冨田秀雄の設計日記

家づくりへの想い、考え、そして私的な内容を綴ったブログです。
ル・コルビジェ ラ・トゥーレット修道院(2)
玄関から入ってまず通る巾の狭い通路。地盤の高さに横連続スリットが空けられています。外の低い景色を眺めながら廊下を進みます。



食堂部分のリズミカルな開口。ここで大きく視界は南側斜面に開け、遠く街並みを望むことができます。
信じられませんが、縦のガラスを支えるマリオンはコンクリートです。


サッシは無くガラスはコンクリートマリオンのスリットにはめ込まれています。
最小限の納まり。


細いコンクリートマリオンと手摺の納まり




聖堂へと進む廊下から中庭を望む開口


聖堂へのスロープのある廊下


廊下の突き当たりにある聖堂入口ドアは、中軸回転の大きな1枚ドアです。



修道僧の個室は、必要最小限のスペースですが、廊下や食堂といったパブリックスペースは余裕があり、光のリズミカルな壁があり、流れるような空間が展開されていきます。
ここは、静かな空間ではなくひかり溢れる明るい躍動的な空間です。建築としては素晴らしいのは間違いないのですが、修道院としてこれで良いのかいまひとつぴんときません。少なくとも物事を考えて進んだり、ゆっくり腰掛けて読書したりする廊下という感じではないと思いました。



| 建築・設計について | 23:07 | comments(0) | -
ル・コルビジェ ラトゥ-レット修道院
ドミニコ修道院のサント・マリー・ド・ラ・トゥーレット修道院の建設にあたりクチュリエ神父は設計者のル・コルビジェにル・トロネ修道院を訪れることを勧めました。その結果うまれたのがこの修道院です。


コンクリート打ち放しとガラスで構成された近代建築。


左の像の鼻のある建物が聖堂。右が修道僧のための個室や食堂棟となっています。


上部の小さなバルコニーが並んで部分が個室。その部分は外壁部分に石がはめ込まれていて、非常に荒いテクスチャーになっており他の部分との分節がなされています。


斜面に対して迫り出したような配置で、圧倒的ボリューム感で、力強さを感じます。




フジツボのような形のものが屋上に付いていますが、これが祈りの部屋のトップライトです。


建物は四角で、その中が中庭になっていて、いろいろなオブジェ的建物がくっついています。

一つの街を凝縮したような建物で、斜面の下からのみ全体像が解ります。
コンクリートとガラスという最低限の素材を用い、様々な形態を散りばめたことで、非常に変化に富んだ建物になっています。


| 建築・設計について | 21:51 | comments(0) | -
ル・トロネ修道院(4)
ル・トロネ修道院は、その身廊の美しさもさることながら、中庭の周りに巡らされた回廊が圧巻です。床は、地面の傾斜に伴って3つの階段で調整されていますが、その変化が歩いて飽きがこないのです。中庭からの光は、石の厚い壁に反射して回廊内に注がれます。この壁の厚さが全てを支配していると思います。いかにこのような厚い壁を作り、その壁に反射した優しい光を室内に注ぎ入れるか。これはやはり壁の文化です。






中庭に面してあるベンチは、読書のため、洗足礼のためのものだそうです。









| 建築・設計について | 01:16 | comments(0) | -
ル・トロネ修道院(3)
身廊







無駄の無い静寂な空間に光が差し込むことで、神秘的な空気が漂う。
壁に放たれた小さな窓から入る光は壁に反射し、柔らかいボールト天井を這うように進みながら部屋全体を優しく包み込みます。


大寝室



柔らかい光をもたらすのは曲面の天井が必須と思われます。
壁と天井が区切りの無い洞窟のような空間が作りたい。
| 建築・設計について | 22:04 | comments(0) | -
ル・トロネ修道院(2)

このシトー派の修道院は、1160年ごろに工事が始まり、1175年ごろに主要部が完成し、1176年に修道士の移住が行われたそうです。今から835年も前の建物ということになります。この建築が作られた時代には怪奇で装飾的なロマネスク彫刻が数多く生産され、多くの図像が散りばめられた建築が増える中、一切の装飾性を断ち切り、粗い石だけを用いて自らの労働奉仕により作りあげた極限の空間がこの修道院なのです。


南側壁面と塔
大雑把に削りだされた外壁の質素な美をブイヨンは求めました。


粗面に反射した光が美しい。


回廊の壁


西側正面の壁

最小限の素材を用い、一切の装飾的遊びを排除しながら神を感じることができる最大限の効果を突き詰めた結果、光と音の響く空間ができあがったのです。

強い意志とぶれないコンセプトがあれば、ここまでの建物を作り上げることができるのです。
| 建築・設計について | 00:56 | comments(0) | -
ル・トロネ修道院
大震災により、毎日届く辛く哀しいニュース、原発への恐怖、停電と今まで経験のない日々を過ごしていますが、辛いなかにも将来への希望をもって立ち上がる人々、応援する世界からの声、命をかけて災害対策にあたる人々から勇気をもらいながら自分もできるところから応援そして今やるべきことを地に足を着けて行っていきたいと思います。
私の娘が通う学校の元校長先生から勇気の出るリンクを紹介されたので皆さんも見てみてください。

http://prayforjapan.jp/tweet.html

http://www.youtube.com/watch?v=IxUsgXCaVtc
です。

建築設計の仕事を始めて間もない時にどうしても見ておきたい建築の一つにフランスのル・トロネ修道院というロマネスク建築の秀作がありました。これを作ったフェルナンド・ブイヨンが著した「粗い石」という本があります。何も無いところからその場所にある石を削りだし非常に苦労して時代を超えた建物を作り出したブイヨンの日記です。



