のAT&Tアートセンター、レム・コール・ハウスの劇場などが建ち並んでいます。
まずは、マイヤーソン・シンフォニー・センター


ボリュームの大きな四角いシンフォニーホールを円形のホワイエで包むことで、その大きなボリュームを文節化して威圧感のないデザインとしています。


たまたまこの日は、ハッピーな結婚式が行われていました。


曲面ガラスのハイサイドライトからホワイエに明るい日差しが降り注ぐ設計です。


隣はフォスター設計のアートセンター


前面のエントランスコートに大きなルーバー庇が設置され、強い日差しから守っています。

どちらも内部には入れませんでした。
| 建築・設計について | 11:40 | comments(0) | -
レンゾ・ピアノ ナッシャー彫刻センター(2)
大好きな彫刻家の1人であるジャコメッティーの作品。



外光が入ってくるので、展示室全体が明るく、とてもリラックスして展示品を鑑賞できます。


彫刻ガーデンにあるミロの作品


天井は2重ガラスと特注のアルミ成形の鋳物で、鋳物には細かい穴が空いています。その穴は南側からの直射日光を遮断して北側の採光が得られるようにデザインされています。


天井ガラスは、ステンレススチールロッドにより展示室両側の壁から吊る工法をとっています。

ハイテクですが、形態とコンセプトは単純明快で、動線も解りやすく親しみのある美術館でした。
| 建築・設計について | 16:46 | comments(0) | -
レンゾ・ピアノ ナッシャー彫刻センター(1)
ダラスにあるナッシャー彫刻センターです。設計は、イタリア建築家レンゾ・ピアノ。世界で屈指の規模の個人彫刻美術館です。平行な5枚の壁の間を展示空間とし、屋根をアルミサンスクリーンとガラスで構成することで内部に自然光を採り入れ、外にいるような明るい美術館になっています。


エントランス側の外観。建物は平屋でかつ街路樹が多いため全体像ははっきりしませんが、ガラスを通して奥の屋外彫刻ガーデンと繋がっているので、大きな公園の中に入っていくような感じです。


屋外彫刻ガーデンから振り返って建物を見たところ。


内部エントランス側を見たところ。
太陽の光が壁に反射して天井ガラスから美しい光が室内に入ってきます。


シンプルな空間だけに、天井の美しさが目にとまります。廻りの空気が澄んでいて清らかな非常に心地よい展示空間です。


室内から屋外彫刻ガーデンを見たところ。ガーデンへとそのまま続いていて、屋外の彫刻を散策しながら鑑賞できます。
| 建築・設計について | 00:42 | comments(0) | -
バカラのシャンデリア
恵比寿ガーデンプレイスのイルミネーションが綺麗だと聞いたので、家族で見に行きました。バカラのシャンデリアが堂々と、ガラスケースに入れられて飾られていました。もう少し自然な感じにできないものかと思いました。











ブルーや白のイルミナーションが街を飾っていますが、私はやはりこの暖かみのある電球色が好きですね。
| 私的な話 | 00:32 | comments(0) | -
お菓子の家
メリークリスマス!
視察旅行中ピッツバーグの街中のショーウインドウで見かけたお菓子の家です。近くに住む子供達の手作りで、それぞれが工夫を凝らし本当に綺麗で美味しそうなお菓子の家が勢揃いしてました。


番号が付いていて、街の人達の投票で「よくやりました賞」などがもらえるようです。


子供の数だけ、いろいろなデザインの家があります。


同じものは1つもありません。どれもこれも作り手の一生懸命さが伝わってきます。





子供達の想像力は無限です。こんな楽しそうな街ができたら、きっと明るい社会になるでしょう。
来年も良い年になり、多くの人が幸せでいられるようお祈り致します。
| 建築・設計について | 01:37 | comments(0) | -
フィリップ・ジョンソン アモン・カーター美術館
フィリップ・ジョンソン設計のアモン・カーター美術館です。この美術館は、キンベル美術館、フォートワース美術館のすぐ近くにあり、訪れた人は自分の好みでいろいろな美術品を鑑賞できるというわけです。


