冨田秀雄の設計日記

家づくりへの想い、考え、そして私的な内容を綴ったブログです。
アルヴァ・アアルト フィンランド ユヴァスキュラのコンサートホール
ユヴァスキュラには、アルヴァ・アアルト設計の建物がいくつか点在していますが、このコンサートホールも一目でくれはアルヴァ・アアルトの作品であるとわかりました。
白い半円筒のタイルが貼られた外壁、光を目一杯採りこむ大開口、流れるような外観、そして強調されるエントランスなど。

ホールの天井はどうしても舞台の関係から高くなり、それが外観にも表れて、ちょっと威圧感を感じるものもありますが、そこは街並みを考慮したアルヴァ・アアルト。外壁を山の稜線のようにずらしながら重ね合わせる手法で、大きなボリュームを文節し、威圧感を軽減しています。


大きな開口部と外壁タイルの接合点

玄関です。

そしていつものようにオーバーコートを脱ぐおおきなクローク

どこまでも続くようなフラット天井と床の平行線の中に、光が注ぎ込む階段が貫入されています。

| 建築・設計について | 07:21 | comments(0) | -
フィンランド アルヴァ・アアルトの傑作 セイナッツァロの役場 縦格子サッシが連続する図書館
セイナッツァロの役場は、今は役場の機能が移転となり、使われていません。一部食堂の部分が、図書館として使用されています。アルヴァ・アアルトの代表作の一つであり、今後の利用の形態はまだきまらないものの、大切に使われ続けてほしいと思います。さて、その図書館。一番光が入る向きに縦方立の連続サッシが並びます。


1階の図書スペース


そして2階へ


階段廻りです。

ここからは、中庭もよく見えます

連続するサッシ

角の部分は子供読書コーナーになっていました。

そこから見える森
うーん落ち着くなー

| 建築・設計について | 09:04 | comments(0) | -
セイナッツァロの役場 ルーバーを持つ大きな窓 アルヴァ・アアルトの心を鎮める空間
さて、このセイナッツァロの役場の心臓部である議会場です。高い天井そして感じる暗さ。今まで見てきたアルヴァ・アアルトの建物は光を多く採り入れた明るい空間がほとんでですが、このセイナッツァロの役場の議会場は、照度をかなり控えめにし、議会が集中して催されるように配慮しています。

煉瓦の大きな壁で囲まれた議会場には採光の窓は2つ。一つは西日が入る議会正面席右の壁に開けられた窓でここには木の壁があり、間接光となっています。そしてもう一つが大きな四角い開口部。ここは北なので直接光ではありません。しかも、木製ルーバーが入っていて、細かな光となっています。


上から3段までが縦のルーバーで、下1段が横ルーバー


そして、天井は木ですが、その屋根を支える構造が面白い。梁から扇の手を出すように垂木を支えています。シンプルな構成の中に有機的な造形を盛り込んだアルヴァ・アアルトらしいデザイン

議会の議長側から後ろを見ますと、傍聴席のところが少しへこんでいて、そこにはハイサイドスリットからの光が入ります。



議会場に入る大きな開口部には引き戸が設置されています。
そして傍聴席

椅子は綺麗なカーブを描く、アルヴァ・アアルトデザインの長椅子

最初の言いました、西日を受ける木の壁。光が間接光になって入ってきます。
その先には絵画


見るところが多い、議会場でした。
| 建築・設計について | 08:20 | comments(0) | -
アルヴァ・アアルト セイナッツァロの役場 議会場に至る心を鎮める階段アプローチ
さて、ここから議会場に至るアプローチがまた見せ場の一つです。事務室のある階は、町の住人が訪れる開かれた場であるので、中庭に思いっきり開放された明るい空間でしたが、この階段から上は、村の役人さん達が会議を行う大切な領域。その会議場に向かう階段は、床、壁が煉瓦で囲まれ、天井は木の天井。そして外を見る窓は無く、ハイサイドにあるスリット開口からの光が注ぎ込まれます。自然と気が引き締まるアプローチです。


