冨田秀雄の設計日記

家づくりへの想い、考え、そして私的な内容を綴ったブログです。
構想はスケッチから
今年も沢山の人に出会い、また協力しながら良い建築をつくりだすことができました。すべては作る人の想いが始まり。その想いをもとにいろいろ考えてスケッチを描き、構想を練り、金額を考慮、工程スケジュールを合わせ、ようやく完成。まずはスケッチなんですが、そこでそのプロジェクトのほとんどが決まります。














来年もまた素晴らしい出会いがありますように。
またこのブログを見て頂いたすべての方々にとりまして素晴らしい1年でありますようお祈り申し上げます。
| 建築・設計について | 14:04 | comments(0) | -
2015年記憶に残る建築ベスト3 ジェフリーバワの建築はやっぱり良かった
今年もあと2日。今日は今年見た建築の中で今も鮮明に頭に残っている建築ベスト3を思い起こしてみたいと思います。建物の良し悪しはその建物の建っている場所に出かけて、環境や立地条件を肌で感じ、建物の中に身を置いてはじめて自分なりの価値判断で解るものです。これは決してバーチャルではわからないし、写真でもわからない。やはり人間の五感で感じないとダメなんです。5月に訪れたスリランカは温暖で緑も多く、ジェフリーバワの設計した建築はどれも環境が抜群で、気持ちの良いところばかりでした。都心の住宅やレストランもそれなりに一番落ち着くような土地の利を感じました。建物はモダンな近代建築なんですが、廻りの環境を見事に建築に取り入れ、心から癒される空間をつくりだしていました。建物は主張せず、それでいて存在感がある。中庭、パティオを介して建物のど真ん中に自然を取り込む。廊下など移動空間が楽しいし、リビング・ダイニングのじっと佇む場所も安心感がある。見習うとこと満載の建築群でした。

まずはカンダラマホテル。何と言いましてもジャングルに埋まるようになっている建物。そして湖と一つになるインフィニティプールに感動




次にライトハウスホテル。エントランスから円形の階段を昇ってきて目の前に広がるインド洋を見た時の感動は忘れません。


内部の廊下と中庭そして建物の関係性も実に見事


部屋のインテリアも良かったし、海が見える窓の取り方も素晴らしかった。


海へと抜けるプールとその前にある水盤のあるパティオ。こんな空間を作りたいと思うそのものがここにありました。


以前はバワの事務所として使われ、いまではレストラン・ショップとなっているアルフレッド・ハウス・ロード2 狭い入口を抜けると水盤のある中庭に入り、そこから奥にいきますと、レンガ壁で囲まれたパティオ。いまではそこで食事を楽しめます。

歩いていく度に場が次々と展開して本当に楽しい建築


ベスト3と言いながらまだまだあるのですが、バワ自宅33番レーンもやはりすごかった。白い空間に落ちてくる光の美しさ。選び抜かれた調度品。目線の先に見える彫刻的な中庭


どれもが、また訪れたい建物ばかりです。
来年もまた多くの名建築を訪れ、感動したいと思います。
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東京都市大学建築100人展 上野の森美術館
東京都市大学と言いましても慣れないので武蔵工業大学と言いますが、この武工大学出身者の建築家100人の展示会が上野の森美術館で開催され、連日200人を超えるお客様で賑わいました。私もパネル2枚を展示しました。
建築家が日頃何を生業としてやっているかを公にアピールすることは大切でして、できるだけ多くの人に建築家の仕事を理解してもらいたいと思います。海外に比べてまだまだ建築家の地位は低いのですが、昨今の国立競技場問題を含め、少しづつその存在感が出てきたようにも感じます。
一つのものを設計するには膨大な時間と、めくるめく思想の整理が必要で、必死に考えたものほど人々に訴える力がありますし、そんな力ある建物を目指して皆頑張っています。
とにかく街は建築で埋められていくわけで、一生懸命考えしかも遊び心を込めた建物が多いほど街は豊かになり、楽しいものへと変わっていくわけで建築家の社会的責任は非常に重いと考えます。
今年も残すことわずかですが、、多くの先輩、後輩の手掛けた建築を見て今年の反省を含め来年に向けてまた新しい挑戦をしていこうと思いました。

上野公園の入り口西郷さんの銅像近くにある上野の森美術館です。




オレンジの帯の2枚が私の作品パネル



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サロンタナカ 住宅はコンパクトに使いやすく、住みやすく
年齢を重ね、子供たちも社会に出ていき、夫婦2人でこれからの人生を送る。いずれは皆そうなるわけでして、そんな時に住まいのありかたは、どうだろうと考える機会をこの建物は、与えてくれました。お二人とも元気で、腕の良い職人として生涯現役の決意でこの家を建てられたわけですが、1階に床屋と玄関、準備控室をもってきますと、あとは2,3階がお住まいとなります。2階にLDKとトイレ洗面、浴室の水回りを配置。3階が寝室という構成になりました。3階までの階段は、なかなか慣れるまでは大変かもしれませんが、日ごろ立ち仕事をされているので、まったく問題なし。とは言っても年齢とともに足腰は弱るものなので、階段は緩く設計。階段の蹴上(足を上げる寸法)はできる限り低くし、踏面との関係はいつも考えますが、階段部分に建物全体の中の面積を多く取られても、ここは上るのにしんどさを伴わない寸法としないといけません。車いすになってしまうとこれは仕方ありませんが、もし健全であるならば、2階リビングという考えは逆に良いのではと思います。家にいることが多くなる年齢になると、階段の上り下りが唯一、足を動かすことになるからです。
2階は水回りを除いてワンルーム。
キッチンのシステムをそのまま伸ばしてリビングのテレビ台や、パソコン作業台につながるデザインとしました。

キッチンは半分隠れて手元が見えないようにカウンターで隠します。


お弟子さんが集まったりして、いつも賑やかになるLDK。できる限りものが表に出ないように収納を充実させることが大切ですね。


キッチンバックカウンターは、多目的収納棚。食器以外の生活必需品もすべてこの中に収めます。


ここにいますと、数歩歩くだけで事が足りるような感じ。狭すぎず、大きすぎずというスケールです。開口部には障子
障子の良さはそれだけでインテリアにもなり、近隣のうるさいデザインも目に入らず、柔らかい光を室内に採りいれてくれることでしょうか。
優しい光が心を落ち着かせてくれます。