正面アーチのゲート状となっている棟がエントランス棟。その後ろのグレーの部分も美術館です。


エントランスから前庭を見たところ。左の端の方に工事中のキンベル美術館の屋根が見えます。もう少し彫刻等があれば良いのですが、残念ながら少し間延びした庭になっています。歩いている人もおらず、もったいない。


連続するアーチは、テキサス州で採れる石灰岩で仕上げられています。
日本では、外部に石灰岩を使いたくても雨の侵食、汚れの被害があるため基本的に使いませんが、ここテキサスは空気が乾燥しているので非常に美しい状態で維持されています。


内部大吹抜けの階段室の壁もクリーム色の石灰岩です。この色はとても目に優しく私もお気に入りの色です。


多くの貝殻の化石が美しく残っている石を使っています。なかなかこれだけの石は、今では採れないと思います。

| 建築・設計について | 00:03 | comments(0) | -
安藤忠雄 フォートワース現代美術館(3)
エントランスホールから中に入ったところにあるアンゼルム・キーファーのブース。



巨大な展示空間に現代アートの傑作が並びます。


マーティンパーカーの作品




様々な視点が用意されていて、ゆっくりと現代アートに浸ることができる美術館です。
| 建築・設計について | 23:27 | comments(0) | -
安藤忠雄 フォートワース現代美術館(2)
ルイスカーンのキンベル美術館が、内へと意識を向ける空間に対して、フォートファース現代美術館は、大きな室内展示空間は別にして、外へと意識を向け外部との繋がりを重視した空間といえます。


展示を見て行くと、突き当たりに外光が入るニッチがあり、そこまで行くと
外を感じる展示室に繋がります。




ここで視界は大きく静かな池へと拡がり、空気が変わります。




池を見ながら置かれた美術品を鑑賞しつつ、次の展示室へと導かれて行きます。
3つの同じボリュームのガラス展示室が並んでいて、そこを廻りながら内部と半外部空間を体感していきます。
ルイスカーンの厳格なキンベルを何度も訪れその厳格さを会得しながらこの現代美術館を設計したそうですが、確かに空間の室は違うものの、共通した思想があるように感じました。
シンプルな形態の中に様々な場が創り出されており、安藤建築の優れた作品となっています。
| 建築・設計について | 01:27 | comments(0) | -
安藤忠雄 フォートワース現代美術館
キンベル美術館の隣には、安藤忠雄設計のフォートワース現代美術館、フィリップ・ジョンソン設計のアモン・カーター美術館があります。まず、フォートワース現代美術館を訪れました。
大きな現代アートを展示するため、そのボリュームはキンベルよりもはるかに大きいものです。国際コンペで安藤氏が勝利し、この建設となりました。
カーンのキンベルが内への静寂な空間性を持っているのに対して、ファオートワースは、外との繋がり、水平性を重視した設計となっています。
 美術館で外との繋がりを持たせることはなかなか智恵が必要ですが、この美術館、内部展示を見ながら歩いていくと外の水盤が眺められるガラスの展示空間へと導かれ、視界が開けると共にここで大きく気分が変わります。歩いていて、内部と外部が楽しめ、とても楽しくリラックスして展示を巡回できます。

まず、エントランス外観。

ガラスのマリオンとアルミパネルの外壁、それに打放しの柱・屋根で構成されたモダンな建物です。


エントランスから中に入ると一面の水盤というか大きな池が目の前に拡がります。水面は、風により波紋ができ、あくまでも静かで日本の庭園のようです。


コンクリートの箱とそれを包むガラスの箱という2重皮膜の建物です。コンクリート打ち放しのY字柱が、大きなはね出した庇を支え、この建物のデザインキーワードとなっています。


芝生の広場が池の一番奥までつながり、子供達の遊び場にもなります。


何といってもこの浅い池の存在が気持ち良さの全てを決定ずけています。
| 建築・設計について | 21:47 | comments(0) | -
ルイス・カーン キンベル美術館(3)
光は、天井のスリットと壁のスリット、一部屋根と壁のスリットから入り込みます。天井のスリットは、一部つなぎの梁はあるものの、端から端まで通り、屋根と妻壁もスリットで切れているので、構造的にどのようになっているのか迷いますが、構造計算上はこのドームの屋根自体が梁として働いています。







