冨田秀雄の設計日記

家づくりへの想い、考え、そして私的な内容を綴ったブログです。
アルヴァ・アアルト フィンランド国民年金協会  三角の土地に建つ煉瓦と銅板によるオフィスビル
フィンランドヘルシンキにあるアルヴァ・アアルトの設計によるオフィスビルです。
敷地は丁度建物に挟まれた3角形の敷地で、正面に公園とその先の海を臨む環境に計画されました。いくつかの棟を分節化し、地下通路を巧みに使いながら、変化に富んだオフィスビルになっています。
これが環境写真
実にうまく三角の土地に納まっています。道路側は閉鎖的、公園に向かってはオープン

模型による配置計画 公園からは、中庭を介して繋がります

全体模型

アルヴァ・アアルトによるスケッチです。



完成当時の公園側からのファサード写真 こちらからはヒューマンスケールでのアプローチになるように、通路両側の建物を低くしています。


外観は煉瓦と横連窓の開口部による構成


道路側から見て左側のピロティーを持つ建築ゾーン


正面玄関の壁面

2階の開口部上部に銅板葺きによる重厚感のある庇が付きます。ここが正面玄関であることを表すサイン


上部は煉瓦による外観で、低層部は銅板による重心が低い重厚感を感じる外観


そして重い扉が迎えてくれます。
| 建築・設計について | 08:07 | comments(0) | -
オタニエミ工科大学(アアルト大学)扇形の大講堂の屋根は学生の憩いの場
さて、この大講堂ですが、外観はこのように煉瓦の壁がくりぬかれたような形で、ホールの天井に合わせて外部も階段状にせりあがっています。丁度キャンパスの緑の芝が良く見える位置なので、ここは学生たちの憩いの場にもなっていました。

敷地の段差を利用して水平ラインが生かされた緑の庭が壇状に続き、その先に特徴的な扇形のホールが見えます。






キャンパスはほとんどが、煉瓦の外壁。とても統一感があり、落ち着いたキャンパスです。


その中で建築学科のみが、白い大理石が貼られています。これには賛否両論あったようです。

| 建築・設計について | 08:02 | comments(0) | -
日比谷公園がドイツになる。オクトーバーフェストでビールを楽しむ
ちょっとフィンランドを離れて旬な話題を。
ドイツのビールの祭典オクトーバーフェストは有名ですが、この日本にもドイツのビールメーカーが店を出して同じビールの祭典?(飲み屋台)が日比谷公園で行われています。本来は10月ですが、気候の良い日本のこの季節にはビールがぴったり。非常に沢山の人達が集まってビール瓶を片手に楽しく語らう姿は、とても幸せそうで、こちらも見ていて楽しくなりました。



いろいろなビールを楽しめます。ビールジョッキーは、ある店でビールを入れてもらい、そのまま次の店でも使えます。最後に空になったものを返すシステム。何倍でも満足いくまで楽しめます。




人が会場に収まらないので、公園一杯に広がって皆それぞれ好きな場所でビールを楽しんでました。
学園祭のようで楽しいひと時を持てました。


公園の前の村野さんの秀作日生劇場を見て帰りました。
| 建築・設計について | 07:36 | comments(0) | -
オタニエミ工科大学(アアルト大学)講堂 白い壁、天井と光 アルヴァ・アアルトの世界
柔らかな壁や天井で囲まれた胎内にいるような世界。
そんな事さえ考える講堂の内部です。
曲線で構成させた空間は優しく、聴衆を包み込みます。段々になった天井には梁と梁の間にハイサイドライトが設けられていて、内部を明るく照らします。この時期は明るすぎるのか、ブラインドで光を調整していました。
そのハイサイドライトに合わせるように壁にもひだが設けられて、間接照明が壁を照らします。

構造と機能、意匠が一つになった美しい天井












引き出し式のデスクを組み込んだ椅子
| 建築・設計について | 09:50 | comments(0) | -
フィンランド オタニエミ工科大学(アアルト大学)本館 扇型大講堂  1、2階を繋ぐ階段の真鍮と木の手すり
オタニエミのキャンパスは、赤い煉瓦タイルによる統一感がある落ち着いたキャンパスですが、その中の中心となるのがこの大講堂。四角い建物が並ぶ中で、その扇の形をした講堂がまさに中心的な位置を占め、キャンパス全体を引き締めています。1949年のコンペ勝利のあと、1976年まで随時増築され、今の全体配置となっています。

キャンパスの中心的存在の大講堂外観

さて、玄関から中に入ります。入り口部分もかなりデザインされたもので、建物と外部との接点には相当設計の時間をかけたのではないでしょうか。


扉、取っ手、フレームと一体化した照明と、この玄関デザインはシャープで存在感があります。


中に入ると大きなホールがあり、その正面が学生カフェになります。
扇形の大ホールに合わせて、このエントランスホールの壁も曲面の構成



大きなホールを絞めているのがこの階段部分のディテールデザイン

丸いダークブルーのタイルと木のシャープな竪格子によるデザイン。その壁のむこうに階段の白い段が見えるというもの。


さらに2階に上ったところの手すりデザインが素晴らしい。
真鍮と木をうまく使いこなした秀作です。木を曲げるには相当と技術がいりますが、金物ですと普通に加工できるので、金属の持つ特性と木の持つ優しさをうまく繋げた手すりデザインとなっています。




