冨田秀雄の設計日記

家づくりへの想い、考え、そして私的な内容を綴ったブログです。
村野藤吾 横浜市庁舎 大きな踊場のあるダイナミックな階段
横浜市庁舎の市民ホールの吹抜けには2階にあがる階段が象徴的に付いています。
吹抜けの階段はその空間の良し悪しを左右する大きなデザインポイント。ここはさすがに村野さんの階段がドーンと付いています。
面積をぎりぎりのところで抑えながらも、その階段が空間を締める。そんな風に見えます。






最初の数段は木がしっかり貼られた階段で、その大きな踊場は、まさに言葉通りひとまずここで休めるような大きさ。演説や演奏もできる舞台のような大きな踊場です。

大きな踊場の手すりは低くしかも太い。安定感抜群




目線が高くなってほんとうに舞台です。


木の踊り場は浮いているように設置




階段を上がっていきますと、壁のタイルレリーフはそのまま会議場にまで続いていきます。
なかなか見応えのある市民ホールでした。
| 建築・設計について | 00:40 | comments(0) | -
村野藤吾 横浜市庁舎 辻晋堂作壁面レリーフが続く市民ホール
玄関から入ります。

低くなったところから、内部壁面にはタイルのレリーフが続いていきます。




そして2層吹抜けのある市民ホールへ出ます


開放感がある市民ホール







壁面一杯に拡がるタイルの力強いレリーフは辻晋堂の作品



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村野藤吾 横浜市庁舎 グリッドの美学
久しぶりに横浜市役所に立ち寄りました。仕事でしょっちゅう来たことがありますが改めてじっくり見ました。この横浜市役所は1959年竣工ですからもう56年。設計は村野藤吾。高層棟と中層棟の2つを2階建て低層棟が結ぶというC型の配置。
外観はコンクリートの柱と梁によるグリッドの中に、開口部やベランダをリズミカルに配置し、間の壁面には優しい感じのタイルを貼ったものです。柱は上階に行くほど細くなり、シンプルな外観に縦方向のリズムを与えます。構造計画をそのまま外観に表現したものですが、実に美しい。ここにはプロポーション、窓の配置や形状、タイルの色の微妙な変化等かなり綿密に検討された跡が見えます。多くの税金をかけて耐震補強をしたというのに、違う場所に新しい市役所が計画されており、この名作も取り壊される運命にあります。次の世代にも伝えないといけない建物なんですがね。

全体像。左が高層棟で右が中層棟。それを手前の低層の会議棟がつないでいます。
低層棟は、1,2階が吹抜けの市民ホールになっていて、どちら側からも市役所にアクセスできるように入り口がいくつも設けられています。




高層棟のリズミカルなファサード。柱と梁、開口部とベランダが実に美しく配置されたモダン建築。白い電波棟がまた村野さんらしい可愛いデザインです。




年数を経て大きな樹木に覆われた関内駅側


高層棟へのダイレクトなアプローチもなかなか緊張感があって良いです。
中層棟は、少し形態を操作。単調さを避けるデザインがなされています。


市民ホールへの入り口部分
厳しい予算の中、これだけの建築を生みだした村野さんの力量には本当に刺激を受けます。
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東京はようやく花見の季節になってきました。
このところの気温の日々の変化には体調管理がかかせませんが、ようやく東京では街のあちらこちらで桜が咲き始めました。今日は日曜日なので花見も多くのところで行われるでしょう。ビルの中ではありましたが、季節を伝える生け花がしてあったので思わずシャッターをきりました。