中庭に添って配置されたレストラン。この静かなる空間は、美術館でもレストランでも、事務スペースでもどのような機能でも対応できる絶対的な力強さを持っています。


2013年には、レンゾ・ピアノによる新しいキンベル美術館ができます。その全体完成模型。奥がカーンのキンベルで手前が新キンベル。一部を地下に埋める等して今の美術館と同じ高さに揃え、ボリュームや配棟もそろえながら全体としてまとまりのアある配置計画となっています。これによってエントランス廻りの森も再生され、水盤も復活し、さらに素晴らしいスペースになると思いました。3年後が楽しみです。
| 建築・設計について | 22:23 | comments(0) | -
ルイス・カーン キンベル美術館(2)
地下部分の入口から中に入ると、正面に1階に上る階段があります。

手摺がまたしびれるディテールで、金属の1枚板を曲げて造ってあります。
存在感がありかつ空間を締めるデザインです。

一歩一歩踏みしめて昇っていきますと、美しく光を受けとめているボールト天井が見えてきます。



階段を昇って振り返ると、そこが本来のエントランスホール。
まず、天井の美しさに感嘆の声を発してしまいました。今まで何度も写真で見たことがあるのですが、これほど美しいとは思いませんでした。コンクリート素材そのものなのですが、反射板で反射した光がドームの天井に当たり優しく廻りこみます。コンクリートが何かシルクのような感じさえしました。

床はフローリング。柱と天井はコンクリート。壁はコンクリート、トラバーチン大理石。部分的に木。
それぞれの素材が無理なく納まり、すばらしいハーモニーとなって空間を包み込んでいます。


突き当たりには中庭が見え、外との繋がりを演出します。


光る天井ボールとが連続する展示室は、柔らかい光に包まれ美術品を非常に見やすい明るさとしています。

形態は単純な連続型ですが、まずスケールが見るものにとって非常に落着くスケールで、大きなリビングルームでゆっくりと鑑賞するといった感覚です。次に形態が単純で厳格なため、ひかりを認知しやすいのではないかと思います。
| 建築・設計について | 20:01 | comments(0) | -
ルイス・カーン キンベル美術館(1)
この視察旅行の大きな目的の一つであったアメリカテキサス州フォートワースにあるキンベル美術館です。設計はルイス・カーン。ルイス・カーン設計の建築を見るのは、2作品目。20年以上前にソーク研究所という偉大なる建築を見て、その厳格なる建築の素晴らしさに胸を打たれました。それ以来ずっとこの建築を見たいと思っていまして漸く今回その目的が達成できました。
着いて驚いたのは、魅力的なエントランス空間が今工事に伴い閉鎖していることでした。エントランス廻りの噴水広場や森の入口部分も増築工事に伴い一度解体されていました。残念。
それでも、その素晴らしい空間は充分堪能できました。


普段は裏口にあたる部分が今回エントランスとなっています。裏とは思えない美しいプロポーション。いつも設備の屋外機等の配置で苦労しますが、この建物は、それら設備施設をまとめ、表には全く出てきません。
要は、この建物は裏が無いと言う事で、どこから見ても完璧だと言う事なのです。




形態はシンプルで、かまぼこ型の屋根が横に6列、縦に3列並ぶ配置です。
その中に中庭があり、ホールがあり、レストランがあり、勿論素晴らしい展示スペースがありと、非常に美しい空間が展開されています。


ひとつひとつの塊は、柱・壁・屋根が分節され、それぞれの取り合う部分が非常に美しくまとめられています。この物と物がぶつかるところをデザイン的に重要視しているのです。

かまぼことかまぼこの間のフラットな部分に設備配管がなされています。


エントランスの一つのマッス。普段は左に森が開けます。
屋根と屋根は分節され、そこから光が注ぎ、トラバーチン(石灰岩)の壁面を美しく照らします。コンクリート打放しの面はとても丁寧に施工されていて綺麗な肌に仕上がっています。
| 建築・設計について | 22:47 | comments(0) | -
メキシコ国立自治大学
世界遺産にも登録されているメキシコ国立自治大学を視察しました。ここは大学の中にオリンピック競技場や映画館等都市機能が全て入っているようなところです。
まず、東京オリンピックに引き続き開催されたメキシコオリンピックでの競技場。