天井が明るいので、その光に導かれるように昇ります。
一度この踊場で向きを90度かえてさらに階段

左側の天井には細かい木のルーバー状の庇が付き、床の高さに合わせるように昇っていきます。手すりの下の四角いパネルは暖房機


ハイサイドライトの開口は、外部から見ると、大きな壁に開いたスリット開口

奥から振り返って踊場を見ます。下の写真の右側は議場に入る入り口。

もう一度振り返りまして、さらに3段階段を昇ると突き当ります。
その左には木のハンガードアが付いたもう一つの入り口があります。

こちらの入り口は議会の傍聴席の出入り口となります。

メカニカルなハンガードア

そして議会場に入りますと、高い天井のある煉瓦で囲まれた静かな佇まいの空間が目の前に現れます。

写真奥が、傍聴席部分
このように、この建物のメインである議会場ですが、そこに至るまでの廊下、階段には人の心を動かすアルヴァ・アアルトのきめ細かい建築操作がなされ、かなりのエネルギーをつぎ込んでいます。いかにそのアプローチの設計が大切であるかを、身をもって感じることができます。
| 建築・設計について | 07:31 | comments(0) | -
セイナッツァロの役場 中庭に面した光の廻廊
セレナッツァロの役場の玄関です。実にヒューマンスケール。威張ってないし、クールな感じはしません。街の人達が暖かみと親近感を感じる玄関扉。役場というものをアルヴァ・アアルトがどのように捉えていたかが、この玄関扉で解るような気がします。



中に入りますと、正面に掲示板。
この木製の家具と言ってよい掲示板がまたデザイン的に美しい。照明のスイッチ関係もこの掲示板の右の扉の中に隠されています。

光を浴びる、玄関ホール。床の仕上げですが、このホールの一部が煉瓦仕上げになっています。この煉瓦の仕上げは、上階に昇る階段へと導かれます。
天井まで一杯のガラス開口部からは、先ほどの中庭が見えます。

そして、中庭をぐるりの廻る廻廊
ここは、まさに光に包まれたサンルーム。中庭と溶け込む空間。日本の縁側を連想させます。

壁は煉瓦、そして木のサッシと扉、床は、窓廻りに煉瓦のライン


中庭に面する開口部の下は、煉瓦のベンチになっています。そのベンチ下には暖房機が据えられ、冬の寒さ、ガラスからのコールドドラフトを防いでいます。煉瓦は蓄熱体として熱を保温。


この光の廻廊に面して、いくつかの会議室が設けられています。
その一つに入ります。

照明器具は勿論アルヴァ・アアルトの設計によるもの

大きな開口部からは、周辺の森を望むことができます。落ち着いた会議室

もう一度玄関ホールに戻ります。

右は、役場の事務室


事務室に入る扉も縦に木をぶつけたシンプルながら重厚感のある扉
そして、この扉の取っ手もアルヴァ・アアルト独自の暖かみがあるデザイン

そして、いよいよ議場へと向かいます。
この玄関ホールが極めて明るいので、この階段が暗く、そのコントラストが議場の重みを感じさせてくれます。床の煉瓦がこの階段まで続いていきます。
| 建築・設計について | 08:54 | comments(0) | -
セイナッツァロの役場 4m盛られた中庭に向かう2つの階段
さて、中庭へと昇っていきます。この中庭は、4m盛り土されています。アルヴァ・アアルトはこの場所にイタリアの山岳都市と同じような変化に富んだ魅力ある空間を作りたかったのです。この中庭には2つの階段が建物のスリット部分に設けられ、一つはコンクリート、もう一つは木と土の階段となっています。まずは、木の階段から中庭へと進みます。


アイストップとなる煉瓦の議場の塔。まさに山岳都市の中心の塔ですね。

視界から煉瓦の壁が無くなり、大きな空が現れます。
右のルーバー庇が架かっているところが玄関アプローチ。大きな玄関がドーンと待ち受けるのではなく、どちらかというと住宅スケールのさりげない玄関なんです。

そして中庭です。大きなものではなく、丁度人が認識できる手頃な大きさ。
スケール感は本当に大切です。

ここは、2階のレベルになるので、ここまで上がると廻りの壁は平屋の高さしかありません。従って壁に囲まれる閉塞感は全く感じません。
そして、木製サッシの縦枠のリズミカルな窓がぐるりと中庭を囲みます。
夏になりますと蔦がからみ、緑と一体化。内部からは緑の開口部を介して中庭を見ることになります。


中庭の奥からの見返り

そしてもう一つの面が、今は図書館となっている棟の外壁となります。

今昇ってきた木と土による階段リズミカルなランダムなデザイン。

中庭に昇るもう一つの階段がメインの階段です。1階から上がります。


そして、中庭へ。

庇ルーバーに導かれて玄関へと向かいます。
| 建築・設計について | 06:42 | comments(0) | -
アルヴァ・アアルト セイナッツァロの役場 中庭を囲んだアアルトの理想都市
中庭と言う言葉につい気持ちが揺れる私ですが、建物で囲まれた中庭は、やはり建築の最も魅力的なシーンの一つであることは間違いありません。このアルヴァ・アアルトが設計した役場の建物にも魅力的な中庭があります。ユヴァスキュラからほど近くのセレナッツァロの役場は、1952年の完成。コンペで勝利したアアルトは、ここにイタリアのシエナのような都市のミニチュア版の建築を創造しました。市民の広場となる中庭を中心に建物の主目的の議場を塔のように高いところに配置。さらに中庭を中心に会議室、レストラン、図書館、宿泊室を中庭を囲い込むように計画しました。外壁の煉瓦と木製のサッシの開口部のレイアウトとプロポーションの美しさも見どころ
車の広場を前にした立面。左がレストランだったところで、今は図書館となっています。