やっぱり生命を感じることが出来、元気がでますね。


こちらはもうすぐオープンの新宿南口にできる大型バスターミナルステーション


何がすごいかと言いますと、新宿駅の線路の上に新しく造ったのです。
人も車も多いのは無論、止まることなく動くJRをまたいだ大工事。
さすがは、日本の建設業の技術の高さがあればこそ。それにしても従事した人達の苦労は相当なものだったと思います。お疲れ様でした。
もうすぐ4月。新しい年度が始まります。気持ちを新たに、またお仕事頑張ろーっと。
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ジョルジョ・モランディーの静かな絵画を見る
東京ステーションギャラリーで開催中のイタリアの画家ジョルジョ・モランディー展に行ってきました。故郷ボローニアからほとんど外に出ることなく、自分のアトリエで静物や窓から見える風景を描いた20世紀最大の静物画家。作品を見ますと、その置かれたビンや器の安定した配置関係、器のもつ何とも言えないプロポーションの美しさ、重ねられた色彩の暖かさを感じることができ。幸せな気分に浸れました。とにかく静かなんです。時間がゆっくり流れていくのを感じます。静物画を見てこれほど感動したことはなかったので、新たな発見でもありました。人の手によってつくられるものはなんでもそうですが、その作者、製作者の心のあり方がそのまま作品に写りこむのだなーと思いました。モランディは心がいつも静かで、大地にしっかりと根が生え、ものの本質を鋭く理解できる人であったのでしょうね。







建物も窓など、ディテールとなる部分は描かず、その物の持つボリュームや本質が描かれています。
私は絵ハガキを購入して、打合せノートに貼り、心が乱された時にはこの絵を見るようにしてます。
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ワタリウム リナ・ボ・バルディ展 ブラジルサンパウロの建築
ワタリウム美術館で開催中の建築家リナ・ボ・バルディ展に行きました。
久しぶりのワタリウム。内部の重厚な空間はできた当時のまま。もう30年ちかく経ちますが、その造形美はまったく衰えを感じません。やはりこの建物は芸術品なのだといまでも思います。



リナ・ボ・バルディは戦後で傷ついたイタリアからブラジルへ移り住んだ建築家ですが、ブラジルの人達を愛し、そこにいくつかの名建築を残しました。サンパウロ美術館は緑の丘に建てられたシンプルで力強い建物で、大きな4本の柱で展示室全体を持ち上げ、その下のピロティーを市民に開放。そこから見降ろすサンパウロの景色はいまでも大切な場と一つになっています。展示室の写真を見ましたが、その配置は、ルーブルランスでSANNAが試みた、壁のない展示と相通じるものがあり、訪問者は自立した展示品の中を自由に見て廻るようなものでした。


ワタリウムの展示では、代表作のスケッチや模型そして彼女が語る貴重なビデオを通し、この建築家の考えを知ることができます。
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那珂川町馬頭広重美術館 障子スクリーンの壁、地元産の石、開放的な庭
廊下は、障子のような柔らかい間仕切り壁です。床は地元からでる黒い石、勿論ルーバーの杉も地元産。地産地消の建築は、建築原理に則ったもので、廻りの環境にも優しいですし、無理なくその場所に座るというか納まります。
内部の広重の絵画も見事ですが、その広重のたどった旅を少し考えるような廊下や、長い通路や、静かな庭を眺めるホールなど、小さな建築にきゅっと良いところがまとめられた良い建築だと思いました。





展示を見たあと、通る庭の見えるホール









| 建築・設計について | 06:44 | comments(0) | -
那珂川町馬頭広重美術館 縦格子(ルーバー)が作り出す内部と外部が共存する空間
さて、エントランスから入って行きましょう。
大きく後ろの山の開かれた開口部



右が広重美術館 左はショップと喫茶




駐車場がわを振り返るとこんな感じで町の方が見えます。


90度折れ曲がって美術館の入り口へ。


振り返りますと、こんな感じで抜けを感じます。


美術館ホールから先ほどの貫通通路をみたところ。置かれている家具はキャスターが付いていて移動できます。


椅子の背もたれも縦ルーバーのデザイン


ガラスや磨かれた床石の反射、ルーバーが重なる見え方によって外部と内部という境界線が見えなくなります。構造はいたってシンプルですが、同じ材料が縦横に重なり合うことによって生まれた奥深い空間を体感できます。


| 建築・設計について | 12:44 | comments(0) | -
那珂川町馬頭広重美術館 地元産杉のルーバーで覆われた平屋の美術館
那須の那珂川町にある馬頭広重美術館に行きました。
建築家隈研吾氏のルーバー建築の代表作との言える建築。
屋根も外壁も木のルーバーで覆われているのは写真で知っていましたが、なるほど美術館自体はしっかりとした壁と鉄骨、ガラスの屋根で守られ、木のルーバーはその化粧材として廻りを囲んだ建物でした。
広い駐車場を手前に奥には山を背負う絶好の立地。
建物全体が見えるエントランス側に後ろの有機的な山の稜線に対して、水平ラインがビシッと決まるすがすがしい外観です。