2階ホールのホワイエ
天井の円形トップライトはまさにアアルト




曲面壁は、木製パネルで、そこは学生の作品発表の場にもなります。
そして内部のホールへ
| 建築・設計について | 09:00 | comments(0) | -
フィンランド オタニエミチャペル 森の中の十字架 ハイブリッドでシンプルな架構
三角屋根の大きなハイサイドからは光が礼拝堂の中に注ぎ込みます。
屋根を支えるのは木と鉄の斜材によるハイブリッドなトラス構造。細い部材で繊細な感じです。
壁は煉瓦造でその上の屋根が木造というシンプルな形態





大きなトラスを繋ぐ横の部材が無いので、実に明解でシンプルに見えます。これも地震が無いからでしょうね。
トラスの間に貼られた天井板は松でしょうか。細い材を用いたことで、方向性が強調されて、目線も自ずと先の大開口に流れていきます。



大きなハイサイドライト

そして森に開かれた大開口
その森の中に象徴的に建つ十字架




太陽の位置を計算し、丁度太陽の光が十字架を照らすように配置されています。
そして森をバックに建つ十字架
余分なものを全て排除した清らかさ、考え尽くされた配置・平面計画
シンプルなだけに、訪れた人の脳裏に鮮明にこの映像は残ります。
建築家安藤忠雄氏設計の水の教会もこの礼拝堂からインスピレーションを受けたのではないでしょうか。


祭壇もいたってシンプルです。徹底した概念で貫かれている素晴らしい建築ではないでしょうか。
| 建築・設計について | 07:21 | comments(0) | -
フィンランド オタニエミチャペル 煉瓦と木のシンプルな礼拝堂
オタニエミ工科大学(アアルト大学)は、建築家アルヴァ・アアルトが1949年の全体計画コンペで勝利した総合大学ですが、その学生の為の礼拝堂があります。設計はフィンランドの建築家カイヤ&ヘイッキ・シレン。
煉瓦壁で囲まれた四角い領域の中にシンプルな四角い礼拝堂が配置されています。

壁の開いたところからアプローチします。


壁を超えて正面を向くと、そこが入り口



建物は煉瓦の壁でかこまれ、そこが祈りの領域であることを示唆します。


大きなガラス面があり、そこから内部に沢山の光が注ぎ込みます。


壁で囲まれた中の領域




内部と外部の領域であり、心を静める装置でもある中庭です。


入り口から見えた四角い塔は鐘を鳴らす塔でした。

そして内部へと向かいます。



暗い廊下を進むと、この祈りの場が現れます。
シンプルな構成でありながら、人に感動を与える建築です。
| 建築・設計について | 09:08 | comments(0) | -
アルヴァ・アアルトの自邸 日光浴もできる広い2階テラスのある家
アルヴァ・アアルトの自邸2階に昇ります。

この階は、プライベートな階。子供2人と主寝室、ゲストルームから構成されていて、各部屋の中心には家族スペースと言いますか、家族が集まれる暖炉スペースが設けられています。個室はコンパクトに納め、ちょっと扉から出ると、広い家族スペースがあるので、狭さなど全く気になりません。日本でも子供部屋をコンパクトにまとめ、読書するスペースなど共有できるスペースを設ける手法がありますが、考え方は同じですかね。やはり暖炉は心の拠り所なんですね。火を見ながら時間を共有するのは、我々人間のDNAに刻まれている事ですから。







回遊する廊下には丸井トップライトが見えます。



主寝室にはウォークインクローゼットがあり、そこにも天井にトップライトが設けられています。


低い太陽高度からの光が部屋の中まで入りこみ綺麗です。



楽しい回転式のペンダント照明。こんな照明がほしい。


そして大きなベランダテラスがあります。
思いっきり開放的なテラス。
景色も良く、日も十分に当たります。日光浴にも最高

手すりも太く安心感があります。




テラスでくつろぐアアルトの家族写真


最後は階段詳細です。
蹴上が少なく、踏面を大きく、緩やかで昇り降りが楽な階段でした。これはアアルトのアトリエでも同じ。階段の移動はとてもスムーズです。




握りやすく、暖かみのある木の手すり


自然を愛し、自然と共に生きる。アアルトの自邸は既に完成して80年という歳月が流れますが、現代でも十分使える機能性と美を兼ね備えた家でした。
| 建築・設計について | 11:19 | comments(0) | -
アルヴァ・アアルトの自邸 優しい家具の置かれた暖かいリビング・ダイニング
アルヴァ・アアルトの自邸の平面図です。

玄関を入って右がパブリックであるアアルトのアトリエ。左がエントランスホールを介してつながるプライベートな自邸となっています。
庭側には開口部一杯にリビング・ダイニングが配置され、それに続くように外部のピロティーを利用した屋根付き屋外ダイニングが配置されています。
右側のアトリエとリビングは可動間仕切りでつながりますが、そこに3段床段差を設け、自邸とアトリエが気分的にも少し異なるようなしつらえをしています。

1940年台の住まいの様子
室内にも多くの観葉植物による緑を植えていました。冬の外の白一色の世界に対して室内は暖かく、緑を感じるスペースにしていたことがわかります。
暖かさを感じる佇まいですね。


これは3段ほど床高となっているアトリエからリビングを見たところです。
手前がリビングで、奥がダイニング。リビング左の壁には暖炉があり、暖炉を中心にアアルトの設計によるソファーや椅子、テーブルが並びます。
奥のダイニングとは大きな開口で繋がりますが、ちょうど見える正面のダイニングの壁の素材を変えることで、続きの部屋ですがまた違った雰囲気をそれぞれ楽しめます。