左が3階に上がる階段。大きな障子はバルコニーの開口部。洗濯したらすぐにこの外に干せます。
| 建築・設計について | 13:12 | comments(0) | -
サロンタナカ 阿佐谷の老舗床屋 ダークブラウンを基調とした落ち着いた内装
床屋さんの内装も最近はいろいろなバリエーションがあります。昔の明るくて清潔な感じから、木やタイルを用いたシックで重厚な内装まで様々。タナカオーナーは、木がお好きなので、木を沢山用いたシックな大人の床屋を最初イメージしましたが、もうすでに過去の店舗で試みられたそうで、今ではシンプルが一番と言われました。そこで、洗面台の高さまではダークブラウンの木壁仕上げとしてそれから上についてはとにかく明るくシンプルな内装としています。外部の開口部はこだわりを持った木製断熱サッシ。外軒裏の焼杉の色に合わせています。内装の木の部分もそのサッシの色に合わせました。
大切な椅子は以前から持たれていたもの。また洗面器も以前から大切にされていたものです。

バック収納には、パーマ用のアイロンや、ハサミ、タオルを温めるスチーマーを配置
使いやすさを最優先に打ち合わせで配置を決め、引出寸法もすべてオーダーメイドです。


照明はとにかく明るく、お客様がひげを剃る際、リクライニング状態でもまぶしくないようにすることを念頭に配置しています。
完全予約制ですが、オーナー夫婦の腕に惚れたお客様がひっきりなしに来られます。

自分が手掛けた建物すべてに言えることですが、建物が完成して引き渡し、その後オーナーが入られて人が建物に関わることで、より空気感が煌めいているのを感じます。
そしてそんな感動を得る喜びを心から幸せだと思うのです。
| 建築・設計について | 12:55 | comments(0) | -
サロンタナカ 老舗の床屋さんの新店舗 焼杉を用いたエントランス
杉並区阿佐谷にある老舗の床屋さんサロンタナカ。ここのオーナーである田中さんご夫婦の為の店舗と住宅です。お弟子さんも沢山働き、いつもお客様で一杯の床屋さんをやめて、新しくご夫婦で始められた床屋さんの建物です。70才近くになるご主人はエネルギシュで、ここで最後まで夫人とお二人で現役でやり通すという決意の基、新しいチャレンジをされました。椅子は2席で、完全予約制。でもいつも沢山のお客様が本当に休む暇なく来られます。
建物は3階建て。左が床屋さんの入口で右が住宅の入口。
そこを一体の庇が迎えるという感じです。この建物の周辺は新しくできた住宅で囲まれており、この建物も廻りの環境に合わすべき、ベージュの塗り壁の外観ですが、1階廻りだけは、焼杉の板を外壁の一部と軒裏に貼り、落ち着いた雰囲気になるようにしました。木造ですので床は地面より高くなりますが、道路から入口までの床はデッキとし、スロープ状にして足の悪いお客様もスムーズに入れるように考慮しています。



1階の開口部には木製断熱サッシを使用


深い庇にすることで、お客様を雨や暑い日差しから守ります。
| 建築・設計について | 13:22 | comments(0) | -
思いっきりバンドを楽しめる地下の音楽スタジオ
オーナーの趣味は、仲間たちとのジャズバンド。毎年コンサートを開く腕前は半端ではありません。もうセミプロレベル。この建物の地下には、思いっきり演奏ができる音楽スタジオを設けました。約20畳あるスタジオは、防音には特に気を使いながら設計しています。ピアノなら地上で、しかも木造でもそれなりの防音設計ができますが、ドラムやベースが入りますと、そうはいきません。まず重たい壁で区切ることが一番。したがってコンクリート造となります。更に地下にスタジオを設けることで、より防音に対して有利となります。そのコンクリートの箱の中に、遮音材を挟んで、もう一つ部屋を作ります。内側の部屋の振動がコンクリートに伝わらないように緩衝材、防音材を上手く組み合わせ作っていきます。
 音は隙間から外に出ますので、一番は扉の遮音性。ここでは遮音扉を2枚使っています。本格的なコンサートホールでも廊下とホールには2枚扉がありますが、それと同じ原理。扉と扉の間は1m開けると有効と言われていますが、今回はそこまでの余裕はありませんでした。ただ、前室というフィルターを介していますので、かなりの音が減衰します。
 もう一つは空調の為のダクトの穴。下手をしますと、ご近所にはこのダクトの換気口から音が漏れてクレームになりかねません。消音ダンパーやダクト長さを長くし、換気口の位置を近隣状況を考慮しながら設計を進めました。
 その甲斐もあり、かなりグレードの高いスタジオが完成しました。音響のプロも交え、遮音防音壁の位置や面積を計算し、出来上がった力作です。


| 建築・設計について | 00:04 | comments(0) | -
地下のスタジオ前室は、男の遊び場
地下には本格的なスタジオを作りました。そのスタジオに入る前にやや高めのテーブルとハイチェアーを設け、そこにくつろげるスペースを作りました。
玄関からはすぐに階段で下りてくることができるので、家族のいるプライベートな空間を通ることなくゲストはここでくつろげます。
オーナーは、冷蔵庫も完備。ワイングラスホルダーも設置。完璧なおもてなし空間。

1階玄関ホールから階段で地下に
2階への階段と連続性があり、ここにも屋根からの光が落ちてきます。


小林秀幹氏の鉄の手すりをもちながら降りていくと前室に。
階段下には階段状に合わせて造ったシューズクローク。ゲストのくつはここにしまいます。


手前がバーコーナー
無垢チーク板を使ったハイカウンターで、足は鉄。製作は小林さん。
照明は、徳力竜生氏デザインのもの。
階段下を利用した洞穴のような落ち着くスペースです。