背の高い大きな塊の部分が議場。塔の高さは17m

この大きなボリュームの議場の塔の手前に中庭へと誘う階段があります。

スリット状の開口部が見えます。
これが平面図

建物をぐるりと廻ります。

現地に来るまでは、相当な森の中にあるかと思っていましたが、今では比較的開かれた場所になっています。

塔の部分の大きな開口部は、北側を光を議場内部にもたらすもの。

さらに裏側もこんな感じ。と言いましても裏ではなく十分表ともいえる仕上がり


開口部も掘り深くて良いです。煉瓦の壁の樹木の影が映っています。

更に進むと、正面に廻ってきます。右の棟が図書館

この建物は中庭を囲んだロ型の形状ですが、そこに2つの切れ目を入れ、階段を設け、その階段から中庭へとアプローチしていきます。
これが一つの切れ目と階段

進んでいくと、煉瓦と煉瓦の壁の間から先ほどの議場の塔が見えます。
| 建築・設計について | 07:02 | comments(0) | -
アルヴァ・アアルト ユヴァスキュラ労働者会館 アルヴァ・アアルトの最初の公共建築
フィンランドの地方都市ユヴァスキュラで設計事務所を開いたアルヴァ・アアルトが、コンペで選ばれ初めて実現した公共建築が、ユヴァスキュラ労働者会館です。完成した当時、この建物の周辺はすべて木造で1,2階建て。そこの現れたコンクリートによるこの建物は、しばらく街のシンボルでした。そして今でも現役として大切に使われています。完成したのが1925年アアルトが27歳の時で今から90年も前の建物です。

左の建物が労働者会館




玄関は、当初から大切にしていたデザインの要

朝日を浴びる外観

内部には入れませんでしたが、街の人達がアルヴァ・アアルトを尊敬し、大切に建物を使っているのが良くわかりました。
| 建築・設計について | 08:57 | comments(0) | -
フィンランド ユヴァスキュラ大学 学生食堂 外のテラスもある居心地良いダイニング
そにす住む人、働く人、学ぶ人がいかに心地よくいられるか?それは設計をする者にとって第一に考える事です。このアルヴァ・アアルトが設計した学生食堂は、学生が楽しみの一つでもある食事や喫茶の時間にいかに気持ち良く過ごせるかを本当に考えて設計したなと思います。
まずは、構造架構である木をそのまま表した天井。しかも座った時に丁度落ち着くような高さに架構を組んでいます。そして、自然素材である煉瓦の壁。やはり、寒くて暗い冬に対して暖かく優しい自然素材の中で過ごす大切さを感じます。
グランドトラック側(右)は壁煉瓦の上がハイサイドライト。そして左のテラス側は、視線が緑にいくように大きな開口というデザインです。

屋根は、片流れですが、架構は水平ラインに梁を通しているので、水平ラインが強調されて、安定感があります。スチールを用いたハイブリッドな構造システムです。
ここフィンランドの建築を見て廻りますと、照明の数が本当に多い事に気が付きます。季節がこのように素晴らしい晴れなので、実感がわきませんが、冬の暗さが、人の心に与える影響は相当なものなのでしょうね。

天井の木の架構は、威圧感がなく、細い部材の組み合わせでシャープです。


架構と架構の間にも綺麗な木材が貼られています。

右に出ますとテラスです。柱と木製サッシは離れているので、大きな部屋に連続した柱のリズムが生まれます。

皆太陽の光を待っていたかのようにテラスでお食事です。

アルヴァ・アアルトのトップライトの屋根が見えます。屋根の雨どいの水は、床に落とされ、そのまま溝に沿って流れていきます。シンプルで、機能的なやり方ですね。隠さないところが良い。