リベラの壁画が描かれています。スペイン人の父と、インデアン(原住民)の母から今のメキシコ人が生まれたということを表現してあるそうです。

キャンパスは広く大きな広場を中心にいろいろな学部の建物が建ち並んでいます。


この壁画は、シケイロス作。モザイクタイルの作品で「民衆から大学へ、大学から民衆へ」という題。大学に入り多くのことを学び、そして卒業して社会に還元しようという意図が含まれているそうです。


これは、大学図書館ですがその4面の壁全てに石のモザイクでメキシコのアステカ文明の神話や、スペイン植民地時代の歴史を描いています。
ファン・オルゴマンの作。


気の遠くなるような手作りの作品です。圧倒的存在感でした。
| 建築・設計について | 20:22 | comments(0) | -
ルイス・バラガン カプチン派修道院(3)
ひかりの恵みの教会カプチン派修道院は内部写真撮影NGでしたので、私の撮った写真はありませんが、ここで頂いた絵葉書やカタログ、雑誌からの写真を集めてみました。
まず、暗い前室で心を落着かせた後、大きな木の扉を開きますと、黄金に輝く礼拝室が目の前に現れます。この時の驚きと感動は、今まで体験したことの無いものでした。オレンジの壁と、黄色のステンドグラスから入り込む黄色の光が礼拝室全体を煌びやかに染め上げ、眩いばかりの祈りの空間となっています。
正面に黄金の祭壇。これは、彫刻家マシアス・ゲーリッツデザインです。



左の壁は、鋭角に折れ曲がりその奥から別の光が差し込みます。
そこに十字架があるのです。



縦長の開口からは、黄色い光が注ぎ十字架を照らします。この細長い開口の黄色いステンドグラスもゲーリッツのデザインです。
朝の光は十字架の影を正面祭壇左側の壁に落します。


バラガンはこの建築場所の光の入り具合を良く観察し、最も効果的にその光を捉え空間に生かしました。


小礼拝室から礼拝室を格子を通して見た写真です。正面に光を受ける十字架を捉え、右手に祭壇が見えます。
この小聖堂の格子の上からもハイサイドライトを通して光が注がれます。

中庭、エントランス、礼拝室、小礼拝室等完璧な配置と、その空間の美しさ。まさに祈りを捧げるひかりの修道院でした。
| 建築・設計について | 20:03 | comments(1) | -
ルイス・バラガン カプチン派修道院(2)
中庭には蔦が壁面を被い、花が咲き、光が溢れていました。



水盤は、ゆっくりと水が溢れ、鏡のように廻りの景色を映し出します。
水の中は黒いので、奥深くから聖水が湧き出ているように感じます。


黄色い格子の壁を挟んで、廊下は金色のひかりに覆われ、四角い光の粒子が壁に当たって美しい紋様ができていました。


突き当たりの扉をあけると、右手に待合室があります。

| 建築・設計について | 18:44 | comments(0) | -
ルイス・バラガン カプチン派修道院(1)
バラガンの設計した光の恵みの教会。それがカプチン派修道院です。修道院と聖堂の設計を依頼されたバラガンは、資金を自分が負担する代わりに設計全てを自分が仕切って建設しました。ここには、光に対するバラガンの想いが全てつぎ込まれています。この修道院建設には7年という長い月日を要しました。今の技術をもってすれば、1年足らずでできますが、バラガンは光の入り方、感じ方、反射の仕方等試行錯誤を重ね熟考し、ようやくこの形に辿り着いたのです。
カプチン派修道院は、スペインの街並みが残るメキシコシティーのトランバン地区にあります。道路に対してはバラガン自邸のように壁と開口、木の扉しか無く、ここが修道院かどうか一見してわかりません。