奥の扉がスタジオの入り口

| 建築・設計について | 11:13 | comments(0) | -
中庭が見える縁側を備えたベッドルーム 
再び1階に戻ります。地下1階、地上3階の建物です。1階はマスターベッドルームと玄関ホール、浴室、洗面所、トイレの水廻りがあり、2階はLDKと和室、3階は書斎と子供部屋2つ、そして地下は音楽スタジオという構成。その中に中庭を中心に持ってきて、できる限り外部との関係性を持たせようとしました。1階は水廻りとベッドルームで、当初は浴室も中庭に面して半露天風呂を作ろうかなどと考えましたが、朝起きた時に庭の緑を眺めたり、椅子に座って庭の風を感じたりできるようにベッドルームを中庭に面するプランで進めました。庭に対しては小さいながらも縁側を設け、庭いじりが好きなオーナーがガーデニングを気軽に楽しめるようにしています。

左の円形の壁はトイレの壁
開口部からは濡れ縁を介して中庭。その向こう側はエントランスアプローチ、その向こうに鉄平石の壁と街に対して開けられた半円形の開口と続きます。
ただ、中庭に面するだけでなく、その向こうにもう一つ空間があり、その先がまだある。といった連続性を求めました。

| 建築・設計について | 12:44 | comments(0) | -
階段の吹抜けに面した明るく静かな書斎 造り付け本棚のあるライブラリー
3階は、子供部屋2つと書斎、ライブラリーとなります。

2階から3階への階段はダイニングの脇を廻りながら昇っていきます。
階段を上がるとそこには造り付け本棚が廊下にそって配置されたライブラリー
1階から2階に上がる階段の上部吹抜け空間に面していますが、ここは吹抜けをのぞき込めるような配置にはしないで屋根のトップライトからの光が間接的に入るように家具を吹抜け側に配置しました。階段から昇って曲面の家具にすることで、視線が自ずと右側にながれるよう考えました。廊下の先はバルコニー。


この家具にそって行き、バルコニーに出る手前に書斎を設置

書斎は、目の高さまでの引き戸で廊下を区切られるようにし、中にはいりますと吹抜けの光を感じながら1人こもって読書や仕事に専念できるように配慮しています。


書斎の椅子に座り、吹抜け方向を見たショット
天井まで家具がいっていないので、上部が空いていて、狭さを感じません。
また白い珪藻土の壁で囲まれた空間は、どこか洞窟の中にいるような安心感があります。
トップライトにはロールスクリーンがはめ込まれ開閉でき、勿論窓自体も開くため、地下からの空気がこの天窓を通り、外へと抜けていきます。


書斎から吹抜けしたの階段を見下ろしたところ。
建物の中に光を取り込む装置です。
| 建築・設計について | 11:29 | comments(0) | -
樟(クス)の床 唐長の唐紙天井 珪藻土の壁をもつ和モダンのトイレ
トイレには神が宿るを言いますが、住宅のトイレはやはりそれなりに趣がほしいところではあります。勿論清潔感が一番なんですが、1人になれる小さな宇宙なので、気持ち良く気分転換できる場になれば良いですよね。この住宅のトイレは和モダンというコンセプトで作りました。オーナーも材料の知識が豊富で、一緒に京都唐長に見学に行った際、唐長の店舗を見て、これでいこうということになりました。天井には竜の絵柄の唐紙を貼りました。白い塗装やクロス、木天井はよくやりますが、絵柄の入った唐紙を貼るというのは初めての試み。でもその落ち着いた雰囲気や、ちょっとした遊びごごろが、トイレ空間を別の世界に導いてくれます。





床がこれまた貴重なクスの板材
工務店は、むかしから茶室や本格的和室を得意としていますが、和室に使われる貴重な材をストックしていて、ここぞというところで提供してくれます。最近は本格的和室をつくるオーナーも減り、ストック材を使う機会が減ったので、これからの世代に生かせるようなところに有効に使うようにしているそうです。


トイレに入った途端に、このくすの木の香りがします。もう100年ぐらいは経っている材なのですが、表面をきれいに削りますと中身はしっかり生きていまして木材の生命力というものに驚かされました。
やはり無垢の材には力がありますね。
| 建築・設計について | 11:59 | comments(0) | -
ガーデニングも楽しめる中庭を囲む廻廊デッキ
この家の中心は何と言いましても中庭。1階はこの中庭をエントランスアプローチから眺める庭として、そしてメインベッドルームから見て、土と楽しむ庭としての役割があります。2階はこの中庭の廻りをぐるりと廻れるプランにしました。和室から中庭を廻るデッキに出て、そのままぐるりと歩くと、キッチン脇のユーティリティーに繋がります。
リビングから見た時、単に中庭の向こうに壁があるのではなく、もう一つ廻廊という要素が加わることで、奥行がずっと出るわけで、空間の深みを増すことができました。





3階から見下ろした2階の廻廊デッキ
木のルーバーを曲線の壁に沿って設けましたが、この木ルーバーの固定がなかなか難しかった。ルーバーはL字型。どちらも見えにくい構造。


デッキ部分は幅に余裕があるのでここに花の鉢を置いたりしてガーデニングを2階でも楽しめるようにしました。
手すりの天端はスチール溶融亜鉛メッキのリン酸処理したもの。黒い感じが良いでしょう。亜鉛メッキに塗装ということも最近ではできるようになってきましたが、メンテをしないと経年変化ではがれる可能性があります。リン酸処理しますと、こんな亜鉛処理の模様が残る黒色になるので、深みが出る上、経年変化に対しても安心です。
| 建築・設計について | 00:22 | comments(0) | -
掘り炬燵のある和室 畳に座って中庭のもみじを楽しむ
和室はゲストの寝室にも使えるように設計しましたが、掘り炬燵もありますし、掘り炬燵式カウンターがある書院も設けることで、冬の家族を囲んでの鍋や、一人物書きができる勉強部屋としても使えます。和室は中庭を眺められる位置に配置し、掘り炬燵に座って中庭のもみじを楽しむことができます。また、中庭の廻りを廻れるような廻廊も外部に設けたので、この和室を出て、外の空気を吸うことも出来ます。和室で使った材料は天井は杉、造作、枠材は赤松とし、リビングの赤褐色のカラーデザインに合ったものとしました。壁は左官による聚楽壁です。