玄関のアプローチ
大きく開放的なエントランスの開口部からは裏山に続く道が見えます。


こちらは、後ろにある庭からの外観
きれいな地元産の杉ルーバーが屋根に並べられ、光があたり、陰影が見事で本当に美しい。
経年変化で木がグレーになり、廻りの景色とも一体化しています。
木の寿命とか、機能性はありますが、この外部を覆う木ルーバーはあくまでも装飾化粧材なので、朽ちたら取り換えたら良いという考えでしょう。そうする割り切った考えをしたことでここまで美しい建物ができたと思います。






ルーバー壁と屋根ルーバーが伸びるパースペクティブな外壁廻りのディテール
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和倉温泉加賀屋 静かな七尾西湾を望む部屋
和倉は、七尾西湾という内海に面しているので、波はこんな風に静かだそうです。天気の方は日本海の北陸ですので、冬は曇りが多い。でも何だかこの静かな感じが良いじゃないですか。荒々しい海も良いんですが、ゆっくりとくつろぐ宿にはこんな景色が一番似合います。








さすがにサービス、おもてなしは文句なし。
全てに行き届いた丁寧な対応、美味しい海の幸やごはんを頂き、柔らかい温泉に浸り大満足でした。
| 建築・設計について | 20:55 | comments(0) | -
和倉温泉加賀屋 館内は美術館 楽しい解説が見事
置いてあるもの、全てが本物。廊下や宴会場、大浴場の壁などあらゆるところに美術品が飾られていますが、そのどれもが能登・金沢の芸術家の作品。しかもその道の先生の作品が多く飾られています。館内の美術品を紹介してくれる館内ツアーがあり、それに参加しました。一つ一つの作品を丁寧にしかもユーモアを交えて説明して下さり、少し美術品を見る目が肥えた気分になりました。
祭り小屋のなかの壁パネルに描かれているのは輪島塗の獅子舞の絵
西塚栄治・西塚龍作



廻り舞台になっていてせり上がるそうです。また、その輪島塗パネルの奥は宴会場になっていて、このパネルは開閉式。空けますとこの祭り部屋と宴会場がひとつに繋がるという仕掛け。楽しいー!


文化勲章受章者大樋長左衛門作 大樋焼き花さしです。

ろくろを用いないで、へらと手で形を作り出す。その形は暖かさを感じるなんとも言えない雰囲気を醸し出していました。


久谷焼陶工人間国宝徳田八十吉作



久谷焼の色鮮やかな絵に対して色を表現した奥の深い作品がならびます。

人間国宝隅谷正峯作 日本刀

相撲の横綱輪島関が土俵入りの時用いた日本刀




加賀友禅の着物で初代女将が着ておられたそうです。
模様は、永遠の創造を表すアラベスク模様。黒い帯にも入ります。なんというカッコ良さ。




加山又造画伯の花月。しだれ桜の花と月の絶妙なバランス

その他にも名作が並ぶ、美術館のような旅館です。
| 建築・設計について | 12:16 | comments(0) | -
和倉温泉加賀屋 結婚式もできる本格的能舞台がある宿
加賀屋さんにはあらゆるエンターテイメントが楽しめる工夫がなされています。
その一つがこの本格的な能舞台。けっして中途半端な作りではなく、素材も全て吟味されたもの。能は勿論のこと、結婚式もここで挙げる新郎新婦が多いと聞きました。





能や結婚式には多くの人がみえます。でもこの能舞台の前のホール的なスペースはそれほど多くの人が入れません。
そこで、とんでもない仕掛けが登場します。
能舞台のあるホールはそのまま宴会場に続いていて、この宴会場の扉や壁は全て可動式になっており、ホールと宴会場は一つに繋がるというものです。