木の扉から中に入りますと、まず前室があり、その向こうに中庭が見えます。中庭突き当たりの壁には十字架が形どられています。





中庭奥から入口前室方向を見たショット
中庭に入った右手には聖水の水盤があり、その奥は黄色い格子壁のある廊下が見えます。


床は、火山岩のタイル。強烈なメキシコの光が差し込みます。

| 建築・設計について | 00:27 | comments(0) | -
フェリックス・キャンデラ イグレシア・デ・ラ・ヴェルヘン・ミグローサ教会(2)
ミグローサ教会の小聖堂です。
こちらは、シンプルな壁にシンプルな屋根。美しい光がハイサイドライトのステンドグラスを通して聖堂一杯に拡がります。







シンプルな形状だからこそ、この美しい光に目が行きます。
ステンドグラスが非常に効果的です。
天井全体がひかり、天井に虹がでているような聖堂でした。


| 建築・設計について | 21:14 | comments(0) | -
フェリックス・キャンデラ イグレシア・デ・ラ・ヴィルヘン・ミグローサ教会(1)
フェリックス・キャンデラの名前を世界に轟かせた教会建築が、このイグレシア・デ・ラ・ヴェルヘン・ミグローサ教会です。コンクリートHPシェル構造で約80枚のシェルにより構成されています。コンクリートの厚さが4CMという驚異的な薄さなのに、包まれた空間は重厚感ただよう物となっています。






この教会により、キャンデラは、HPシェルの構造家として世界的に認められるようになります。
4枚のシェルを折り紙のように折畳んで作った倒立傘型のシェルを基本モデュールとしていくつかのシェルが繋がりこの教会を構成しています。複雑そうに見えますが、モデュールがしっかりしていてむしろ厳格な感じを受けました。




光の採り入れかたもシンプルで、美しい。1953年の建物です。
| 建築・設計について | 22:15 | comments(0) | -
フェニックス・キャンデラ サンタ・モニカ教会
スペインから亡命し、メキシコで多くの建築作品を残したフェニックス・キャンベラ。かれは、構造設計者でもあり、HPシェル構造という構造システムを用いることで美しい曲線を持つ大空間の建築を数多く設計しています。その代表作の一つサンタマリア教会です。


内部は、丸い柱を中心に扇形のシェルが伸び、開口部からはひかりが入り、教会内を明るく暖かく包み込みます。









1960年に出来た教会です。今から50年前。勿論コンピューターもありませんから、手で図面を書き、手で構造計算も行いこれだけの難しい曲面建築を生み出したのです。現場施工も大変だったろうと想像できます。その才能と努力に脱帽です。
| 建築・設計について | 23:36 | comments(0) | -
メキシコ国立人類学博物館
メキシコが誇るメキシコ古代文明の歴史博物館です。設計はP・R・バスケス。正面広場からエントランスに向かいます。


中に入ると大きな中庭があり、そこを中心に時代毎の展示が分かれて配置されているので、訪問者は好きな時代のところを見て廻ることが出来ます。
その中央の中庭は、大きな屋根で覆われていますが、その大屋根を支えているのがこの1本の柱。


古代文明においては水が中心であり、水が無いところには文明は生まれませんでした。その水を湛える為、この中央の柱上部から水が滝となって落ちてきます。


この大きな屋根のスケールには驚かされます。

多くの貴重な展示品がある中で2つをあげると、.▲好謄カレンダーと▲丱ル王のヒスイの仮面(ピラミッドの中の王様の墓から見つかったもの)
です。△話度どこかの博物館に貸し出されて見れませんでした。

,離レンダーです。

直径3.5m。アステカ人が作ったもので365日にきちんと1年が刻まれ、このカレンダーを基にして農耕や宗教儀式を行っていたそうです。当時の人々にとって太陽は一番の神であり、その神である太陽が毎日絶える事無く地上に昇るように、いけにえの血を捧げていたそうです。そのいけにえの心臓を捧げる場として神殿が造られたようです。
 今のメキシコシティーはもともと湖に浮かぶ都市でしたが、スペイン人がこのアステカ人の都市を征服した後、湖は埋め立てられ現状のように大きな街となっています。このカレンダーは今のメキシコシティーの中央から発掘されたとの事。


これは女神コアトリクエ像で全ての神々の母だそうです。
2匹の蛇が頭で、スカートも蛇。頭蓋骨の首飾りをしています。もともと蛇はとても神聖なる生き物でした。当時の人々はこれら石の彫刻を石の道具で彫って作ったそうです。確かにエッジ部分が丸く、全体として優しく見えます。