正面丸い窓のところは書院。その左が床。床柱は杉で床板は拭き漆


障子は下半分が上がる雪見障子


和室からリビングを見ます。視線の抜けが気持ちよい。


和室とリビングの建具(引き戸)を閉めたところ。リビング側は木で和室側は京都唐長の唐紙を貼りました。隣のふすまも唐紙。
唐長の唐紙は、品がよく、僅かな光でその絵柄がわかるデリケートな色合いと文様を選んで頂きました。
床は赤松の拭き漆。天井も入口部分は低くして、リビングとの結界を表現しました。天井のこの部分にも波の文様がある唐紙を用いています。
| 建築・設計について | 14:12 | comments(0) | -
リビング・ダイニングが見渡せ、手元を隠すハイカウンターのあるキッチン  ブビンガのパネル
さてキッチンなんですが、作業台の一部をオープンカウンターとし、作業中もリビングやダイニングを見渡せるようにしました。リビング側から見た時に、カウンターで手元は見えませんし、バックカウンターの電気器具も見えない位置に配置してあります。見えるのは、奥様のワークスペースとなるデスクとその上のステンドガラスが組み込まれた木製サッシ。木製サッシの上部は空調機が入り、隠す為に木ルーバーとしました。キッチンの幕板の素材はブビンガ。ブビンガはアフリカ産マメ科の木で大木になります。その綺麗な木目が好まれ、家具としてまた和太鼓の枠として使われてきました。今では貴重な材木です。非常に綺麗な流れるような木目ですが、良く見ますと、奥深く色が入り吸い込まれるような魅力的な木です。



奥は、ガスコンロスペースと冷蔵庫置き場。バック収納は床から天井まで一杯で十分な収納力があります。正面には開口部があり、そこからお隣さんのシンボルツリーを借景に街への視線が抜けていきます。この建物の配置上、2階の窓で唯一視線が抜ける窓です。キッチンのカウンターはステンレス。火の廻りの壁もステンレスです。一段高くなったカウンターテーブルの材は同じブビンガ材を用いています。その上には壁から取り付けたワイングラスホルダー。既成のホルダーの一部を利用してステンレスの本体に溶接した、力作。


高いカウンターにはダイニング側にハイチェアーを置いて、忙しい朝食テーブルとして利用したり夜のパーティーのハイカウンターとしたりして使います。


こちらは、反対側にある木扉を開けたところ。ここは、洗濯機が納めてあり、天井には室内物干しも設置しています。左の収納棚にはアイロンカウンター台が収納されていて、アイロンをかける時は外を見ながらかけられる仕組み。洗濯したものは、扉を開けてそとにある物干しに掛ければOK.物干し竿や洗濯物は石の壁に隠れるので、リビング・ダイニングからは見えません。ここは収納が充実しているので、乾燥物や食品のストックヤードとしても使える便利な一部屋です。
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創業100年の藤森鉄平石の自然石小端積み 地球のかけらを積み込む
ここで、この鉄平石のお話。この石は、長野県諏訪市にある創業100年藤森鉄平石株式会社の石を使いました。鉄平石はおおよそ2400万年前に八ヶ岳のマグマによって形成されたと言われています。火成岩の中でも比較的浅い場所で冷えて固まった火山岩の一種で輝石安山岩だそうです。マグマが冷えて強く板状の層が水平方向に、そして柱状のたて方向にも層ができ、その層を剥がしながら、1枚1枚作っていきます。地表に出ている部分には土が固まった部分があり、深緑の中に褐色の部分ができます、表面しかとれないので、貴重な部分。今回はそんな自然石を小端で積んでもらいました。1枚1枚が地球のかけらで、この大きさになるまで沢山の人の手が入っています。大切に大切に積んでいきます。

建物はコンクリート構造なので、そのコンクリートにまず、十字に鉄筋を止めます。そこに下のほうから順次積んでいきます。一つ積んだらコンクリートと鉄筋にモルタルが絡むように裏込めします。


ポイントとなる石を積み、水平ラインを確認。大きな石は穴を空けて、ステンレスのひっかけ棒みたいなもので、鉄筋と石を緊結。




隙間がうまく合わない場合は、石をハンマーでたたいて割り、形を合わせてまた積みます。


リビングの壁に張る石で、リビングの床は石だらけ。こんな沢山使うのかと思うほどの量です。
セメント、砂を練りながらモルタルを作ります。


ある程度積んだら今度は、裏込めのモルタルをコテできれいに目地に塗り込みます。
この自然石小端積みをきれいにできる職人さんは関東圏にも2人ぐらいしかいないそうです。長年の修練、経験がものを言う世界で、ここまでになるのには何十年といった長い修行が必要です。見ていてもその手際の良さにただただ驚くばかりでした。

これは中庭の高い壁を積んだところ。

鉄平石は強い石で、耐候性、耐火性、耐重性、耐酸性があり、おそらく100年経っても変わらない存在感があると思います。

こうして一つ一つ作り上げていく建築は、やはりできた時の感動と力強さが違うのです。
| 建築・設計について | 00:44 | comments(0) | -
鉄平石の壁 木の天井 カリンの床 木製サッシで囲まれた落ち着くダイニング
このリビング・ダイニングをどのようにデザインするかが、一番のテーマでした。中庭の緑はいつも目に入るようにしたいし、鉄平石の強く厚い壁に守られるように過ごしたい。石は地球の一部なので見ていても、触っていてもどこか落ち着きます。石は最初からのテーマでしたが、どのような石をどう積み上げて空間を作るかは試行錯誤の連続でした。住宅のスケールでどの程度の石の大きさが良いのか。石は積みあげる感じが好きなので、ひとつひとつを積み上げて仕上げるということが決まり、できるだけ日本の石で積み上げたいということになり、最終的には玄関の門などで昔から使われている鉄平石にたどりついたわけです。その鉄平石も一番人の手の痕跡が残り、見た目も力があり、色合いも良い自然石を小端で積むという方法にしました。今まで見た建築の中でやはり印象に残るのはフランクロイドライトの落水荘の石張り。落水荘は地元でとれる石を積んでいて、ランダムながら水平ラインがそろっています。大地に対して浮く水平ラインを強調した建築なので、その石積みもあくまで水平ラインを大切にしています。

