冨田秀雄の設計日記

家づくりへの想い、考え、そして私的な内容を綴ったブログです。
ル・コルビジェ ブラジル学生会館(2)
ピロティーから上は住戸で、その柱の中を貫通している部分がホールですが、この部分は水平方向にずっと伸びていてなかなか気持ちがよいのであります。
低い天井スラブが伸び、その向こうのガラスウォールから外部の光が注がれます。
均等に並べられた柱とい存在は、ほとんど意識されず、自由な空間が拡がるのです。画一的なルームというのでは無く、簡潔されずにあいまいに繋がるという意味でも真さに今の現代建築に通じるものでした。
厳格な空間も良いですが、有機的な空間も面白いのであります。







奥に進んでいくと一部床が掘り下げられると同時に高い天井部があり、ここはいろいろな催し物に使われる椅子席のあるホールとなっています。



別棟の管理棟までこの低い天井の建物は続いていきます。



カーブを持つ壁に添っていくと、天窓のある管理棟入口のホールに出ます。
ここで、建築散策は終点ですが、壁が曲線のため空気がよどまず、そのまま元の道に引き返します。
ここからもピロティー下の中庭が見渡せ、視界の拡がりを感じることができます。



| 建築・設計について | 18:23 | comments(0) | -
ル・コルビジェ ブラジル学生会館
パリ大学都市のブラジル学生会館 1953年建設
スイス学生会館のすぐ近くにできた建物ですが20年の開きがあります。
住む住戸の塊とピロティーの下に地面にへばりつくように流れるホール棟、そして管理棟という構成。


このピロティーは、迫力があります。


ピロティー下にはめ込まれたエントランス・ホール棟








| 建築・設計について | 20:06 | comments(0) | -
ル・コルビジェ スイス学生会館(2)
学生室の内観

引き戸の上はFIXのタペストリーガラスで光を存分に採り入れます。
窓際にデスクが配置。こじんまりとした落着く部屋です。




サッシのスリット部分。この左が開きます。


入口方向を振り返ったところ。手前がベッドで壁の向こうに洗面・トイレ

エントランスにあるホール

コルビジェの壁面画があります。


天井がずっと続いていて、拡がりを感じます。


色彩豊かな造り付け家具

| 建築・設計について | 18:09 | comments(0) | -
ル・コルビジェ スイス学生会館(1)
パリの大学都市に1930年に建てられたスイス学生の為の学生住宅


ピロティーにより持ち上げられた建物ですが、そのファサードには、外付けブラインドがあり(省エネルギー)、しかもサッシが引き戸なのですが、わざわざ引き違いにしないで、僅かなFIX部分のサッシを付け、あくまでもデザイン上は面が同一で、開く部分のみが一段段差がつくようにしています。

シャープなデザイン


こちら側に学生の部屋が並びます。今から80年も前の建物ですが、全く古さは感じません。というか、この当時からどれだけ今の建築が成長しているのか・・・もっと頑張らんといかんです。


反対側のファサード。手前がエントランスのホール部分で、横に付く階段室はガラスブロックの開口部を持ち、垂直方向を強調しています。




階段室内部 機械的でしびれます。

| 建築・設計について | 16:25 | comments(0) | -
ル・コルビジェ サヴォア邸(5)
スロープは、内部から外部に移り更に屋上へと上っていきます。



敷地に入ったところから始まる「建築散策」は、このスロープによって最終章の屋上テラスに導かれています。


切り取られた風景


上へと上り詰めた空気が外へとふくらむように壁の膜が曲線を描きながら据えられています。



本当に空気が流れるように空間が流れていく建築でした。
| 建築・設計について | 23:21 | comments(0) | -
ル・コルビジェ サヴォア邸(4)
スロープを2階まで上がると、リビングスペースが拡がります。ここからはサッシと同じ高さで開口された壁によって囲まれた中庭が見えます。





天井の無いリビング
横長の開口部からは、廻りの森の緑が見える仕組み。
しかし、正面左には部屋があり、さらに屋根のあるバルコニーがあり、
その奥にはやはり横長の開口部しか空いていません。


スケール的には、開口部サッシが天井いっぱいの高さにあるためか、どこか間延びした空間であると感じました。
コンセプト的にはサッシの存在は無く、あくまでも外と内が繋がったリビングということなので、それは理解するのですが、どうも落着かないのです。