宴会場の壁や扉は上に動いてホールと一つに


こちら和の宴会場のしきりも全て無くなるそうです。
そうしますと、能舞台を中心に何百人もの人が集まることができ、能や結婚式をたのしめるという大掛かりな仕掛け。
もうひとつ、写真には撮れませんでしたが、宴会場の天井はガラスになっていて晴れた日はそこが空いて空とひと続きになるそうです。なんとも楽しい装置ではないですか。

訪れたお客様にいかに楽しんでもらい、喜びを提供するかにあらゆる知恵を絞り、徹底したエンターテイメントを追求したこのしつらえ。まさに加賀屋さんの真髄である「おもてなし」を見た気がしました。
| 建築・設計について | 10:28 | comments(0) | -
加賀屋 行き届いたエンターテイメントの空間
前から行ってみたかった能登の和倉温泉加賀屋に行きました。サービスでは他の追随を許さないおもてなしの宿。おもてなしの建築とははたしてどんなものか。

瓦屋根の門がお迎え


広い車寄せです。駅からは大型バスがお出迎え。大きな玄関とホールがすべてのお客様を引き受けます。




玄関入りまして広いロビーの先は七尾西湾の静かな海がお出迎え。内海なので、波は少なく、いつも穏やかな海です。遠く能登方向まで見通せる絶好のロケーションに建っています。


こちらで、部屋までの案内を待ちます。


お琴の演奏もあり。待ち時間を退屈させません。非日常感があり、心がわくわくしてきます。


通路を通りましてお部屋に向かいます。
ここからはまた別世界。赤い絨毯。そして和風のインテリア。


水が流れる中を進みます。両側は、お土産屋さん。能登のほとんどの名産品がここで揃います。小さな路地を散策するような楽しさがここにはあります。おみやげ屋さん巡りも楽しみのひとつ


そして大きな吹抜けのあるメインのホールにでます。
まさに温泉街ならではのワクワク感満載のインテリア。
トップライトからは明るい光が差し込み、インテリアの材質もきらびやか。
円形の腰かけブースがあり、そこに座りますと、子供心に戻るような感じがします。


木をふんだんに使っているので、いろいろな造形があるんですが、決してけばけばしい感じは無く、むしろ心が躍る気がします。まさに都会のホテルでは味わえないエンターテイメントの非日常空間。




吹抜けに飛び出した和の小屋
本物の材料がふんだんに用いられています。偽物ではない本物の力が人は感じることができるのでしょうね。
ここでは、外に出ることなく、加賀屋さんの中に居ながら様々な楽しい娯楽空間を味わえ、多種多様な生の公演も体験できます。
考えつくされた娯楽の館ではないでしょうか。
| 建築・設計について | 10:13 | comments(0) | -
金沢と和倉を結ぶ七尾線・のと鉄道の旅
たまには各駅列車での旅も良いもんです。今は移動がほとんど車なので、地方に行ってもなかなか鉄道に乗らないのですが、やはりのんびり車窓を眺める移動もたまには良いですよね。
金沢と和倉温泉を結ぶ鉄道は、JR七尾線とのと鉄道。移動では2つの列車に乗ることができます。







こちらはのと鉄道


そしてJR七尾線の列車
| - | 10:36 | comments(0) | -
大巻伸嗣 くろい家 真っ暗な闇の空間に現れる白い光の玉
千住の黒い空家を用いた芸術家大巻伸嗣氏の作品くろい家を見に行きました。
かつては鉄工所、居酒屋等で使われていたとかいう外壁が真っ黒の家。その中に不思議なアートが展開されていました。












