冨田秀雄の設計日記

家づくりへの想い、考え、そして私的な内容を綴ったブログです。
フランク・ロイド・ライト ヘイガン邸(2)
ヘイガン邸は、内部写真は残念ながらNGでした。
大きな庇のあるベランダです。ライトは、夏の日差しを遮断、冬には光が内部に燦燦と注がれるよう計算し、庇の形状を決めたとのこと。木製サッシの重厚感もしびれます。






がけ側にはね出した部分の基壇は、砂岩できていて、優しい色が光を受けて美しく映えます。


落水荘の積み重ねた力強い火成岩とやや大きめの砂岩を重ね合わせたこの石積みとでは、受ける印象は全く異なります。私はどちらかといえば、厳しい落水荘の積み方よりも、自然積みに近いこちらの方が好きです。


石の凹凸感と、目地の入れ方が石積みの最も大切な要素です。いかにして自然に近い力強い石積みにするかが腕の見せ所ですな。





| 建築・設計について | 23:59 | comments(0) | -
フランク・ロイド・ライト ヘイガン邸
フランク・ロイド・ライト設計のヘイガン邸です。ケンタック丘の頂上近くに斜面からはい出るかのように建つ住宅です。


低い庇が地面にはうように設計されており、庇と壁で囲まれたエントランスコートから中へと誘い込まれるように入ります。



庇の高さは約1900mmとこれまた低いのであります。


丘の高い所からは、屋根がその斜面に食い込むように配置されています。


一方谷側は、石積みの壁によって支えられたような形態をしています。
内部は六角形をひとつのモデュール(単位)としてまとめれており、キッチンを中心にプライベートゾーンとパブリックゾーンを明快にわけたプラン構成です。
| 建築・設計について | 22:40 | comments(0) | -
フランク・ロイド・ライト 落水荘(12)
最後に外観を見てみましょう。
まずは、正面から見たショット。
水平線の強調された重なり合うテラスと岩から出てきたような石の壁、スチールサッシで構成された美しい外観


外に出て少し川を下ったところにある、ヴュースポットからの写真
最も美しい構図



滝の上にしっかりと建物がはね出して本当に絵になるショット。
ここでは皆感嘆の声を発します。
カウフマン氏もライトにここから建物を見せられたら、凄い!と言ったに違いありません。
なぜ、ライトが滝の上に建物を建てたのか。・・・この絵を見せたかったからじゃないでしょうか。それにしても、滝の音が聞こえる中で完璧な姿を見せてくれました。



建物の反対側の丘から全体を見下ろしたショット


右に一番最初に入ってきた橋が見え、上のほうにはゲストハウスが見えます。


建物全体の構成がわかります。

今回で落水荘は終了です。見所が沢山あり、とても刺激を受けた建築でした。

| 建築・設計について | 22:39 | comments(1) | -
フランク・ロイド・ライト 落水荘(11)
ゲスト玄関は、竪の格子があり、これまた和を感じる空間が拡がります。
入って左が暖炉のあるリビング、右がベッドルームという構成。






造り付け家具のある廊下を通ってベッドルームに繋がります







造り付け家具がこの建物のポイントで、壁にそって建物と家具が一体化することで、無駄の無い美しい納まりになっています。生活が感じられる空間。
これは、完璧な世界として有りの空間。

でも、もっと大らかにどんな家具を置いてもそれらを包み込む空間というのも又魅力的ではあります。
| 建築・設計について | 00:28 | comments(0) | -
フランク・ロイド・ライト 落水荘(10)
本体の棟から一旦外に出て、回廊を昇っていきますと、ゲストハウス棟にいきます。その外部通路が面白いのです。





細い鉄骨柱が片持ちで屋根を支える構造となっています。

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折り紙を折っていったような形状。
うーん。・・・なかなかこの形にはしません。というかこの発想は出ないなー。

階段をのぼったらゲスト用プールが見えてきます。



縁が立ち上がっていて何となくやぼったく見えます。
水盤のように地面と同一面にしたほうが良いのではと思います。




| 建築・設計について | 00:33 | comments(0) | -
フランク・ロイド・ライト 落水荘(9)
2階のテラスから外部の階段を昇り、3階のカウフマンジュニアの部屋へ入ります。




まず、多くの本の壁で囲まれたライブラリーと、暖炉の部屋が迎えてくれます。




2階と同じ開口部。ここの石の壁につきささる部分は、ガラスがそのまま石の目地に食い込んでいます。枠を廻さず、そのままガラスの壁としているのは、ここでは、壁の存在を無くしたかったからでしょう。あくまでも部屋と外部が繋がっていて、その間には本当は何も存在しない。そこを目指したディテールです。


小さなドアからベッドルームへと向かいます。


天井は、1900mmの高さ。左は、2階へと降りる階段です。このスケールだと1900の低い天井もうなずけます。


一番奥に壁に囲まれたベッドがあります。
とても落着いたルームなんです。


勿論3階のこの部屋にも大きくはね出したテラスがあります。
結局本棟には2階にメインとゲストのベッドルーム、3階に一つベッドルームがあるだけです。この後紹介しますが、敷地の上にさらにゲストのための棟が作られています。プライベートな部分はぎゅっと凝縮して解りやすいのですが、バルコニーやパブリックのリビングは、少し広すぎるような感じがします。




| 建築・設計について | 16:35 | comments(2) | -
フランク・ロイド・ライト 落水荘(8)
2階メインベッドルームに隣接するドレッシングルームです。暖炉とデスクがあり、床から天井までのコーナーサッシが建物全体の大きなデザインファクターになっています。