リビングの大開口サッシ

| 建築・設計について | 09:55 | comments(0) | -
ル・コルビジェ サヴォア邸(3)
エントランスに入ってスロープと共に目に留まるのが、この美しい廻り階段
彫刻的な階段で、ゆっくり上るスロープに対して縦方向を強く認識させる装置です。





コンクリートでなかなか難しい納まり
手摺が真直ぐ真ん中を通るのですが、かなり施工が大変だったと思われます。





今の技術ならまだしも、当時この形態にチャレンジしたその勇気に頭が下がります。
| 建築・設計について | 12:27 | comments(0) | -
ル・コルビジェ サヴォア邸(2)
丸いガラス壁にあるエントランスより中に入ります。



まず、中に入って見えるのが有機的な廻り階段とスロープ。
スロープは、直線的に我々を上へと導きます。
何といってもこのスロープほどワクワクさせる装置はないのでは無いでしょうか。ゆっくりと時間をかけて上がっていくにつれ目の前の光景が変わり、空間を認識しながら光の中を進むのです。


回り込む車の水平動線と、内部に入ってからの縦への動線。ダイナミックな動きが感じられるのです。








是非とも一度トライしたい装置の一つです。
| 建築・設計について | 00:45 | comments(0) | -
ル・コルビジェ サヴォア邸(1)
ル・コルビジェが1929-1931年に建てた理想的住宅がこのサヴォア邸です。1950年から60年代にかけてのロンシャンやラ・トゥーレットの後期熟練期とは異なる理想へと燃えた時代の集大成とも言われます。
広い水平の敷地の草原の上にぽつんと置かれた水平の白いヴィラです。
初めてここを訪れたのはもう20数年前の大学卒業時の旅行でした。その時は、管理もされておらず、荒れていて中には入れませんでした。でも、緑の中に浮かぶ白い箱は、強烈に印象に残りました。


入口からは、この角度で見えます。
車は、建物の右から入り、白い列柱の下ぐるりと回りこんで駐車場へと導かれます。アポローチが長くしかも建物の形態がシンプルで明快なだけに、気持ちが高ぶっていきます。


左がエントランスのガラス壁
右のまわるとそこがエントランス


こちらが回り込んだ建物エントランス部分。
車が回りこむようにこの部分は、曲面形状となり、四角の建物に流れを作り出しています。




緑の壁のところが駐車場

まずは、余計な考え無しに美しいと感じました。
| 建築・設計について | 20:24 | comments(0) | -
ル・コルビジェ マルセイユ ユニテ・ダビタシオン(6)
吹抜けを介して2階は、メインベッドルームになります。



何となく空気が通るようなスリット


2階奥には細長い子供部屋が2つ平行に配置され、引き戸で繋がる仕組み
部屋の巾は1800mmですが、部屋が長細いので、ベッドも机も置けて
効率よく使えます。日本のマンションの5畳といっても空白のスペースが多く余り使えないのが現状。もっと変形の長細い部屋のほうが良いと思います。


シャワールーム。コルビジェのアトリエにも同じようなルームというかスペースがありました。


コルビジェ設計の照明器具。フードを動かすことで光を下に向けたり上に向けたりできます。

住むことを本当に良く考えられた住処で、しかもこの建物にはショップやカフェまであり、都市生活を存分に味わえます。
ここには生活を楽しもうとする心の豊かさもあります。
| 建築・設計について | 09:53 | comments(0) | -
ル・コルビジェ マルセイユ ユニテダビタシオン(5)
キッチン部分ですが、これがなかなかコンパクトに納まっております。



L型の流し・IHヒーターの配置


IHの排気ダクトが通るのですが、そこの前の壁を斜めにして、上手いことフライパン・ナベを収納しています。


2階部分へ上がる階段は、どこかボートにあるような洒落たもの
上へ上がりたくなるような気持ちにさせられます。


階段上部から見下げたショット
巾は、狭いのですが上りやすい勾配の階段でした。踏み面250で卦込み50トータル巾300mmで蹴上180mm
| 建築・設計について | 18:47 | comments(0) | -
ル・コルビジェ マルセイユ ユニテ・ダビタシオン(4)
いよいよ住戸の中に入ります。
ここは、玄関が1層目にあって、吹抜けを介して2階のベッドルームへと繋がるタイプです。