真っ暗な闇の中に窓があり、その窓の上から白い光る球体が落ちていきます。
ゆっくりとした静かな時間。そして、時々上から落ちてくる白い球体。
場面は2つあり、一つは3階から見た窓。もう一つは1階から見上げる窓。
下から覗いたイメージはこんな感じでした。
真っ暗闇の吹抜け空間に渡された黒い梁。
その吹抜けの上部から光が射したかと思うと、白い球体が落ちてきます。しかもシャボン玉のようにゆっくりと。途中梁に当たって砕けるものもあれば、地面のたたき土間に落ちて噴霧上に砕けるものもあり。見ていて飽きませんでした。今我々はこの慌ただしくモーレツなスピードで流れる現代社会に巻き込まれて生きているわけですが、時代と共に生きてきた「くろい家」の中で「時」という感覚を思いださせてくれました。素晴らしい作品です。
| 建築・設計について | 09:10 | comments(0) | -
金沢ひがし茶屋町 美しい格子の街並み
金沢の観光名所のひとつがひがし茶屋町。何といいましても格子の続く街並みが綺麗です。江戸時代加賀藩のおひざ元、賑わった茶屋町。その町屋を今に残す地区です。多くのお店が入り、ひとつひとつ訪ねても楽しい。町屋なので、中庭があり、その趣も様々です。













粋な中庭が多い。


街が連続しているので、中庭から見たお隣さんの外壁がそのまま塀となり、囲まれた落ち着いた空間を形成します。
今の建売もこんなところを少しは見習った方が良いと思います。
互いが、互いを高めあう建築。良いじゃないですか。
| 建築・設計について | 09:43 | comments(0) | -
金沢市立玉川図書館 明るいルーバー天井と中庭を貫通するブリッジ
さて、内部の図書空間です。中庭側は大きなガラスの曲面開口。そして天井は蛍光灯の光を拡散させる明るいルーバー天井となっています。

天井は2層分で高く、丁度良いスケール感


こちらの棟は図書スペースのみで他の機能は無く、落ち着いて読書にふけれるよう考えられています。




玄関を入りますと、図書空間の真ん中に、事務所、集会室へとつながる階段・ブリッジがあります。


上がりたくなるような階段。


この通路というかブリッジは中庭を貫通していきます。
内部と外部がまじりあう面白い中庭がよく解ります。






先の棟には円形の出部屋があり、そこが喫茶コーナーになっていて、中庭を見ながらお茶が楽しめます。


ブリッジを振り返って図書空間を見たところ。


ブリッジを渡った事務所・集会・会議室棟の1階廊下部分。
右の開口部からは中庭を介して円形の図書スペースが見えます。


この廊下の先は公園とつながるガラス開口。


2階の学習室に上る階段手摺は谷口さんらしいシャープな手すりが付いていました。
1979年の建物なんですが、まったく古さは感じません。本物の質の高い建築だと思いました。
| 建築・設計について | 10:30 | comments(0) | -
金沢市立玉川図書館 落ち着きのある中庭を持つ図書館
煉瓦と金属の外観をもつ図書館ですが、中庭が実にすばらしい。
中庭と言っても建物の一部で、大きな鉄骨の梁が煉瓦の建物とコールテン鋼板の建物を結び、その間に設けられた空間で、どちらの建物から見ても自然との連続性が感じられます。

煉瓦の床が統一感をもたらします。
構造的にも必要なんでしょうが、梁が空中を飛ぶことで、2つに見える建物が一つであると認識されます。








内部からみても建物の一部では無くて、公園が建物内部まで入り込んでくるような感じです。
とても落ち着くスペース。
| 建築・設計について | 11:46 | comments(0) | -
金沢市立玉川図書館 谷口吉郎、谷口吉生親子で携わった建築
谷口さんの建築は、学ぶところが多く、いつも感動させられますが、この金沢市玉川図書館も良かった。煉瓦造りの専売公社工場を改修して近世資料館とし、その隣にコールテン鋼のシンプルな外壁を持つ図書館があります。この建築は谷口親子の唯一の設計です。掘りの深い重厚感がある煉瓦建築に対して、スパッと切れ味ある建物を並べたどちらも引き立つ外観。







図書館への入り口はいくつかありますが、ここが通りから入るメインの玄関。
コールテン鋼の四角いボリュームの中にステンレスの光る円柱が差し込まれ、その両側に対称に入り口が設けられています。低いエントランスは良いですね。


古文書館と図書館との間のアプローチ。古文書館にはこちらからのアプローチできます。
奥の左側には大きな開口があり、そこからが中庭


コールテン鋼の外壁と煉瓦造の外壁がここから上手いこと混ざりあいます。
中庭の床は煉瓦タイル。図書館の中庭に面する外壁は円形のガラスカーテンウォールになっていて、中庭と一体化するようなデザイン。