これは落水荘のゲストハウスのリビング。家具も水平を強調してますよね。


これは落水荘のダイニング。石の壁はそのまま階段の壁になって続いていきます。
もともと川の上の石の岩盤に乗る建物なので、まさに自然とひとつになった建築なんです。

落水荘の水平を強調した壁は今回の建物コンセプトには当てはまりませんが、心地よいヒューマンスケールと外部へ向けての方向性がほしいのである程度水平ラインがわかるようにしようと思いました。形がバラバラな大小の自然石を積んだその間にいくつかのまっすぐなスレート石(既成の大きさに割った汎用性の高い鉄平石)を入れていきました。自然石の方は規格サイズがないので、図面は書けません。そこで現場で職人さんとどうだこうだ言いながら仕上げていきました。

リビングの木製サッシからダイニングの木製サッシまで石の水平ラインに沿ってひとつに空間がつながるようなイメージです。
中庭にドーンと立ち上がった2層分の石の壁がそのまま木製サッシをまたいで内部にまで貫通しています。その壁はダイニングまで伸びていて、壁と壁の間にキッチンの入り口があるというデザイン。



ダイニングの上にだけ木の天井を設けています。一つの大きなリビングダイニングとして白い珪藻土の天井にするというのも一つの解答ですが、ここはダイニングテーブルに座った感じを大切にしました。リビングとダイニングで座った感じを変える。そしてダイニング部分は天井を低くして、より親密に話ができるようにする。そんな意図があります。

右の階段は3階に上る階段ですが、その先の壁には開口部が設けられています。朝食時は、東に設けたその開口部から光が壁に沿ってダイニングにまで届くようにしました。階段とダイニングの間は、階段状の展示ケース付き収納。階段下も有効に収納として使えるように配慮しています。
床のフローリングはカリン材。いまでは貴重な材です。固く赤褐色の色が何とも言えない魅力ある材料。今回は岡山の材木屋さんに絶大な協力をしてもらってカリン材を集めました。蓄熱式床暖房を採り入れたシステムなんですが、このカリンフローリングは無垢でその床暖房にも対応するようになっています。


木と石そしてステンドグラスにガラスペンダント照明。徳力竜生ワールドのダイニングです。
| 建築・設計について | 02:12 | comments(0) | -
中庭の緑を楽しむリビング 断熱を考慮した木製サッシ
私が設計する建物では予算が許す限り木製サッシを使うようにしています。木製サッシの良いところは、そのフレームの存在感がまずひとつ。額縁のように太いサッシ枠は、風景を取り込み、一つの絵のように見えるからです。外と内を分ける存在感のある開口部としてデザインに取り込んでいます。機能的には木製サッシは、断熱性に優れていること。ガラスは勿論ペアガラスです。これでいかに室内、室外の気温差、湿度の差が出ようと、ほとんど結露しません。さらに遮音性。私が使う木製サッシは、建具屋さんが作る木製建具ではなく、あくまでも断熱・気密性を考慮したものです。高気密高断熱はこれからの家では当たり前であり、そこは妥協できません。

正面リビングのサッシは、中庭に対して大きく開口しました。
いくつかのパートの分け、それぞれの窓が開くことで、風を有効に通すという機能を持たせました。全てのサッシは内倒し、内開きできるドレーキップサッシです。上の左2つの横長サッシは90度内側に開いても頭の当たらない高さにしています。
開口部の向こうのもみじの先は、コンクリートの壁と太い木の竪格子が見えます。
中庭のもみじを眺めながら緑と光と風を感じ、本当に静かな空間でゆっくりとした時間が過ごせます。


吹抜け側の木扉を開けますと、その向こうは和室です。
丁度L字で中庭を囲い込むような配置


和室正面には丸い窓。


ソファーに座ってテレビや音楽を楽しみます。
こちらは吹抜けの方向なので、画面や音楽に集中できます。
将来、階段の壁には壁架けの絵や、彫刻が飾られる予定です。
左は、階段の形状に合わせて造った造り付けの家具。
スタンドは徳力竜生氏デザイン
大きな吹抜けが無くとも、階段を空間に取り込むことで、光と広さを得ることができます。
| 建築・設計について | 13:04 | comments(0) | -
光を採り入れ、風を通す階段 緩く昇りやすい階段
さて、階段を昇ります。トップライトからの光が壁を沿うように落ちてきます。



上を見上げると屋根まで吹抜けているので、高さをここで感じます。小林秀幹氏の手すりも気持ち良い。


2階に上がって階段振り返ったところ。カウンターの先に置いてあるのは徳力竜生氏のガラススタンド

この建物は大きな吹抜けというものはありませんが、階段に吹抜けとしての役目を持たせています。上からの光を下の階まで下ろします、そして屋根のトップライトを空けることで、下階の空気を上昇気流で逃がすこともできます。視線も上下へと抜けていくので、室内空間を広く感じることができます。この建物は、大きな塊をくり抜いて、そこに部屋をつくるというようなイメージで考えました。従って壁も天井も左官による珪藻土塗り仕上げです。天井と壁の境がないので、ボリュームとして感じられ、中に居ますと建物に優しく包まれているような気がします。この階段の壁の施工は大変な技術が必要です。壁左官仕上げは、鏝のパターンがあるのですが、この鏝パターンは人によって癖があり、皆違ったものになります。従って今回この大きな壁は一人の職人さんが最後仕上げました。何人かだ同時で塗っていきますが、下地をする人、仕上げ前の下地をとる人、そして最後パターンを付ける人。という具合です。
私が設計する建物の階段はできる限り蹴上を低くして、昇りやすくしています。建物が小さい場合、階段が占める面積を少なくするため、急階段にしますが、私はしません。階段を昇ることで気持ちが少し変わる。そんな楽しい階段をこれからも求めていきたいと思います。


2階メインフロアーです。階段を介しての光がリビング・ダイニングを暖かく照らします。奥の壁右側は、トイレの扉。その左が3階へと登る階段。そしてダイニングです。右はテレビ収納のカウンター

| 建築・設計について | 14:59 | comments(0) | -
木の天井 石の床 珪藻土の壁 自然素材で囲まれた玄関ホール
中庭はこの建物の中心。
アプローチはこの中庭を見ながら進むのですが、1階のベッドルームからもこの中庭が見えるように配置しました。
写真右手の木製サッシ引き戸がベッドルームの開口部。
奥のベッドルームからは、この中庭を介して鉄平石の石の壁、半円形のルーバーが見え、光と風を感じることができます。