その他沢山の貴重で面白い展示がされていました。見学の時間が余り取れなかったのが残念です。
| 建築・設計について | 18:29 | comments(0) | -
ルイス・バラガン ギラルディー邸
道路に面したピンクの壁と、大きな縦軸回転の木製玄関扉。ここは、ルイスバラガンが晩年設計したギラルディー邸です。


こちらも残念ながら写真撮影は外部と中庭のみということでした。
中庭には見事なジャカランダの木があります。この木は色彩豊かなピンク色の花をさかせます。この見事な木があるということからバラガンが設計を引き受けたとも言われています。



壁の色は決定するにあたり何度も塗り替えられ、心から納得した時点で決定が下されました。外部の色としては、派手な色ですがメキシコの風土にてらした色で、ジャカランタの色でもあるのです。

玄関を入ると上部から光が注ぐ階段吹抜けホールに出、そこから扉を開けて
黄金の光が射す廊下を通ります。

バラガンの住宅は、まず暗い落着いた全室があり、そこから天井の高い明るいホールに出て、また次の扉を開けると色彩豊かな別世界の空間へと我々を導きます。扉を開ける度に、「ワオー」という言葉が無意識のうちに出てしまうのです。

この黄金の廊下の向こうにある扉を開けると、赤、青の壁と薄グリーンの水盤で構成されたプールのあるダイニングに出ます。
光は2方向のハイサイドライトから射してきます。光は青い壁に当たりくり抜かれた部分が青い空間となり、そこに赤い独立した壁が水の上に浮くかのごとく存在します。プールは内部照明で照らされ、水が緑色にひかり、幻想的な空間となっています。



このプール付きダイニングにも中庭と繋がる大きな開口部があり、内・外の連続性はやはり非常に重要視されています。高い厚い壁によって街の喧騒からは遮断されていますが、内部にも大きな庭が存在し、静寂の中で自然(空や風)を感じることができます。
| 建築・設計について | 22:28 | comments(0) | -
ルイス・バラガン バラガン邸
ルイス・バラガンの自邸は、世界遺産になっています。以前ワタリウムのバラガン展では、自宅の一部の家具を持ち込んで展示をし、ボッタの空間にバラガンリビングを再生していました。またその以前からバラガン自邸は建築家斉藤裕氏により美しい写真で紹介されていたり、安藤忠雄氏が展示会をコーディネイトしていた為、どうしてもその本物の空間を直に体感してみたいと思っていました。それが今回の視察の大きな目標でもありました。

バラガン邸の建つ場所は首相官邸の近くの住宅街で、街に溶け込んでいるため、どれがバラガン邸か区別はつきません。


手前のピンクの建物が最初の自邸で今はオルテガ邸と言われる物。その向こうの白い建物がバラガンが晩年まで暮らしたバラガン邸です。
オルテガ邸でいろいろな事を試作し、バラガン邸ではそれを成熟させたと言われています。



四角い開口部は、書斎・仕事場の明かり取り。なぜ出窓かというと内部に壁の厚みを取り、光を厚い壁に反射させるためです。

この建物、内部は写真撮影禁止のため、雑誌の写真を入れますと

書斎はこのようになっていて、先ほどの出窓が左に見えます。
天井は、5mほど。右手には階段があり、バラガンは2階の部屋から客を迎えにこの階段を降りてきたということでした。
非常に神聖な雰囲気で、正面には祭壇もあり、静寂が支配します。
天井の梁は、そのままリビングまで繋がり、空間的連続性を意識させるものです。


リビング天井も5mほど。大きく開けられた開口部から広い庭へと繋がります。床は外と中が同じレベル。

パブリックな空間は、外部との繋がりを重視し、部屋も連続的につながっています。どこか日本の庭の内部・外部の関係性といったものと同じものを感じました。
庭も瞑想しながら歩いたというものですが、樹木が多く茂って暗い道を歩いていくかと思うと、いきなり芝生の広場に出て、明るい日差しを一杯に浴びます。明と案、解放感と閉鎖感といったメリハリのある空間が庭にも内部にも連続して続きます。
プライベートの部屋も素晴らしいのですが、天井高さはどれも3mを超えていました。
どうも私の感覚ではスケールが少しづつ大きいような気がしました。
ルイス・バラガンは身長が2m近くある背の高い人でしたので、私よりも20cm以上高い分、スケール感も違うのかなと思います。