庭側には大きな木製サッシの開口部が設けられていて、自然をできる限り内部に取り込もうとしているかのようです。サッシの下にはお湯が通る暖房機が配置され、窓からのコールドドラフトを防ぎます。


奥のダイニングからの見返し。アトリエとの段差が解ります。アトリエと仕切る扉は壁と同材で、閉めれば木の壁になります。


家具は全体的に低く抑えられていて、重心が低く安定しています。天井からのペンダント照明も非常に低いところまで下ろされています。暖炉とこのペンダント照明が下がる位置が、リビングの中心。
座った目線で見ますと、地面が近くなるので心が落ち着きますよね。これはとても大切な事です。


暖炉廻りはアアルト設計のインテリアでまとめられています。


写真台や、ブックシェルフになる棚。柔らかい有機的な腕はアアルトデザインの特徴


奥のダイニングスペース
扉は、屋外ダイニングに繋がる扉で、その左にはキッチン、廊下と区切る家具が置かれます。ここの一面の壁は、アトリエ側の壁と対をなしますが、木の竪ラインが入るダークブラウンの壁になっています。


大きな開口部の右の扉は、庭と繋がる扉。
いつも外部の自然の中に飛び出せるように庭に対して各スペースに扉が設けられています。外と繋がるという考え方は非常に日本的


木製サッシの太い枠がそのまま額縁となり外の景色を切り取ります。
こんなサッシが私は大好きで、良く設計にも使っています。


廊下、キッチンとダイニングを区切る造り付け家具
廊下からもダイニングからも使えるようなシステム収納
がっしりした枠組みはどこか懐かしさを感じるもの。
ガラスケースの中のスチールの人形は、アアルトのお友達の作品でアアルトの自画像だそうです。アアルトお気に入りの一品だとか。

奥にあるキッチンスペースです。

| 建築・設計について | 09:06 | comments(0) | -
アルヴァ・アアルトの自邸 暖炉がある2層吹抜けのアトリエ
自邸とアトリエ。プライベートな自邸とアトリエは1枚の可動壁で区分されていますが、まずはアトリエから。1936年完成のこの家は、アアルトが自邸として設計した最初のものです。
玄関入り、右手にいきますと事務所の向こうにアトリエがあります。2層分の高さがあり、2層目はアトリエバルコニーと呼ばれました。

当時の写真。明るい光が大きな開口部から差し込み、外部へと視界はコーナーサッシからとる。一つの部屋ですが、閉じたり開いたりしている場があります。


製図をする所員の席の部分には高いところに大きな窓を設け、空の景色と光を採り入れます。ここでは集中して図面と格闘し、作図に取り組むことができそうです。景色などは見えませんが自然を感じながら閉じたスペースと言えるのではないでしょうか。


全てが吹抜けの高い天井ではなく、L字にアトリエバルコニーが廻りこんでくるので、空間にメリハリが付き、落ち着いたスペースとなっています。このアトリエバルコニーの意味は深い。
奥はアアルトの席で、天井は低くなりますが、横長のコーナーサッシによって景色が額縁のように切り取られ、視界が外部へと気持ちよく抜けていきます。
ちょっとした気分転換に2階に上がると、そこからは大きな開口を介して外の自然を眺めることができそうです。


アアルトはよく絵画を描いていました。その作品が並びます


奥のコーナーサッシのあるアアルトが座るスペース。外に開いたスペース


その左奥には、庭に出ることができる扉があります。敷地高低差を上手く利用して材料も変えることで、外と内を繋ぐ緩衝帯のようば場を作っています。


そして振り返るとこんな感じ
右が事務所からの出入り口で、階段上って左正面がアアルトの部屋
2階アトリエベランダに昇る階段は暖炉を囲むような形になっています。


煉瓦でつくられた暖炉と一体化したアアルトの部屋に至る階段。ここはしっかりとした重量感のある素材で彫刻のように造り、2階アトリエテラスへは、軽い木の階段が取りつくという造形
視界の抜けとアイストップとしての暖炉が上手く取り合っていてぐっと落ち着く空気感が醸し出されています。


ステップを上がったアアルトの部屋からのアトリエを見たところ
| 建築・設計について | 08:30 | comments(0) | -
アルヴァ・アアルトの自邸 木と煉瓦とコンクリートによる素朴で流行を超えたデザイン
アルヴァ・アアルトのの自邸です。大きなアトリエ事務所ができるまでは、この自邸が、家族の家であり、事務所でもありました。1936年の完成。アアルトが建築に課した必要条件は、「建築における唯一の目標は自然に建てるということだ。やり過ぎてはいけない。正当な理由が無い限り何もすべきではない。余分なものは全て時間と共に醜くなる」ということです。
さて、入り口。建てた当時は自然が多く残る場所で、2階からは海が見えたそうです。道路側からは、完全にプライバシーを守る壁で覆われています。一方反対側は大きく開口部が設けられて外部に開いています。

道路側外観


手前右がガレージ。そして壁の入り隅が玄関扉
白い煉瓦ブロックの壁、細い木板の壁で構成されたシンプルな外観
窓が少なくほとんどが壁で構成されており、その壁の素材感が引き立ちます。