繋がりが感じられ、違和感が全くおこりません。落ち着いた中庭ゲート廻り


中庭には緑色の鉄骨の梁が内部から伸びてきて、この中庭を貫通して反対側の煉瓦壁に繋がります。
内部と外部を上手くつなげる中間領域としての中庭。内外をしっかりわけるのでは無くて、つなげていくように見せる。梁のデザインにはそういう意味も含まれています。
| 建築・設計について | 11:54 | comments(0) | -
上棟 西川材を製材し組み立てる大きな筋目の作業
建築現場の工程で上棟式というのは大きな筋目の時です。今回の建築では飯能の材木屋さん大河原木材の西川材を用いました。構造の図面をもとに木を伐り出し、柱梁に製材し、乾燥をかけて運搬。現場では前段取りとして土を掘り、コンクリートを打設し、土台を載せ、レッカーを据えて材の到着を待ちます。ここまでくるのには多くの人の手を必要とし、2次元の図面が初めて3次元に建ち上がる大切な筋目であるわけです。





製材されていく木材。乾燥させて図面に合わせ寸法や仕口加工を工場で行い、現場に持ち込みます。

昨日建て方でした。本当に天候に恵まれ、雨にもあわず、順調に組み立てがおこなわれました。職人さんは鳶さん、大工さんを含めて総勢25人。













柱を立て、梁を載せていきます。1階の床には構造合板を設置








ほぼ完成

これからも家を守ってくれるお守りは、最後、屋根の下にとりつけます。
| 建築・設計について | 08:17 | comments(0) | -
金沢21世紀美術館 常設展示も楽しい参加できる美術館
ただ、見るだけでなく見学者が自ら作品の中に身を入れて、その姿を見て他の人が楽しむ。そんな参加型の作品も多く展示されていて、気楽に美術作品にふれることができます。



屋外に置かれるカラー・アクティビティー・ハウス。光がまじりあうことで、景色が変わる体験型の作品




どこにでもあるプールも見方を変えると、なるほど楽しい作品に。






見ているだけで、ゆっくりとした時間を感じる作品も楽しい。
| 建築・設計について | 08:57 | comments(0) | -
金沢21世紀美術館 街に解放された美術館
もう金沢観光の目玉の一つとまでになった金沢21世紀美術館。いままでの美術館と異なるのは、訪れる人達が自由に鑑賞でき、どこからでも入れ、美術品を身近に感じることができることでしょう。美術品を見るぞーと言った気合を入れることなく、通り道にちょっと立ち寄るか的な気軽さがあります。
現代アートを身近に感じることができる白い箱。外界との境界をできる限り無くすガラスの壁と、実態を感じさせない曲面の全体像。自由に歩ける道としての通路。大きく放たれた中庭から入る光。外部にいるのか内部にいるのか、その曖昧さを求めた設計です。









どこを歩いていても、常に外が見えます。閉じられた美術館ではなく、外に開かれた美術館





| 建築・設計について | 11:18 | comments(0) | -
金沢海みらい図書館 海の中にいるような柔らかい光に包まれた図書空間
内部へと入ります。エントランスのゲートから内部に入ると、ガラスのシースルーエレベータ―があり、その廻りをぐるりと上に導く階段が待っています。総合カウンターはその右にあり、その奥は児童図書。



大きく開かれた明るい開口部からは外の芝生が見えます。白く明るい空間は子供達がリラックスして本を楽しめそうです。天井は構造体をそのまま表したもの。こうした格子状の床は格子部分が梁になっていて、柱を少なくして大きな空間を作ることができます。


蛍光灯を上手くデザインに取り入れた照明も何となく楽しい


そして階段やエレベーターで2階に上がりますと、2層吹抜けの大空間に出ます。階段とエレベーターが一つにまとまって円形の筒になり、それが大きな図書スペースにドーンと現れます。1階のエレベーターの入り口は入館者からその位置が良く分かるようにガラス貼り。2階から上はその存在が解らないように筒状にして表現。なかかな考えこまれたデザインです。
大きな光の箱を意識させる為、円筒の階段・エレベーターシャフトは屋根まで行かず途中で止まり、屋根を支える柱は、これまた存在感がないような細さです。これによって来館者は大きな光の箱の中に包まれたイメージを受けるわけです。
白い空間は、外壁がそのまま内部デザインとなっていて、丸い窓から柔らかい光が注ぎ込まれます。何だか海の中にでもいるような感じ。柔らかい光のみで包まれた図書館は、本に集中できる落ち着きがありました。