暗い玄関前室から光溢れる階段吹抜けホールを介して、次々に場面を変えながら部屋が繋がっていきます。一つ一つの部屋には個性があり、どの部屋も安心して佇むことができる場となっています。多くの建築家達が感動した理由がわかる住宅でありました。




| 建築・設計について | 23:05 | comments(0) | -
ルイス・バラガン ラス・アンボレダス
ラス・アンボレダス地域にはルイス・バラガンの碑が建っています。ここにはバラガンの3部作という\屬な鼻↓∋葉桶の噴水広場、ベルの広場がありますが、噴水広場もベルの広場も水が今は無く、寂しい限りです。

飼葉桶の噴水広場は、黒く塗られた長い桶に水が張られ、馬の休憩所となっていたもので、長い遊歩道の先端にあります。縁は勾配が取られ、水が1枚の板のように溜められ、廻りの樹木が水に写りこみそれは美しかったであろうと想像できます。


ベルの広場も以前は水が張られ、馬が足を冷やす場として用いられていたようです。
バラガンは当初溶岩で覆われたこの土地を数人の仲間と共に購入し、馬の愛好家のための住居地区として分譲しました。この地区の先500mほどで先日のプログで書いたロス・クレべス地区があります。
今では多くの家が立ち並び、馬が行き来する風景はここでは見られませんが、素晴らしい住居環境に生まれ変わっています。
バラガンは、土地・環境を見る目も大変すぐれていたのです。





水を又満たせば素晴らしい公園に復活するでしょうから、考えてみてほしいものです。
| 建築・設計について | 23:11 | comments(0) | -
ルイス・バラガン ロス・クルべス
ロス・クルべスは、以前草地であったものをルイス・バラガンが馬の愛好家達が集うクラブを兼ねた住宅地と特徴づけて分譲した土地だそうです。サン・クリストバルもこの分譲地の一画にあります。この分譲地の公共広場としてまたランドマークとして設けたのがこの噴水広場です。



高い位置から豪快に落ちる水の音は静寂な街に心地よく響いています。


この壁も馬に乗った時のスケール感で造られています。





馬の愛好家達は、ここで馬を慣らし、ほてった足をこのプールで冷やしました。なんと優雅なのでしょうか。
| 建築・設計について | 21:12 | comments(0) | -
ルイス・バラガン サン・クリストバル(4)
馬舎の出入口扉は木製で上下に別れていて、上を開けると丁度馬の顔が出る高さに設計されています。

入口上には表札も付いていて、なかなかお洒落。




内部は、白い壁と天井で構成され、勾配屋根のハイサイドライトからの優しい光でみたされています。

馬舎の両サイドには調教用の道具を置く部屋と、くつろいで会話を楽しむ休憩部屋があります。


道具は綺麗に磨かれきちんと整理されています。大切に使い込んだ物もあり、非常に高貴で重厚感のある雰囲気の部屋になっています。


ソファーが置かれたリビング。ハイサイドからの光が空間を包み、厚い床板が敷き込まれ、ほっと落着く部屋です。窓の向こうは、牧草地が広がっておりソファーからは、水盤とピンクの壁が眺められます。

このサンクリストバルは勿論個人の持ち物であり、以前あるイタリア人がクリストバル見たさに不法侵入したことも影響して、この2年ほど前までは、一切公開していなかったということです。バラガンの自宅が世界遺産に登録されバラガン設計の建物の価値が世界的にもあがったことや、建物の維持の難しさもあり、次第に公開され始めたという話をガイドから聞きました。馬がいて始めてこの建物の意義、機能が満たされるのですが、出来る限りこの状態で存続し続けてほしいと思います。
| 建築・設計について | 16:57 | comments(0) | -
ルイス・バラガン サン・クリストバル(3)
入口から最も遠い壁から馬舎方向を見たショット。ピンクの壁は干し草倉庫となっている建物です。