床まで開口にすることで、外に飛び出すような感じを受けます。


窓の開口にあわせて造りこまれた机。窓と机の両方を引き立たすデザインです。ガラスと机をくっつけると、簡単ですがそれでは床から天井まで続くサッシの意味が薄れてしまいます。こうすることで、サッシのコンセプトは生きてきます。窓をあえて内側に開くという行為を持たせたことで、このデザインは機能的にも意味を持ちます。




コーナーのサッシは、このように開きます。コーナー部分をいかに重要視しているかがわかるデザイン。
外に開くのですが、このコーナー部分には必要最低限の線しか入らないように工夫し、徹底してこだわっているのです。


ドレッシングルームからテラスへ出たところ。
階段は、3階のカウフマンジュニアの部屋へと上がるもの。


同じテラスから1階のリビング・テラスを見下げたショット。
ドーンとスラブが川の上にはね出しているのが良く解ります。




| 建築・設計について | 10:49 | comments(0) | -
フランク・ロイド・ライト 落水荘(7)
2階のゲストルーム



こじんまりとした部屋ですが、横長の窓から森が見渡せ、解放感一杯です。
天井が低いところで1.900mm、高いところで2.400mm。全体として非常に低く抑えられています。窓が天井一杯まであるので、視線がそのまま外へと繋がり、数字ほどの低さは全く感じられません。

2階のメインベッドルームです。





デスクと暖炉、ベッドそして外へと大きくはね出したテラス。非常に日本的なスケールと和室から縁側へと通じる構成のようなものを想起させます。ライトは日本からの影響を相当受けていたと思いますね。


メインベッドルームのテラスを出たところ。
垂直に伸びる重い石の壁と水平線を強調したテラスと庇。
コーナーのところにはドレスルームがあります。

この建物、徹底した水平強調の建築ですが、ほんの一部でもいいから階段以外に縦のボリュームを感じさせる内部空間があったらなーと思いました。

| 建築・設計について | 08:15 | comments(0) | -
フランク・ロイド・ライト 落水荘(6)
ダイニングの脇の壁後ろに2階へと上がる階段があります。

もちろん石の階段で、幅はせまく石の壁の間を昇っていく感じ。


一度昇りきったところに壁が向かえ、振り返ると


このように柔らかい曲面手摺が見えます。

右の壁の向こうには更に数段登る階段があります。


更にその奥には3階へと導く階段が見えます。


3階への階段は、壁が本棚になっています。その上はプライベートな寝室となっています。


狭い部分に豊かな空間が凝縮されています。

階段は、上下を繋ぐ重要なファクターですが、更に進んで光を取り入れたり場を変えて変化に富んだ空間を体感させたりとデザイン上最も大切にしたいところなのです。

| 建築・設計について | 23:50 | comments(0) | -
フランク・ロイド・ライト 落水荘(5)
リビング暖炉脇のソファーから外部を見たショット


造り付けの家具が完璧なプロポーションで納まっていて、あたかも今まで人が住んでいたかのような感じがします。
暖炉は、以前よりあった岩の上に設けてあります。


赤い球は、ワインを入れて、暖炉で暖める装置。

ご丁寧に石の壁を掘りこんで、綺麗に納まるようになっています。


バルコニーに出るサッシは、網戸との対で、折戸です。

| 建築・設計について | 01:23 | comments(0) | -
フランク・ロイド・ライト 落水荘(4)
リビング・ダイニングは、非常に広いワンルームで、水平開口から森の緑が見えるので、実感として明るいのですが、その中でもこの部分には天窓が付いていてひときわ明るくなっています。


廻りこんで見ると、天窓の下は、ガラスケースとなっていて、川へと下りる階段が見えます。






ガラスケースは、上の部分が奥へとスライドし、手前は、両方に開くシステムです。


非常に細い鉄骨のサッシですが、動きもスムーズで、自然川へと下りていきたくなります。
夏は、涼しい風が入ってくるのでしょう。

明るい部分と暗い部分のめりはりが空間にあるため、奥行きが感じられます。しかもこの明るい部分にもう一つのしかけがある為、更に感動がおこります。わざわざ部屋の中から川へ降りる階段を付けるなんて・・・やられた!という感じ。
| 建築・設計について | 08:13 | comments(0) | -
フランク・ロイド・ライト 落水荘(3)
低い天井の玄関から内部に入ると入口部分は、少し低くなっていてそこから階段で3段上ると石の床が拡がり、視界が180度開けます。


低い本棚の向こう側はガラスのトップライトがあり、ひときわ明るくなっています。天井は、低くそのために目線がそのまま外部へと繋がっていきます。


視線は、水平方向に伸びる横連窓の開口から見える外部の緑へと注がれていきます。流れるような空間。


奥には広いバルコニーが連続して続きます。石の床もそのままバルコニーへと続きます。


更に視線を右に廻していくと、暖炉があります。この暖炉の下の床は、以前からそこにあった岩がそのまま露出しています。


暖炉から玄関方向を振り向いたショット
座って寛げるスペースがコーナーコーナーに取り付けられています。


左奥の3段下がったところが玄関。右には光溢れるスペースがあります。


暖炉の右奥のコーナーは、ダイニングスペースです。

家具は、ほとんど造り付け家具で、ソファーや椅子は低く抑えてあります。
これだけの大空間にしては天井は低く、間接照明の部分が少し高くなっている程度。座った時に非常に落着く感じで、日本の和室の感覚があります。
ダイニングコーナーはしっかりと重厚な壁で囲まれ、その他の部分は全て解放されいます。ワンルームですが非常にめりはりがあって飽きません。

このライトの空気が流れていくような解放空間は、気持ちが良かった!

| 建築・設計について | 20:21 | comments(0) | -
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