中庭からの石の壁はそのまま玄関の内部へと繋がっていきます。玄関ドアは断熱木製ドア。床の鉄平石もそのまま内部へと繋がってきます。
珪藻土の壁の下の方には、中庭からの光を取り込む地窓を設置


そして玄関ホールに入るとこんな感じです。

天井の木がそのまま廊下の先に伸びていきます。天井材はレッドシダー
天井の高さは、玄関アプローチからずっと同じ高さで、2190mm
スケール的にも丁度良い高さです。
右の奥が上階に上がる階段。小林秀幹氏の流れるようなスチール手すりがポイントとなっています。手前の右はシューズクローク。その家具の右には地下に降りる階段があります。
右奥の階段は屋根まで吹抜けており、トップライトからの光が落ちてきます。
左には間接照明のあるベンチ。ここに座ってブーツを履いたり、買い物袋の一時置き場となります。
| 建築・設計について | 13:13 | comments(0) | -
鉄平石の壁と床 木天井で囲まれ 中庭を見ながら進む玄関アプローチ
私が設計する建物で、一番の肝と思い考えるのが外と内の接する場所です。特に外から帰ってきて、中へと入る部分には時間をかけて案を練ります。敷地が小さくなかなかそんなスペースを取れない場合でもちょっとしたバッファーゾーンを作ることで、気持ちが入れ替わると考えるからです。私が小さい時は、家にはガラガラと引き込む戸が道路に面して付いていて、そこから家の敷地を数歩歩いて玄関扉という家がほとんどでした。これもやはり外と内のバッファーゾーンを自然に考えた昔の人の知恵だったと思います。漫画さざえさんの絵にもこんなシーンがありますよね。
ということで本郷の家もそこのところは、頭をひねりました。

玄関ドアを開けて進みます。床は壁と同じ鉄平石。玄関ドアのところが結界となるので、床の鉄平石の貼り方も変えています。


一歩入りますと、鉄平石の壁と床、そして木の天井で囲まれた洞窟のような空間
右には収納があり、その向こうにはベンチを設けました。
買い物から帰ってきたときの一時置き場にもなりますし、中庭での庭いじりの際の休み処にもなります。
床の鉄平石は、曲面の壁の中心に合わせながら貼っています。目地と石の大きさを何度も検討し、試行錯誤して完成したもの。


曲面の石の壁に沿って進みますと、外壁に放たれた円形の開口部が見えてきます。
ここにはルーバーが入っていて、外から見えにくい構造とし、中庭へは風の通り道を作ります。真夏にこのルーバー開口の前に立ちますと、道路からこの中庭に風が抜けていくのが解ります。
ルーバーは、スチール亜鉛メッキにリン酸亜鉛処理したもの。半円形の枠に対して内側に勾配を持つフラットバーのスチールルーバーを溶接で接合しています。簡単に見えそうで、実はかなり熟練した金物屋さんお仕事。


更に進むと左手に中庭。
大きなもみじを中心にして、季節により花が咲く様々な種類の草木が植えられています。左手前には散水栓を設置。水が落ちる部分は石を敷いています。


そして振り返ると鉄平石の壁。2階の壁の高さまであるので迫力があります。
光が注ぎますと陰影が綺麗。
外部から遮断された中庭なんですが、石と木と塗り壁という自然素材に囲まれており、落ち着きのある静かな場を作り出すことができました。
| 建築・設計について | 12:38 | comments(0) | -
文京区本郷の家 石貼りの外壁と木ルーバーを持つ外観
フランクロイドライトのヘーガン邸(ケンタックノブ)は、石積みされた壁の上に木造の壁、庇のある大きな屋根が載る建物ですが、こんな石と木で組み立てられ、緑も感じられる心からリラックスできて気持ちの良い家に住みたいというオーナーの希望からこのプロジェクトはスタートしました。


大自然の中に大地から生まれたような有機的な建築がライトの一時代のスタイルですが、東京でそんな大自然を求められるところは無く、敷地にも限りがある中で、どうやって町の喧騒から逃れ、静かで落ち着いた家を作るか考えた結果、中庭を囲んだ都市型住宅という形に辿り着きました。
敷地は2つの道路に接する角地。
この角地を柔らかく囲むように石と左官壁の外壁が廻っていきます。

建物はコンクリート造。断熱性能を高める為、外断熱工法としています。
1階廻りは車からがっちり守るという機能を踏まえ、歩いている人や街に対しては自然素材の力強さと趣が出るように鉄平石による石積としました。
中庭や2階居室への風の抜けを考慮しながら、プライバシーを確保するため、木のルーバーが曲面壁に沿うように配置されています。
建物は3階建てですが、3階部分がセットバックしているので、街に対して圧迫感はありません。