数段の石の階段を昇り、玄関扉へと導かれます。
建物をぐるりと右に廻ってみますと

大きな開口部が現れます。
これは2層吹抜けのアトリエにある大開口。角の開口部はアトリエ一番奥にある、アアルトの席があるところ




そして大きく開いた面になります。開口部はリビングの窓

右のピロティーは、屋根付き屋外ダイニング。ダイニングからの扉があり、ダイレクトに繋がります。気もち良い空気の中で家族と摂る食事。想像しても楽しいじゃないですか。


左の白い外壁の部分がアトリエ事務所で、右がプライベートな住居部分
その2つの要素を2階のテラス、リビング大開口が繋ぐ構成。2階の大きなテラスは夏の太陽を一杯浴びる日光浴も楽しめます。
1階の大きな開口部は、左2つがリビングで、扉を挟んで右がダイニングの開口
扉がいくつかありますが、常に外部の庭に出られるように考えられています。左白い壁のアトリエにも扉がついています。アトリエからも気分転換に庭に出られます。外とのつながり、自然との一体感を本当に大切にしています。


どこか船、ヨットをイメージさせる形態です。日本のお寺に行きましても、広間から日本庭園をのぞむ時、あたかも舟から水面を眺めるように考えられていますが、このアアルトの自宅もどこかそのような感じを受けました。


目の前には学校の校庭があり、視界はいまでも拡がっています。


細かい木の外壁は繊細


周りの樹木と溶け込む木の外壁


全体模型です。
| 建築・設計について | 10:30 | comments(0) | -
アルヴァ・アアルトのアトリエ 白い曲面壁で囲まれた中庭
アルヴァ・アアルトが描いたこのアトリエのコンセプトスケッチです。

階段を昇って下の長方形が製図室そして直角に曲がった左の部分がアトリエ
アトリエの壁は曲がり、製図室の壁と共に囲むような空間を作りそこを中庭としました。そこは中心があって渦を巻くように次第に床面が下がり、屋外ステージにもなります。アトリエの内部からこの中庭を見た時のアイストップとなる壁も重要です。現在は、このアイストップの壁の部分に食堂があります。地面の傾斜を最大限生かした設計です。

白い壁。建物を右側に向かって進みますと、中庭となります。


地面が、アトリエの方向に向かって上がっているので、アトリエは2階なんですが、地面に近くなっているのです。


左の高窓があるのが製図室。右が曲面壁のアトリエ


アトリエの壁は、サッシの下が波が打つようにギザギザ模様になっています。


基礎コンクリートと煉瓦の境界


廻りこみます。右は道路境界に沿って設けられた壁。建物との間にこれだけのスペースをとっています。開口部が見えるのは、トップライトのあった会議室




食堂ができる前の当初の平面図
流れるような平面形態がそのまま奥行の深い空間を創り出しています。
| 建築・設計について | 08:50 | comments(0) | -
アルヴァ・アアルトのアトリエ 柔らかい布天井がある家庭的なダイニング
もう一度1階のエントランスホールに戻ります。階段を下りてきて玄関を見たところ。

右側には事務所受付スペース。奥左がトイレとクローク
そして手前左には昔食堂だった部分があります。

事務所員のダイニングは増築されてさらに奥に作られました。
さて、この部屋の開口部に注目
まっすぐな窓ではなくて、光が射す方向にギザギザにデザインされた窓で、最大限光を採り込むことができます。


その部屋の奥に洞窟のような通路が


やわらかい曲面壁に沿って一旦白い廊下を通り、ダイニングに入ります。
仕事モードから一旦気持ちを入れ替えてリラックスできる食事スペースへと誘います。



ダイニングスペース
白い部屋に木の家具。そして天井には柔らかい布が貼られ、暖かい家庭にいるような雰囲気。気持ちが緩んで、リラックスできるスペースです。


この一番奥がアアルトが座る席


一番奥の席から入り口を見たところ
部屋は長方形ではなくて、台形になっています。その為かしこまった固さが無く、流れるような柔らかさが感じられます。
こうして少し壁をずらすことで、人の感情にはまったく違う感覚を生み出すことができるのです。


キッチンとダイニングを区切る食器棚
勿論アアルトの設計

| 建築・設計について | 09:01 | comments(0) | -
アルヴァ・アアルトのアトリエ 中庭を囲むアトリエ 優しい木立を連想させる曲面壁を持つ天井の高いアトリエ
そして奥に行きますと、ドーンと視界が開けます。見入ってしまう高質な空間登場。高い天井、大きく外に開かれた開口部、曲面の壁とその壁に注ぎこむ明るい光のシルエット、沢山のペンダント照明の架かった彫刻的な壁、斜めに切れ込んだ階段。ウーン見るところ満載のアトリエです。

右の壁がカーブしているがゆえに奥行感と拡がりが感じられます。
そして右側にはカーブの壁に設けられた大きな窓。

その窓からは、芝生の中庭が見えます。壁と建物に囲まれていますが、丁度すり鉢状の形をして、奥に行くほど地面が段々に下がっていきます。
ここは、自然を感じる中庭であり、古代の屋外円形劇場にも見えます。

内部を2,3歩進みますと、右奥の高い曲面壁に、ハイサイドライトからの光が当たる劇的空間が現れます。





開口部の高さや大きさは方位、季節を十分考慮され、採りこまれた光は曲面壁を時と共に変化しながら明るく照らし出します。
この曲面の壁は、森の木立を連想させます。
柔らかい葉っぱのイメージと垂直に立つ白樺の幹
このアトリエをはじめヘルシンキの廻りの森には白樺が連立して生えていますが、そんな景色と繋がるような美しい壁です。まさにヘルシンキにあるアアルト独自の空間であると言えます。