手前が吹抜け空間で、下がダイニングとキッチンになっていて右の扉が玄関に繋がる扉


玄関から入ると、バッと全面開口の吹抜けリビングが目に飛び込んでくるのです。
間口寸法は、3700mmで、ダイニング天井高さは2350mm、吹抜け天井高さ約4900mmというボリューム。寸法だけ見るとコンパクトですが、充分な解放感を味わえ、気持ちが良いのです。
海外はくつを履いての生活ですので、身長も考えると日本での天井高さは、2200〜2250mmあれば開口の工夫次第で充分なのです。



開口は、木製のサッシで、上は、はめごろし。途中にバルコニー側にスラブが跳ねだしていて、日よけの役割をしています。


下のサッシは、折れ戸で、両側を開けると全部がオープンになり外のバルコニーと一体になる仕組み。


更に、開口部の下には設備の空調があり、冬はバタンと回転させれば温風が吹き出すという、これまた優れた納まりです。

今でも充分機能し、すみやすい住まいなのです。

建築デザインにおいて、開口部のサッシは非常に重要な要素です。このデザインと機能の整合性にいつも多大なエネルギーを使います。
| 建築・設計について | 10:45 | comments(0) | -
ル・コルビジェ マルセイユ ユニテ・ダビタシオン(3)
ユニテの内部へと移ります。
ここは、低層部にあるパブリックな階のロビー空間



開口部のデザインは、モンドリアン風で、開口の仕方も面白い。


階段は、半外部
コンクリート打つ放しの階段間のスリットにスチールメッシュの入る手摺が貫入しています。


このメッシュ手摺の考え方は、マリオ・ボッタがワタリウム美術館で使っていました。


ここが、住戸階の中廊下。
外の光は入りませんが、玄関ドアは色彩豊かで、照明に照らされてなかなかロマンチックなのです。この色使いは、さすがに日本ではなかなか見れません。
| 建築・設計について | 23:19 | comments(0) | -
ル・コルビジェ マルセイユ ユニテ・ダビタシオン(2)

屋上の換気口等は、非常に彫刻的です。住宅の住戸の部分が水平・垂直の厳格なグリッドで構成されているだけに塔屋の形態が目を引きます。
全体のボリュームが大きいので、この煙突もまた大きく迫力満点。






屋上からの景色は抜群。

で、このユニテ・ダビタシオンの最たる特徴である断面・平面は、このようになっています。


断面図の真ん中が共用廊下。左右にメゾネット住戸があり、一方は2階部分からアクセスし、もう一方は1階部分からアクセスします。
これだと、光は両側から得られるしプライバシーも保たれ、しかもダイナミックな吹抜け空間を持つことができます。
ファサードの写真で大きなバルコニー開口と小さなバルコニーが交互になっているのはこの断面からでてきたものです。
これが1950年の案ですから驚きです。
| 建築・設計について | 08:54 | comments(0) | -
ル・コルビジェ マルセイユ ユニテ・ダビタシオン(1)
コルビジェが設計した集合住宅ユニテ・ダビタシオンです。
単なる住処だけでは無く、この建物には店舗・理髪店・保育園等生活する基盤みたいな機能が入っていて一つの都市の縮小版なのです。
2層吹抜けのバルコニーは、日射を遮る庇スラブが跳ねだす省エネ設計。
1階は、ピロティーで持ち上げられ、廻りの木々の緑を視界に捉えることができ、解放感抜群です。



2層吹抜けのバルコニーと1層のバルコニーが交互に繰り返されるダイナミックなファサード
決してデザインだけの操作では無く、きちんと機能と連動されている意匠です。


この力強い柱は、どうでしょう。


コンクリートの圧倒的存在感を感じさせる造形。


屋上は、プールもあります。
| 建築・設計について | 11:31 | comments(0) | -
東京湾海ほたる
海ほたるにドライブに行きました。
初めて海ほたるで停車。施設の中身は、ご他聞にもれずレストランとお土産となぜかゲームコーナー。で、中身には全く魅力を感じませんが、外に置いてあるトンネルを掘った際のシールドの歯のオブジェは一見の価値があるかも。日本土木技術の水準の高さが見て取れます。