来訪者は、この石の壁を見ながらその壁に沿うように廻りこみます。
開口部のサッシは断熱性能に優れた木製サッシ


そしてこちらが玄関の見えるエントランス部分。
手前左のところは自転車置き場。
ピロティーの下には車が1台収納できます。
石の上の壁は、コンクリートの上に50mmの断熱材を貼り、その上にメッシュ処理した下地をつくり、仕上げに左官コテ仕上げとしています。コンクリート、断熱材の収縮に対応するため仕上げの塗り材は弾性があるものを用い、経年変化によるクラックが目立ちにくい処理を施しました。
石積みも左官の仕上げも職人さんの腕の良し悪しがそのまま仕上げとして出るものなので、腕の良い職人さんに来てもらい、無事仕上げることができました。
いつも設計して思うのは、建物は経年変化を楽しめるものであり、年を重ねるごとに味わいが出るものにしたいということです。できた時が一番綺麗という建物とは真逆。
この建物も時と共に汚れ、石の部分には苔とかが生えて、よりしっくり見えるようになると思います。
あたかも前からここに建っていたかのような建物という感じです。
| 建築・設計について | 20:53 | comments(0) | -
アトリエBOCO 鉄の作家 小林秀幹の世界 鉄の芸術的な手すり
建築と人が触れるところ。それはまず床です。だから床の素材にはこだわりますよね。というのも人の感覚というのは言葉では言えないほど繊細なので、肌が接する部分に関しては、物の良し悪しや、柔らかさ、素材の持つ優しさ、暖かさがだれでも感覚的にわかるんです。床の次は手すりやドアの取っ手でしょうか。人と建築が握手する非常に大切な部位です。今回本郷の家では階段の手すりを鉄を叩いたものにしました。製作してもらったのは、鉄作家である小林秀幹氏。彼とは一つ前の住宅からのお付き合いですが、その鉄の触り具合が最高なんです。鉄を連想しますと固く冷たいというイメージが湧きますが、実際に取り付いた手すりや取っ手は肌触りも良く、握りやすく、しかも暖かさを感じるんです。作家の性格がそのまま作品となっているのかもしれません。

階段に付く浮いたような流れを感じる手すりです。


2階から3階へはまっすぐな階段ではなく回り込んだ階段なんですが、このように手すりもうねるように曲がっていきます。芸術的でしょう?作るのは非常に難しいのですが、本当に美しくできています。


これは地下へと降りる階段についた手すり。
奥にあるのはバーカウンターなんですが、この机と椅子も小林氏のデザインです。木が鉄から浮いたような感じを与えるもので、しかも鉄がしっかり主張しています。見事な造形。椅子は、オーナーの趣味がギター演奏ということもあり、ピックをイメージしたものとなっています。

小林秀幹氏は鉄作家なので、オブジェも沢山作られています。年に何度か個展を開かれてますが、これは秋にあった八ヶ岳倶楽部での個展。廻りの緑にうまく溶け込むようなオブジェが置かれています。



風で頂部が動きます。静かな空間の中で風の流れを感じる作品
どの作品を見ても、暖かみを感じると共に、どこか生活を豊かにしてくれるような楽しい仕掛けや工夫が盛り込まれていて、見ていて飽きないものばかりでした。
| 建築・設計について | 01:13 | comments(0) | -
国立新美術館 黒川紀章の自由なファサード
日展が行われていたのは六本木にある新国立美術館です。何度か行きましたが、今回改めて体感し、設計者の自由な発想が解ったような気がしました。
大きな展示空間は四角い箱で、それが横に繋がっています。そのスクエアーなマッスな空間の全面にあるのがカラスアトリウム。美術館としての機能はしっかり確保し、自由にできるホワイエ空間をかなり楽しく遊んだという感じです。でも中に入って1階のラウンジでお茶を飲みながらじっくり味わってみますと、四角い展示空間から伸びた丸い列柱のある部位と、ガラスの自由な曲線で覆われたアトリウムが重なり合い、そこに円錐のコンクリートの塊が貫入することで、かなり複雑で楽しいものになっています。光が円錐のコンクリートにあたり、一刻一刻変化する影を楽しむこともできます。黒川さんは、中間領域や共生といった間の場というか日本的なあいまいな空間を多くの建物に取り入れてきましたが、このアトリウムもガラスという媒体はあるものの外部と内部をあいまいにつなげるものであると感じました。







海外ではよく見かけるスケールの大きいアトリウム。でも形が複雑なので連続性があり、終わりがはっきりしないところが良いと思います。

| 建築・設計について | 10:14 | comments(0) | -
京都工房チェリデザイン ガラス工芸作家 徳力竜生の世界2 ポップなステンドガラス
もう一枚ステンドガラスを製作してもらいました。
こちらはキッチン側の窓。都心においては、敷地も限度があり近隣さんも近くでお互いの窓からプライバシーが守れないということは良くあります。でも光は入れたいし、ただのスリガラスでは味気ない。さらに絵の額のようにガラス自体を芸術品として楽しめると、生活が豊かになりますよね。ステンドグラスは、太陽の位置によって見え方が刻々変化します。そんな時間を楽しめるのも良いですよね。

鉄平石の石の壁の向こうがキッチンです。キッチンのパネルの仕上げ材はブビンガ。特徴のある木で、板自体の文様に深みがあり、存在感があります。手前の石の壁が主張する壁でありその力強さに負けない素材で、お互いを引き立たせています。そこの壁に放たれた窓。窓の下は、家事スペースでパソコンやFAXを置いて作業できるようになっています。


色の無いリビングのステンドとは違い、色の入った色ガラスを散りばめたもので、左側のペプチド螺旋構造のような模様は生化学のお仕事をされているオーナーさんの想いが組み込まれています。


色の無い文様だけの白ガラスをベースに、色の付いたガラスを丸くカットして意味ある形として配置したデザイン
こうして見ますとベースに使われているガラスもいろいろあることが判ります。

花の形や、人の形を模ったステンドガラスや、色ガラスを沢山用いたステンドガラスは沢山あり、デザインも様々なんですが透明無色の板ガラスを何枚も使い、そのガラスの持つ独特の文様で作り上げたこのステンドガラスはとても品も良く、飽きもこない優れたものだと感じました。

徳力竜生氏は、今日まで六本木の新国立美術館で開催中の日展にも出品され、そのガラスを用いた工芸品が見事特選を受賞されています。お時間ある方は是非
みて頂き、ガラスのもつ奥深さを感じて頂きたいです。



| 建築・設計について | 10:08 | comments(0) | -
京都工房チェリデザイン ガラス工芸作家 徳力竜生の世界 モダンなステンドグラス
ステンドグラスを建築に取り入れる。それは建物の開口部を光の芸術品に変えることではないでしょうか。今回本郷の家では、大きな開口部にステンドグラスをはめ込みました。作家は、京都のチェリデザイン工房の徳力竜生氏。鉄平石の石壁と左官仕上げの壁、そしてレッドシダーの木の天井に囲まれた木製サッシ開口部にどのようなデザインで挑むのか楽しみにしておりました。何度かのデザイン変更を重ね、完成したのがこの写真。徳力氏の言葉では、大地に何本も道が走る躍動的でエネルギッシュな都会をイメージしたとの事です。