壁はただの曲面ではなく、断熱材を入れ込んだクロスのような柔らかい素材
断熱と吸音を兼ね備えています。

曲面壁の断面スケッチ


そして左奥のコーナーに目をやりますと、ここにはアアルト設計のいろいろな形をしたペンダント照明がオブジェのようにぶら下がっています。


いろいろな形をしていますが、こうしてまとめて見ても違和感がありません。同じ設計者によるデザインなので、その根底に流れる人の優しさが皆現れ、全体として統一感があります。
多くの照明もデザインしたアアルトですが、こうして検討しながら、ひとつひとつその建築、その場に合ったデザインを模索していったわけです。


オブジェのような装置の壁面を上から照らすトップライト。沢山のスタディーの中から選ばれた有機的な形状。この時間帯は壁に光は当たっていませんが、日と時間によってこの壁に美しいシルエットが浮かぶのでしょうね。


そして足元の流れるような階段
柔らかい曲線が木の素材を合いまったデザイン階段
木のフローリングを用いなくても、階段の段鼻と巾木に木を用いることで、固い素材の印象から柔らかい優しい素材の印象に変わります。もう一度そのような目でこのアトリエを見渡してみますと、木を使っている部分はほんの少しにもかかわらず、頭の中には木の素材感が残り、木の空間のようなイメージができていました。なかなか勉強になります。


この階段からアトリエの入り口を見返した写真


アアルトが写るパネル写真
このアトリエは施主へのプレゼの場をはじめ、新しい試みの試作や検討、実験の場、静かに建築を考える場や会議の場として使われた建物の肝なんです。
| 建築・設計について | 07:27 | comments(0) | -
アルヴァ・アアルトのアトリエ 光が注ぐ明るい製図室と間接光が照らす壁が美しい打合せ室
フィンランドの冬は長く、暗いのです。国の人達は、太陽にあこがれ、ひたすら長い冬を室内で耐え、太陽が輝く5月からの夏を精一杯楽しみます。ということで光はとても大切なんです。製図室にも大きな開口部が天井一杯に開けられ、明るい光が製図版に降り注ぎます。いわゆる固くて冷たい事務所ではなく、家にいるように暖かく、リラックスして物が考えられるようにしつらえたのがこの空間

天井面には照明器具や、換気扇など設備機器はなく、スキッとした白いプレーンな面が拡がります。照明は手元のスタンドの他に壁から天井を照らすスポット照明が所々に配置されています。夜は天井からの反射光もあり、柔らかい光の中で仕事に集中できそうです。

ヘルシンキでは、事務所においてほとんど窓を開けないそうですが、このサッシにはちゃんと換気窓も設置されています。
連窓の開口部の下の縦長の扉が換気窓

上部の大きな開口部には、枠の下に穴が開いていて、そこにレバーを差し込み大きな窓も内側に開くそうです。ただ、これはガラス掃除の為のものだそうで、通常は閉じているとのことでした。空気が乾燥しているので、ジメジメ感は全くなく、通気をとらなくてもすがすがしく暮らせるようです。この湿度は日本と完全に異なるところですね。




家具や取っ手の試作品、外壁で用いられた煉瓦ブロックが並びます。






ブロックは、外壁が局面をなすフィンランド共産党本部の文化の家で用いられたもの



そして会議室
ここの壁は斜めになっていて上から間接光が入るという光壁
ここに図面やスケッチを貼って、施主にプレゼンテーションをしたということです。こんなプレゼされるとまいりますね。





横の壁には図面ケースが並べられていました。
| 建築・設計について | 07:09 | comments(0) | -
アルヴァ・アアルトのアトリエ 光へと導かれる人に優しい階段
アルヴァ・アアルトのアトリエの玄関扉を開けますと、正面に階段が見え、2階からの明るい光が白い壁に反射して降り注いできます。
天井と壁は白、床は赤い煉瓦タイル。正面の壁はテクスチャーを感じることができる煉瓦ブロックに白く塗装されたもので、落ちる光によって厚みのある質感が伝わります。



玄関入ってすぐ右には、コート架けとその右がトイレスペース

階段を昇ります。

正面に置いてあるのは、アルテックの移動テーブル。勿論アアルトの設計です。


右上の開口部から明るい日差しが入り、反射してきます。


階段上部の壁から建つ照明も植物の花のように有機的で美しい
上がった正面の部屋は打合せ室です。明るい間接照明の壁が迎えます。


手すりもこのような柔らかい人に優しいデザイン


階段見下ろし。見下ろすと床は赤いタイルですが、先端の木が見えるので、はっきりと階段が認識されるので降りる際、危なくありません。


階段を上がって振り返りますと、作業デスクや模型が並ぶ事務所となります。


ハイサイドライトから燦燦と入る光ですが、太陽高度が低いので、奥まで光が届きます。


階段のディテール
階段の踏面の先端は、木製。蹴上も木が入り、その下は白い塗装という構成
これにより、赤いタイルも蹴上の木もはっきりと認識ができます。しかも自然素材なので、人に優しい
| 建築・設計について | 07:20 | comments(0) | -
アルヴァ・アアルトのアトリエ 白い壁で囲まれた静かなアトリエ
今回の建築視察は、北欧の建築家アスプルンドとアアルトの建築を中心に建物を見学するのが目的でしたが、まず訪れたのがフィンランド建築界の巨匠アルヴァ・アアルトのアトリエです。1954年から55年にかけて造ったもので、自宅での設計事務所スペースが手狭になり、自宅近くに新たなアトリエを設けました。この時、多くの公共建築、大型の物件を抱えていたので、多くのスタッフと作業スペースが必要になったからです。
道路に対して、白い壁で囲まれた静かな閉鎖的な外観