スケールの大きさに感動します。




裏(機械側)は、こんな感じ。




川崎側を見る


千葉側を見る

天気が曇りでしたが、海風が心地良く、この夏の暑い夜にでも涼みにこようかと思いました。

| 建築・設計について | 20:05 | comments(0) | -
ル・コルビジェ パリのアトリエ(10)
階段室を上ったペントハウスには、ゲストルームがあります。
広く開かれた下の階に対してここは、壁で囲まれたこじんまりとした落着くスペースですが、単なる四角ではないところが、コルビジェです。コーナーには、ベットと水廻りがありますがこの形が、やはり洞穴のように掘りこんであります。


ゲストルームから階段室を見たところ。


当時の写真







後期のコルビジェの建物は、有機的要素が多く散りばめられ、何となくホッとする空間がそこにあります。ここに至るまでの壮絶な戦い。強い意志。妥協しない探究心と勇気。コルビジェから学ぶべきところはまだまだ沢山あります。
| 建築・設計について | 09:20 | comments(0) | -
ル・コルビジェ パリのアトリエ(9)
階段室に戻ります。
この住宅で、玄関から入った瞬間に体験するダイナミックな空間です。廻り階段があり、その上の開口から光が差し込み、思わずすぐに上りたくなる魅力に包まれています。角は、あくまでも柔らかく、優しい感じ。




廻り階段に着く手摺のデザインがシンプルですが、良く考えられていて美しい。手摺は設計上いつも悩むところですが、このように上手くいきたいところ。




階段を上がると、階段室はガラスボックスになっていて、屋上庭園があり、その向こうにパリの街が拡がります。




サッシの一部がパネルになっていて、風を通す開口が付いています。
このパネルがある為に、開口部に緊張感が出て、ビシッと引き締めています。
| 建築・設計について | 08:08 | comments(0) | -
ル・コルビジェ パリのアトリエ(8)
洗面スペースのスケールは、こんな感じです。



手前が水洗。腰部分は、タイル。


奥のバスタブにはガラスブロックからの光が注がれる仕組み。
何となく、船室のようなコンパクトで落着くスペースです。


ガラスブロックの外部納まりは、こんなふうになっています。

普段の生活の中でもお湯につかる行為は、心身共に癒され、元気回復のためにとっても大切な事ですが、気分を変える為にもどこか非日常の空間が面白いと思います。
ユニットバスでは味わえない手作りの味があります。
| 建築・設計について | 12:37 | comments(0) | -
ル・コルビジェ パリのアトリエ(7)

この写真は、当時コルビジェが住んでいた際のものです。
ギリシャの島々の住宅は、白い石灰でできていて、形も有機的ですが、何となく意識させられます。
左の穴の中に洗面器とバスタブ。奥の円筒形は、シャワーブース。さらにその奥にはまた洗面器があります。
柔らかい曲線で囲まれたホッとする空間。




シャワーブース
何だか丸いマユのようで、可愛らしさがあります。




奥にある水洗。ガラスブロックからの光で柔らかく照らされ、一つの彫刻のようでもあります。コルビジェの洗面器好きも頷けます。
| 建築・設計について | 22:34 | comments(0) | -
ル・コルビジェ パリのアトリエ(6)
ダイニングルームとベッドルームを仕切る大きな扉。
これも又裏に洋服タンスがくっついています。





扉を開けると開口が大きく連続して、外の景色がパノラマで入ってきます。


また裏側では、ベットを囲む壁としてこの収納付き扉が生きてきます。
同じ空間を可動家具(扉)で、変化をつけることができるのです。
扉というものに意味を追加する。
面白い発見でした。


で、扉を開けたベッドルームでまず目に飛び込むのが、この洗面スペースです。
| 建築・設計について | 09:10 | comments(0) | -
ル・コルビジェ パリのアトリエ(5)
ダイニングルームは、パリの中心地に向かって大きな横連窓が壁面一杯に拡がっています。アトリエもリビングも開口はありますが、いずれも光のみをいれるもの。ここで、初めて視界がばっと遠く空まで開けます。
この天井もアールの曲面天井。白くほんわりと包みこまれるような空間です。アールの天井は、良いですね。今度チャレンジしてみようと思います。





窓の一部にはめ込まれたステンドグラス
色気があるのは、これだけですが、ピンポイントであるがためにかえって効いています。


当時の写真 左の壁の裏がキッチン


キッチンへの扉


キッチンの上には、月あかり。
小さい開口なのですが、これまたおしゃれで、洞窟に光が射すような感じ。


キッチンの調理台からは、中庭をのぞめます。
| 建築・設計について | 09:06 | comments(0) | -
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