無から有を作り出す。これは勿論建築だけではありませんが、人が天から与えられた特権です。
美しい東北も、またみんなの力を合わせることで、必ず復興します。

2006年にこのトロネを見にいきましたが、これから又その際に体験した建築空間を思い出し、日誌をつけたいと思います。



| 建築・設計について | 12:27 | comments(0) | -
聖母病院大聖堂
姪が子供を生んだので、聖母病院に赤ちゃんを見に行きました。聖母病院とはご縁があり、我が子もここで生まれました。で、昔から聖堂があったのですが、今回病院全体をリニューアルするに際し、聖堂も建替えられたので見てきました。設計は竹中工務店。


天井が非常に面白い形状をしていて、折れ曲がった天井に添う壁から光が差し込んできます。屋根の形状自体が構造となっていて、大きな空間を形成しています。


正面聖壇方向を見たショット


光が天井に反射して非常に美しい光のラインを壁に落としていました。






暖かみのある聖堂ができたと思います。




| 建築・設計について | 20:53 | comments(0) | -
万座スキー
先週行ってきた万座スキー場からの景色です。





真っ青な空と落葉樹の枝が絵になります。
スキーは毎年1回行きますが、どうも最近は滑るよりその後の温泉やお食事がメインになりつつあります。
スキーウエアーは、15年以上の前のど派手な目立つもので、どこにいてもすぐわかります。どうも最近は皆グレー系の暗い落着いたイメージのウエアーが多く、せっかく真っ白な世界なのでもっと明るい色を着れば良いのにと思うのですがどうでしょうか。
| 私的な話 | 23:11 | comments(0) | -
彫刻家 エル・アナツイのアフリカ 展
神奈川県立近代美術館・葉山で27日まで開催中の展覧会を見てきました。
作家は、アフリカナイジェリアで活動中の彫刻家エル・アナツイです。
アフリカの伝統を現代アートとして新たに表現した作品、木を掘り、焼きアフリカの抱える問題や現代の矛盾を訴えた作品など多数ですが、近年の廃材を用いたタペストリーは圧巻です。
 ワイン工場やビール工場などから出た瓶のキャップや缶詰のふた、シール等の廃材を銅線で繋いで縫い上げた巨大なタペストリーは、膨大な作業時間もさることながらその美しさに感動をおぼえました。
 廃材が芸術品にチェンジすることがとても面白いと思いますし、その素材の持つ美しさをあらためて認知させてくれるのです。何にもましてパワーを感じるのです。
 ビデオでアナツイは言っていますが、廃材には精神的なものを感じる。廃材は多くの人が触れていて、その手の力(パワー)がそこに残っているからだそうです。タペストリーも20人の助手によって作られ編まれていきます。そこにも人と人を繋げるというコンセプトがこめられており、感動を呼ぶ要素が入るのです。
 建築も人の手で作り上げる物であり、多くの携わる人の気持ち、エネルギーが練りこまれていきます。設計から施工にいたるその建築に関る人が最大限に持ちうる力を注げば、人を感動させる建築はできるのです。そこに妥協はありません。





是非時間があれば見に行かれることをお薦めします。

| 建築・設計について | 19:41 | comments(0) | -
ひなまつり
今日はひなまつりであります。
我が家でも毎年祝いますが、今年は何だか忙しくぎりぎりで飾りました。
リビングの造作家具に小さなテーブルがしこんであり、そこから引っ張り出して飾ります。いざ飾ってみるとやっぱり良いもの。









| 私的な話 | 00:18 | comments(0) | -
メキシコ・アメリカ建築視察まとめ
昨年11月17日から25日までのメキシコ・アメリカ建築視察で見た建築とその感想を述べてきました。
短い期間でしたが、結構見るべき建物を見れて充実の旅でした。
それぞれの建築家の建物は、やはり長い年月大切に使われ、大事にされているだけの事はあります。全てにおいてその膨大な設計エネルギーを感じ取ることができました。
自分としては、バラガンの静寂さ、ライトの空間の流動性が好きで、これからもそちらの方向を向いて設計活動を行っていこうと思います。



























今回の旅行は株式会社トラベルプランさんにお世話になりました。
バラガンの個人住宅等は、コンタクトをとるのも手間がかかり、個人では短期間にこれだけ充実した建築視察は難しいと思います。
トラベルプランさんは、毎年何度か面白い企画をされているので、建築を欲張って短期間に沢山見たい人は、是非参加されたら良いかもしれません。
http//www.travelplan.co.jp




| 建築・設計について | 21:24 | comments(0) | -
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