木陰が白い外壁に映り、絵のような美しさ


白い壁を回り込むようにして入って行きます。


コーナーの壁にある表札


そして下っていきます。


建物側から道路側を振り返ったところ。


壁は一度切れて、内庭に続きます。そして木のガレージの扉

開口寸法が大きいので、斜め材で吊った扉
所員はよくこの中で、模型製作をしていたそうです。


玄関扉 暖かい木の扉です。扉に付く取っ手は、同じ形をしたものが縦に2連で付いています。少し斜めにずらしたフォルム。握りやすい形状であり、しかも力を感じる取っ手です。


シングルの取っ手。人が建物に最初に握手を交わす大切な部分。なんとも言えない柔らかいフォルムで人を迎え入れます。この取っ手を見たらアアルトの設計した建物と解るぐらいのトレードマークでもあります。
| 建築・設計について | 10:53 | comments(0) | -
ヘルシンキ中央駅 軽快なガラス屋根の架かる外にいるようなプラットフホーム
ヨーロッパ各地に繋がる鉄道のホームの屋根は、軽快なガラス屋根になっています。エリエルサーリネンは設計時にガラス屋根を描いていましたが実現せず、1995年コンペにて勝利したエサ・ピーロネンのデザインで2000年に完成しました。軽快な鉄骨フレームと真っ直ぐ伸びるガラス開口部。実に美しい。

軽く、シャープな感じが、重厚な駅舎と対比関係にあって、駅舎からこのプラットフォームに出てくると、パッと視界が開け、まるで外にいるような感じを受けます。




地震が多い日本では、免振構造でもしない限りなかなかこのような繊細な屋根はできずらいのですが、この軽快な感じが出せると、もっと駅舎のイメージが変わりますよね。






駅舎本体との接合部も違和感なく、スムーズに繋がっています。
優れたデザイン力を感じました。
| 建築・設計について | 11:02 | comments(0) | -
エリエルサーリネン フィンランド ヘルシンキ中央駅 宝石のような手作りの美しい駅舎
ヘルシンキ中央駅は多くの国や地方からの線路が集まる終着駅ですが、地下鉄も通りまさにヘルシンキの交通の要になっています。朝、夕の利用客も多いのですが、アナウンスなどほとんど無く、静かな雰囲気なんです。高く大きなドームの空間に囲まれたこれぞ駅という感じ。大きく放たれた開口部からは、市民が待ちに待った夏の光が注ぎ込みます。



寒冷地なのでガラスが2重になっているので、光も柔らかい感じ


ドーム開口部回りの装飾は、アールヌーボーの有機的で優しいデザインです。


こちらは、切符売り場の出入り口


細かな細工の施された美しい開口部


細かなデザインには職人技が冴えます。古典主義からの脱却を計り、フィンランドらしい流れを作り出そうと、サーリネンは、コンペ勝利後、大々的に変更をかけたそうです。


長距離列車の切符売り場 みどりの窓口的なところでしょうか。
貴族サロンのような佇まいです。


大きな樹木が手を伸ばしたような装飾された柱と梁。


突き当りの壁もまた見事な芸術品です。


こちらは、コンコースへの出入り口






通り抜けたところが、プラットホーム一杯に拡がる内部のコンコースとなっていて、ここの出入り口からプラットフォームに出ます。
しばらくの間、プラットフォームには屋根が無かったので、この長いコンコースが待合等に使われました。それにしても立派な建物です。
| 建築・設計について | 09:45 | comments(0) | -
フィンランド エリエルサーリネン ヘルシンキ中央駅 ナショナルロマンチズム建築の傑作
フィンランドの首都ヘルシンキを訪れました。4月末までは、冬のような寒さだったようですが、5月に入り一気に気温が上がり、北欧の地にも夏が訪れたようです。北欧では暗い冬と明るい夏があり、冬は殆ど太陽が昇らない日もあり、精神的にもかなり辛いのですが、逆に夏は日が長く、この5月ぐらいからは夜10時まで明るかったです。街の人は5月からの夏の到来を身体全体で喜んでいるようでした。
さて、そのファインランドの首都ヘルシンキの中心にこの駅があります。
写真奥の塔がある建物が駅舎



駅正面の外観。大きなガラスのドーム。水平な駅舎に対して垂直を強調した高く伸びる時計塔。ドームの脇を固める球体照明を持つ人物像。これらデザインは、ナショナルロマンチズムの造形とされます。19世紀までは都市計画としてギリシャ・ローマの新古典主義の街並みが形成されていましたが、19世紀末からは、近代化に向けてヨーロッパ化ではなく、民族や国民国家などのフィンランド独自の民族的造形を意識いたデザインが模索されました。それがナショナルロマンチズムで、球体を持つ像もファンランド抒情詩カレリアからの影響を受けていると言われます。設計はエリエル・サーリネン






フィンランド産の赤花崗岩による外観からは、重厚感がずっしりと伝わってきます。



駅西面の入り口部分


| 建築・設計について | 09:59 | comments(0) | -
羽田空港国際ターミナル 日本橋がある出発ロビー
海外からの観光客増加計画に基づき羽田空港の国際線ターミナルも新しくそして大きくなりました。出発ロビーは、天井の屋根も美しく、その翼を連想させるデザインもなかなかのもの。