このステンドグラスには沢山の種類の板ガラスが使われています。板ガラスの部分はすべて徳力氏が海外に行き、メーカーから直接仕入れてきたもの。1枚1枚に特徴があり見ていて飽きません。白いガラスの中にガラスを溶け合わせて作った黒い文様が入るという手の込んだ作品です。



シックで落ち着いたインテリアの空間にマッチしたデザインで、このステンドグラスが入ったことにより、空間が更に輝きました。

天井から下がっているペンダント照明も徳力作。吹きガラスを作る際にできる口の部分を加工して照明器具にしたものだそうです。ガラスの文様は、吹くときにできるそのガラスが持つ特性により様々。世界に一つしかない照明器具というわけです。


| 建築・設計について | 10:50 | comments(0) | -
我が家のリフォーム 天然素材で家に彩りを添えるハグみじゅうたん
リビングに敷いていたコルクマットの汚れが目立つようになり、それに替わるものを探していました。

コルクマットを外した状態。床は桐床。でも飼っているワンちゃんの足が滑るので何かを敷かないといけません。

最初に出会ったのがギャッベ。
イランの遊牧民の女性による手織りのじゅうたんだそうで、土足でも50年位使える程丈夫とのこと。何ともいえない発色やデザインも豊富で素敵です。
でも、大きさ、デザイン、価格などトータルで、なかなかこの一枚に出会えずにいました。
で、次に出会ったのがこのハグみじゅうたん。

健康や環境に配慮したつくり、安心して使える自然素材のじゅうたんということで、わんちゃんがゴロゴロしても安心。
何より、あたたかみのあるデザインにひとめぼれ。



手で織ってあり、繊維の方向性があるので、絨毯を見る位置で色が変わってみえます。奥深い色も魅力的。何より、人の手のぬくもりが感じられます。
| 建築・設計について | 07:37 | comments(0) | -
我が家のリフォーム 家族ウォークインクローゼット 使いやすい収納
我が家は2階建てですが、1階に家族全員の衣類を収納するクローゼットがあります。まず外から帰ってきたら、そこで着替えて、2階のLDK、子供部屋に行くという形態です。
衣類の収納は、大きく分けてたたむか、掛けるかです。
これまでは、たたむものはプラスチックの引き出しを並べ、夏物と冬物に分けて、衣替えは引き出しごと入れ替えていました。
また、掛けるものは、結婚当時にそろえた洋服ダンスなどを使いながら、やりくりしていました。


しかし洋服ダンスは、スペース上、みんなの掛ける服が混在しているしで、ひとりひとりの持ち物が把握しにくい上に、子供の成長と共に衣類が増え、どうにも収まりがつかなくなりました。自分の持ち物が把握できていないと、いつも同じような組み合わせのスタイルしかできなかったり、手持ちと同じようなものを買ってしまったりしてしまいます。
また最近の気候の変化やヒートテック等の進化により、冬でもヒートテックの上に薄手のセーターで十分という日もあり、衣替えがしずらくなってきています。
そこで衣替えはやめて、自分のオールシーズンの服が一目で見れるようにしました。


内部はこのように服を配置。
手持ちの服が一目でわかり、組み合わせもしやすくなり、無駄な買い物もなくなりました。


それぞれのスペースの前には折れ戸を設置。
ウォークインクローゼットとして大きな収納と考えれば、扉はいらないのかもしれませんが、やはりホコリは発生しますし、全ての衣類が見えていますと、どうしても落ち着きません。そこで、折れ戸を設置したわけです。閉めてしまえば白い壁で床の掃除も楽です。


| 建築・設計について | 00:00 | comments(0) | -
 我が家のリフォーム 子供部屋の収納 カバン収納
自宅ができて12年ほど経ちます。当時幼稚園と小学生だったこどもたちは、高校生と大学生になりました。こどもの成長と共に、使い勝手も変わり、今回プチリフォームしました。特に力を入れたのが収納。建物本体はあまりいじらず、内装と家具の変更でガラッと変えることができました。
子供部屋は2階で、当初ロフトがあり、部屋の真ん中から階段で上がれるように設計。秘密基地のように遊んでいましたが、成長するにつれて背も伸び、ロフトの天井低さが、圧迫感になるため次第に使われなくなりました。




そこで5年ほど前にロフトの半分をオープンにして、解放ある高天井を半分にし、残りの半分をロフトに残しました。ロフトは漫画読書室。


ベッド部分を有効活用するために、下に少し収納のあるベッドを購入。子供は2人とも女の子ですので、仕切りはしないでオープンのまま使っておりました。

収納力も上がり、階段を3段昇るベッドが新たな遊び場となりましたが、大きくなるにつれて、同性とはいえ、もう少しプライバシーの必要性が出てきました。
そこで今回は残りのロフトも撤去して高天井の部屋へと変え、2人の間仕切りは座ると相手が見えないぐらいの高さの板を設置しました。


仕切ると、それぞれかなりコンパクトなスペースですが、机、ベッド、本棚が左右対称に置かれています。そして今回はそこにバッグ置き収納を新設しました。
なにせバッグが増えます。こども部屋の床にリュックやら肩かけバッグ等色々な形のバッグが散乱するようになりました。しかも、形や大きさがマチマチ、自立しない形など、棚に並べるのもむずかしいので、フックにかけることに。


家に帰ると、まず1階で手を洗い、共有のクローゼットで着替え2階に上がってきて自分たちの部屋に行きます。リュックやバッグはそのまま持って上がり、この収納の上に載せたり、フックに架けて、片付け終了。
床もすっきりして、なかなか好評。

| 建築・設計について | 00:08 | comments(0) | -
品川から見た都心の夜景とダブルレインボー
やはり都会の夜景は綺麗です。これから年末にかけてさらに美しく彩られることと思います。今回の写真は、少し前のものですが、品川の高層マンションゲストルームにお邪魔した際のもの。この日はめずらしく、虹が出まして、しかもダブルになっていました。めでたい事も前触れかもしれません。これから品川大崎はますます開発が進み、海も見えずらくなるかもとオーナーが言われてましたが、ここの発展は確かに凄い勢いです。






| 建築・設計について | 15:22 | comments(0) | -
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