馬舎側から水盤を通してピンクの壁を見たところ。

滝が作る水紋が光を反射し、奥のピンクの壁が水面に写りこんでいます。ピンクの壁の向こうには緑があり、非常に遠近感が感じられます。しばしその美しさに見とれていました。

滝の壁と白い住宅棟を見たところ。

ピンクの壁と白い住宅の壁はスリットで区切られ、その壁のなす意味が違うことが解ります。白、ピンク、赤褐色そして水盤の薄緑と色彩豊富ですが、何ら違和感無く、メキシコの空気にピタッと合致している感じです。




馬舎は、12区画に別れています。
| 建築・設計について | 21:56 | comments(0) | -
ルイス・バラガン サン・クリストバル(2)
ピンクの壁に空けられた開口部のプロポーション、壁の高さ等は全て馬に乗った時に丁度心地よい良い寸法で決められています。ここは、人と馬の為の家なのです。ピンクの壁と水盤で構成されたこの広場を中心に人や馬の住居、調教場、牧草地が配置されていて、この水盤は馬が走った後で身体と足を冷やす為に設けられています。


訪問したこの日はあいにくの曇り空でしたが、日が一時射すと、ピンクの壁が生き生きと映え、陰影がくっきりと現れてまったく違う表情を見せてくれました。


馬舎から調教場へ向かう馬。まさしく絵になります。


滝のある壁の向こう側が馬の舎です。ピンクと赤褐色の壁で挟まれた馬舎は、片流れの屋根を持ちます。これは、馬舎内に充分な光をハイサイドライトから採り入れる為です。。


水は、壁と壁の間を滑り降りてきます。


これは馬を繋いでおくためのもの。
広場の一番奥から白い壁の住宅の方向を振り返って見た写真です。
| 建築・設計について | 21:26 | comments(0) | -
ルイス・バラガン サン・クリストバル(1)
建築家ルイス・バラガンが建築の究極の目的とした美と平和。それが見事に表現されたのがこのクァドア・サン・クリストバルです。メキシコの冨と人口を形に表すとピラミッドとなり、貧富の差は大きく、一部の富裕層の人達のスケールはこれまた大きいもので、この建物はその富裕層の人の家でもあります。いくつかの豪邸が連なる区域の入口には大きなゲートがあり、警備員が数人つめて安全を見守っていました。そのゲートを入り、数分歩きますとやがて樹木に覆われた白い壁が見えてきます。ここがサン・クリストバルのメインエントランスです。


木の扉から中に入ると、大きな広場となっていて、左側に白い建物(これが施主の住宅棟)があり、高木の枝葉の向こう側に赤褐色の壁が見えます。
そこは全くの静寂の空間ですが、遠くに滝の音が聞こえ、期待させる何かが潜んでいることが感覚的に解ります。


広いプロムナードを左の住居の壁に沿って歩いて行くと、前方に赤褐色の壁、ピンクの壁、水盤と音をたてて落ちる滝、植樹帯が見えてきます。


更に進むと右側の視界が開け、牧草地が広がりますが、あくまでも目は滝とその向こうにある何かに注がれ、気持ちが高ぶってきます。

この白い壁まで玄関の扉から30mほどあります。
白い壁は結界を現し、床の仕上げもここまではタイル、白い壁から向こう側は土に変わっています。視線は水盤の向こう側にあるピンクの壁を背景にした植樹帯に注がれ、滝の落ちる音が気持ちよく響き渡ります。

白い結界の壁を越えると四角い水盤を囲むようにピンクの壁がその全貌を現し、一気に視界が開かれ感動せざるを得ない美しい風景が目の前に迫ってきます。


壁の絶妙な配置と高さ。完璧なプロポーション。色使いの見事さ。しばらくその場に立ち尽くしてしまいたくなる空間です。

バラガンは、細かい図面は作らず、妥協を許さぬ現場主義で、この結界となる重要な白い壁も何度も作り替えたそうです。
建築における壁の重要性、色の重要性そして、物語性を改めて感じることができました。
| 建築・設計について | 05:01 | comments(0) | -
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