屋根の間からの採光や、大きく放たれたガラス開口部からも光が十分に入り、クールで明るいホールになっています。




ガラスを支えるカーテンウォールのディテールも細く、頑張っていました。


で、よく見ますと上階に木を用いた橋があるではないですか。
上ってみますと、確かに橋が架けられています。


これは日本橋。江戸時代、旅の始まりは日本橋でしたので、海外への旅の始まりもこの日本橋からということだそうです。発想は面白いのですが、ここまで上がってきて、この日本橋を渡っても、その先には待合スペースと、連絡津路だけです。下の階には木を用いた日本の町屋風店舗が並び、楽しいのですが、とってつけたような配置がもったいない。
もし、このコンセプトで日本橋を付けるなら、手荷物検査の前に付けるとか、出国前の人の気持ちを考えた配置にしないと。橋は良くできているので、残念です。
入国フロアーのところも、海外からの人達がまず日本に一歩踏み入れる場所なので、日本に来たな!と思わせる空間やインテリアデザインがほしいところ。どこにでもあるようなデザインには何の感動もおぼえないのです。
| 建築・設計について | 06:25 | comments(0) | -
気品と愛らしさが漂う桜蔭学園1号館
本郷廻りの散歩もこれで一段落です。道路の正面に見えてきたのが、桜蔭学園1号館
プロポーションがまず良いですね。真ん中の入り口廻りの円柱の付いた装飾、リズミカルに開けられたアーチの開口部。屋根の形。愛らしい感じが出ています。





瓦はスペイン瓦です。
曲面をところどころ入れることで、こうして建物の表情が優しくなっていくんです。切れるようなシャープなデザインも良いですが、僕はこんな柔らかい建物が好きですね。

開口部廻りの装飾も手の込んだものです。


廻りこむと、敷地は斜面になっていて、これはこれで難易度の高い設計となっていました。
| 建築・設計について | 08:07 | comments(0) | -
本郷界隈木造建築3 木造旅館鳳鳴館
何だかタイムスリップしたような感じがするこの木造旅館。東京のど真ん中に残っていることが奇跡のような建物です。





こちらは本館玄関


道を挟んで、左が本館で右が別館
レトロな風景でしょう。高台なので、高層のビルとかも見えません。東京にもこんな所があったんですね。


こちらは別館


別館の玄関です。



| 建築・設計について | 08:18 | comments(0) | -
本郷界隈木造建築2 和洋折衷の建物も楽しい
さて次は、求道会館。設計は武田五一。1915年竣工ですから100年経ってます。
しかしながらなかなか綺麗に管理されていてそんな年月は感じません。





玄関部分の列柱が特徴


こちらは、万定フルーツパーラー。今ではおいしいカレーが定番
見逃すと通り過ぎてしまいますが、よくよく見ますとスカイラインがかなり凝っています。



日本基督教団弓町本郷教会です。なかなか立派な教会

磁器質タイルが貼られた外観は、時と共に趣きが出ています。開口部廻りのアーチも綺麗




道路の反対側には楠木の大木がありました。
| 建築・設計について | 09:57 | comments(0) | -
本郷界隈木造建築 100年近くも残る貴重な木造 
文京区の本郷近辺では、空襲の火から逃れた木造建築がいまだに健在で、その姿を見せてくれます。散歩していますと、ところどころで趣がある建物に出くわして楽しい。

1923年竣工の木造建築で、ポーチの大理石柱がなかなかに面白い




こちらは1933年竣工のハーフティンバーの家。柱と梁が表に出ていてそれがデザインにもなっています。この正面からのプロポーションが綺麗です。右の1段下がった開口部や、玄関庇屋根がそのまま伸びて外壁に当たり、立面にアクセントをつけています。




こちらは、今も現役の木造の旅館 鳳鳴館森川別館
外人さんのお客様もみえてました。




門を入って木々の中を玄関まで。昭和の建物を想い出します。
| 建築・設計について | 08:13 | comments(0) | -
象設計集団 ドーモ・アラべスカ 洞窟のような壁で囲まれた落ち着くリビング
この外観は極めてユニークなドーモ・アラべスカですが、平面図は解りやすい平面図です。優れた建物は平面計画はシンプルで綺麗と言われますが、この建物もその通り。

面白いのは、リビング天井を高くするので、2階がスキップになっていること。
丸い手すりと有機的階段を昇ると、そこに2部屋、更に階段を上がることでメインベッドルームに至ります。この高低差を利用して1階が高い天井になっているわけです。さらに、この大きな壁で囲まれたリビングは、まるで洞窟のようで、適所に明かり窓が入り、非常に落ち着けるスペースとなっています。
この建物には角がありません。全てが曲面。リビングのソファーも曲面壁に合わせて丸いソファーです。角が無いということは、優しい気持ちにさせてくれるんですね。何だか安心。

(パンフより抜粋)
写真の左側の光採りが素敵なんです。吹抜けになっているところに上部から光が差し込みますし、照明も反射してキャンドルのようにも見えます。
ピアノのところもその大きさに合わせて掘りこんであります。
どう見てもコンクリート造と思いましたが、壁を叩いてみても、屋根を見ても確かに木造。左官屋さんの技術も素晴らしい。