白一色の壁と天井、そこに本棚が並びます。本があくまでも主役。
清潔感があふれていて、さわやかな空間です。


3階へと上がる階段






世界のスーパーライブラリーベスト4他多くの賞を獲ったこの図書館。素晴らしい。
設計はシーラカンスK&H


丸窓のディテール。廻りを滑らかに縁とり、柔らかい光を出すための工夫が見られます。


1階には大集会も開けるホールも完備。


| 建築・設計について | 09:37 | comments(0) | -
金沢海みらい図書館 丸い窓が並ぶ外壁
金沢市中心街から海の方に向かってバスで10分ほどいきますと、白い建物が交差点のところに現れます。白いキューブが北陸の冬の曇り空にも映えます。



これは、金沢市の海みらい図書館。白いキューブの箱には丸井ガラス窓が規則良く並びます。光がどんな風に内部に入るのか、想像しただけでワクワクします。
ほとんどの壁が丸いガラスの壁ですが、広い芝生緑地方向には大きな透明スクリーンのガラス開口があり、視線は抜けていきます。


玄関庇は細い柱で支えられて、浮いているイメージ


外壁の材料は繊維セメント板に塗装です。丸い窓を漏水なしにきれいに収めるディテールは相当考えこまれた結果です。


エントランス
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金沢市長町武家屋敷跡 野村家 庭を眺める大きな窓
この野村家には茶室がありますが、それが2階なんです。普通は1階。茶室に入るまでの動線(道のり)は極めて大切で、茶室という一つの別世界に向かう中で、自然の景色を眺め自分の身を置くことで、綿密に計算された造園から大きな風景を想像し、こころを静める。それが2階になりますと、そこまでの動線は階段ということになりますかね。で、この階段が普通ではないところが面白い。

茶室へと向かいます。


壁をとってしまえば、自然の中の石階段


美しい庭が見えるように開口部は大きくとられています。
こちらは、腰掛もあり、ここから庭を存分に楽しめるようになっています。




和室の床の間は、紅葉の1枚板


天井は初めてみましたがその風合いを楽しむために、桐の板の上に神代杉という土の中に長い間あった杉を貼ったもの。そこに緑松の竿が入っています。茶室は主人の好みなので、いろいろな材料が楽しめます。
| 建築・設計について | 08:54 | comments(0) | -
金沢市武家屋敷跡野村家の庭園
金沢市の長町武家屋敷跡は、いまでも多くの市民の家ですが、その中で野村家だけが、内部を公開しており加賀藩藩士の格式ある様式を体験できます。その野村家のなかでもお庭は評価が高く、水を引き込んだ庭園は縁側すぐ近くまで持ち込まれ、自然美豊かな物となっています。

玄関の敷石。これを見ただけでも、野村家の藩における地位がわかります。


縁側が廻る座敷を囲い込むようなお庭
大野庄用水の水の流れを敷地内に引き入れ曲水としています。
家の中に川の一部を取り込む日本庭園の素晴らしい知恵と技術が生かされます。


縁側のすぐ下まで水が引き込まれ、水の上に建物が浮いているようにしています。内部から見ても、舟にのって外を眺めるような感じがします。
石や灯篭、樹齢400年の桃やいろいろな野趣のある樹木を取り合わせながら遠近感を表現。拡がりを感じる庭となっています。




| 建築・設計について | 10:30 | comments(0) | -
金沢長町武家屋敷跡 冬の風物詩 薦(こも)掛けの土塀
金沢市内にある長町武家屋敷跡は、加賀藩時代の藩士の家が残っている場所で、いまでも市民が住んでいます。綺麗な土塀があり、その塀を冬の雪や凍結かえあ守る為に薦(こも)が掛けられるのですが、それが続く風景がまた美しいのであります。
長町という名の由来は、前田家の重臣であった長氏のお屋敷があったことから残っているそうです。