階段踊り場。会話がはずみそうです。


久しぶりに感動する建物を見学できました。
| 建築・設計について | 08:55 | comments(0) | -
象設計集団 ドーモ・アラべスカ 葉っぱを散らした暖か味を感じる外観
象設計集団のメンバーで建築家富田玲子氏の実家の建替えとなるドーモ・アラべスカを見学しました。古い家の想いである瓦や、面白い形をした開口部、そして障子などを利用して新しい建物にも上手く配置。想い出と共に生きる建築となっています。とはいえ、1974年の竣工ですので築42年。でもまったくそれを感じさせない普通とはかけ離れた次元の建物でした。
道路の角地に建っていますが、道路に向かって圧迫感が生じないようにコーナーが円筒形となっています。


更に近づいていきますと、外壁の厚い壁には葉っぱの文様が浮き出しています。



大きく開いた開口部が玄関です。建物の名前はドーモ・アラべスカ。アラべスカはアラビア風唐草という意味だそうです。植物をモチーフにした家で大樹から落ちた葉っぱが壁に張り付いたようにデザインされています。この直接的な表現が解りやすくていいですよね。


窓のデザインも有機的で見ていても楽しい


庭側も大きな木が茂り、ここだけが昔からあるような雰囲気


庭に開かれた窓はダイニングから庭を見る窓で、上部には藤壺のような形をした出窓も見えます。これを見ただけでも、この建築はちょっと違うぞと思います。


既製品などどこにもない、完全オーダーメイドの建築。
この形、壁の厚さ、開口部の取り方から鉄筋コンクリート造だと思っていましたが、何と木造。
後ろにまわりますと、壁と屋根の関係から確かに木造かもと思いました。

蔦が茂り、生き物のような建物となっています。
| 建築・設計について | 07:19 | comments(0) | -
東急プラザ銀座 屋上の2つの雰囲気を楽しめるキリコテラス
数寄屋橋交差点にできた東急プラザ銀座のもう一つの楽しいパブリックなスペースは屋上にありました。
エスカレーターで昇ります。



屋上に配置されたキリコテラスというスペース。プールがあるウォーターサイドと、緑化された壁面で囲まれたグリーンサイド。
どちらも屋外テラスですが、アウトドアのファブリックの貼られた家具、ソファーが配置され、銀座の高層部分と空を感じられる場となっていました。これから夏に向かい、ビヤガーデンにもなるとのことで、多くの人で賑わうでしょう。


緑の壁で囲まれたキリコテラス・グリーンサイド


モザイクタイルが底に貼られた美しいプールが眺められるキリコテラス・ウォーターサイド




アウトドアソファーが並べられたウォーターサイド。銀座のネオンもこう見ますと楽しい
| 建築・設計について | 10:11 | comments(0) | -
銀座並木橋 東急プラザ銀座 江戸切子をイメージした外観と27m吹抜け大空間キリコラウンジ
銀座並木橋にオープンした東急プラザ銀座に立ち寄りました。
交差点の角に建つガラスの建物ですが、ガラスの窓を屈折させて、光を上手く反射させ、江戸切子の輝きをイメージさせる建物になっています。訪れたのは夕暮れ時でしたので、丁度内部の照明が綺麗に外部にも漏れはじめ、美しい外観を見せてくれました。

江戸切子のイメージをガラスの外観として実現化させるには多くの技術者、職人が関わり、何度も実験を行い、妥協を許さない施工を突き詰めた結果なんです。最近のガラス建築の中では、頭一つ抜けている感じがしました。

地下2階から地上11階までショップ、サービス、カフェで構成されています。面白いのは、地上1階からのアプローチもある上で、外部エスカレーターによって地上からダイレクトに3階まで昇れること。これにより1階が混雑せず、目的の店舗にいけるので人の流れがスムーズになります。


そして内部の圧巻のスペースは、丁度数寄屋橋交差点を眺めるように6階に配置された27m吹抜けのキリコラウンジ



木工職人技が光るデザイン壁




照明デザインも和を感じることができます。
とても気もち良いホールでした
建物設計は日建設計
| 建築・設計について | 06:55 | comments(0) | -
前川國男 弘前市斎場 黄泉の国と俗世を結ぶ黄泉平坂をイメージした渡り廊下
さて、この斎場の平面図です。

右が火葬棟で、左が待合棟ですが、エントランスホールと一般待合室からは、家族が待機する待合室まで緩やかなスロープの廊下が結んでいます。
この廊下は、黄泉の国と俗世を繋ぐ廊下としてイメージされていて、両側に開けられた大開口からは、川や天をイメージした石の庭を眺めることができます。

エントランス入ってすぐに控える一般待合室


その右側には家族待合室に続くスロープが伸びていきます。




黄泉平坂(よもつひらさか)をイメージした渡り廊下は、床がタイルで貼られ、他のスペースとは異なる結界を表現しています。


スロープの先にある待合室ロビー。ここの床はジュ―タン

待合室ロビーから見た景色

その待合室ロビーの先に待合室ホールが続き、その待合室ホールを囲むようにして和室の家族待合室が配置されています。



待合室ホール


待合室ホールから見た庭
右側に廊下が見えます。




建物の一番奥に配置されている庭が見える待合室。


最後にエントランスまで戻りまして、炉前ホールをみたところです。

建物の配置にあたっては、周辺の自然環境、岩木山への向きを十分配慮しながら計画され、控室や火葬棟の平面計画においても、家族の故人への想いを建物にさりげなく表現するなど、精神的にもきめ細かく熟考された名建築だと思いました。
今日で弘前シリーズは終わりです。まだまだ弘前には名建築が沢山残っており、現役の建物も多いので、次回はもう少し暖かくなった時に訪ねてみたいと思います。
| 建築・設計について | 09:02 | comments(0) | -
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