大野庄用水に沿って設けられた土塀


この用水は、金沢城普請の際の木の運搬にも使われたそうです。土塀の下の石は金沢城と同じ戸室石




細い石畳みの街並み


塀の高さや瓦、杉板等仕上げが違うのは、当時の武家の身分によって変えられているからだそうです。




今も大切に使われているお屋敷
| 建築・設計について | 12:04 | comments(0) | -
金沢駅もてなしドームと鼓をイメージした鼓門
北陸新幹線の開通でぐっと近くなった金沢。観光客でにぎわう金沢の玄関口となるのが、JR金沢駅です。原広司さん設計の京都駅もすごいですが、こちら金沢駅も負けてはいません。この新しい駅ができる際、まず最初に鼓をイメージした巨大なモニュメントでもある鼓門が登場した際には金沢市民からはかなりの酷評だったそうです。それから大きなガラス屋根がかかり、全体像ができ、アメリカの世界の美しい駅に選ばれ、文句を言う人はいなくなったと聞きます。確かにこれだけ多くのガラスを用いた駅もないし、そのガラス屋根の先にそびえる木製の門も他にはありませんね。

近くによるとその巨大さが解ります。逆に言うと、ガラス屋根のドームが桁外れに大きいのです。





駅には金沢の伝統工芸品があちらこちらに飾られたり、はめ込まれたりしており、見て歩いても楽しめます。
| 建築・設計について | 09:02 | comments(0) | -
谷口吉生 京都国立博物館 ブリッジでつながれた展望スペースから三十三間堂、明治古都館をのぞむ
さて、国宝をはじめ多くの貴重な展示を鑑賞したあと、この2階の展望スペースに行ってみます。吹抜けエントランスホールの上にかけられたブリッジを渡ります。

透明感のあるガラス手すり




その先の開口部はガラスカーテンウォールですが、このテラスから見える部分は透明になっていまして、廻りの景色を見ることができます。


玄関から真っ直ぐに伸びるアプローチの軸の上にこの開口部があるので、右手に旧本館である明治古都館、そして軸の奥右手には三十三間堂の屋根を見ることができます。
大きくはね出した、フラットな金属の庇ラインが絵の額縁のように風景を捉えます。丸亀市猪熊弦一郎現代美術館も街に対してスリット開口が設けられていましたが、この手法は見る人に建物と外部環境を意識させる素晴らし手法だと思います。



振り返りますと、こんな気持ち良い空間


エントランスに続く障子をイメージするガラスカーテンウォールのホールへと降りていきます。
淡いベージュの大理石の大きな壁を照らすトップライトが効いています。


見事な建築でした。
| 建築・設計について | 09:05 | comments(0) | -
谷口吉生 京都国立博物館 教会のような光が射す吹抜けのあるエントランスとシンプルで透明感のある階段
天井の高さを抑えたエントランスの風除室を通り抜けますと、大きな吹抜けのあるエントランスホールが待ち構えます。静かで、空気が引き締まる教会のような空間。無駄なものは一切なく、大きな箱の中に透明な階段、2階の渡り廊下が組み込まれ、上部ハイサイドからの光と、エントランス側の障子的なガラスカーテンウォールからの柔らかい光で満たされます。

吹抜けのある大きなホール


エントランス側の柔らかい光
浮いているような2階ブリッジとそれを支える円柱
普通図面で考えますと、これだけシンプルな構成になると、できた空間もなんか物足りなく思ってしまうのですが、それが違うんです。考え抜かれた空間構成、プロポーション、材料の選択、材料の色、光の採り入れ方、見せ場の階段のシャープなディテール。どれをとっても洗練されたものの集まりなんです。茶室ではないですが、簡素であればあるほど難しい。その域まで達した空間ではないかと思いました。






2階のブリッジ。このブリッジがあることで、1階の大ホールにめりはりができます。



シンプルで美しい階段





軽快感と透明感を携え、無駄な線を極力抑えた究極のミニマリズムの階段
| 建築・設計について | 10:40 | comments(0) | -
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