こちらは、宴会や会議ができる部屋

天井ペンダント照明の配置が見事です。
| 建築・設計について | 09:56 | comments(0) | -
フィンランド ユヴァスキュラ大学 学生食堂 煉瓦と木サッシの落ち着く建物
アルヴァ・アアルトが設計した建物で構成されるキャンパスですが、どの建物も目的に合わせて工夫があります。ユヴェスキュラキャンパスの中央トラックに沿って設けられたメインストリートを歩くと、右手に見えてくるのがこの学生寮。
学生だからといって簡素な建物ではありません。しっかりとした煉瓦貼り。そして重厚な木製サッシ

入口廻りも木を用い、暖かさが伝わってきます。

その学生寮に並んで建つのが学生食堂


大きな煉瓦の壁の上にガラスボックスが載る外観。シンプルですが、力強い
そして、庇の出たエントランスがさりげなく構えます。

エントランス入りますと、まずはクローク。北欧において冬のコート・ジャンパーは必需品なので、アアルト設計の建物には必ずと言ってよいほど、このクロークが玄関から入ってすぐに設置されています。とにかく身軽になってから建物に入る。これは基本ですものね。


そして光の入る階段から2階へ

光ができるだけ奥まで届くように設けられたスリット



で、昇った先に見えるのがこの気持ちの良い食堂です。
煉瓦の壁と、木トラスにより構成された構造をそのまま見せる天井
そして大きなガラス開口部。
トラスの下の材までは比較的低いのですが、それが安定感をもたらし、食事をするスペースには丁度良い高さになっています。
アルヴァ・アアルトらしい設計
| 建築・設計について | 08:16 | comments(0) | -
フィンランド ユヴァスキュラ大学 競技トラックを中心とした馬蹄形の配置
アルヴァ・アアルト美術館のすぐ近くにあるユヴァスキュラ大学は、1951年の設計競技によりアルヴァ・アアルトが獲得。それ以後、多くの建物を設計し、今に至ります。競技用のトラックを中心にその廻りを馬蹄形に囲むように大学の建物が配置されており、緑豊かなキャンパスを形成しています。
これは、コンペ後の最初の配置図。

そして今では、更に新しいキャンパスが付け加えられています。その多くがアルヴァ・アアルトが設計したもの。

大きな道路のむこうがキャンパス



トラックの向こう側に見えるのは大学体育館と学生プール棟


キャンパス入り口部分に建つ体育学部棟に入ります。

そして、内部はこのようなアルヴァ・アアルトの世界が展開していきます。

ホールの中央には2段の階段。奥の階段にはトップライトからの光が入り、明るく照らされているので、目線がそちらに向かいます。昇りたくなるじゃないですか。
その階段の左側のガードマンボックスも大きなガラスで囲まれた柔らかいデザイン

掲示板コーナーは木質系の優しい雰囲気

そして階段を昇ります


1層目昇ったところは学生カフェとなっていました。
2層目の階段。その上の天井にはアルヴァ・アアルトの円形トップライトが並びます。




大きな開口部にはめ込まれた階段で、階段の踊り場の向こう側も吹抜け

この踊場後ろの吹抜け空間もなかなか気持ち良いところで、ちょうど学生が話をしていましたが、適度に壁に囲まれながらも、トップライトからの光で明るい。
非常にシンプルなんですが、これはなかなか面白いと思いました。

| 建築・設計について | 10:38 | comments(0) | -
ユベスキュラ アルヴァ・アアルト美術館 木のうねる壁とアルヴァ・アアルトデザインの椅子が並ぶコーナー
ハイサイドライトからの光は大きな壁にあたり、それが反射して間接光となってフロアーを照らします。いくつかの大きな光を受ける壁の奥の一つがこの木デザインのうねる壁。木立が風にそよぐような印象を受ける縦ラインが強調された壁です。



その木の壁のディテール


フィンランドの道路を走っていますと、白樺の木々が垂直に生え、綺麗な景色をごく普通に見ることができます。そんな日常の光景を鋭く見据えたアルヴァ・アアルトらしい有機的なデザイン。造作も細かいところまできちんとされていて、木工事の技術の高さが解ります。

これは展示パネルの一つですが、万博の時アアルト設計のフィンランド館のうねる木壁

そして、優れた造作技術を更に開発し用いたのがアルヴァ・アアルトが手掛けた椅子達です。
バウハウスのスチールの曲げた椅子を木で作る。
鉄は簡単に曲がりますが、木は基本曲がりません。それを細かな集成材とすることで、圧力をかけ、美しい曲線を持つ椅子をつくる。強度は勿論、座り心地も考慮しながら、見た目にも美しい椅子にする。それには多くの難しい道のりがあったと簡単に想像できますよね。
このアルヴァ・アアルト美術館の一番奥のスペースには、その悪戦苦闘により創り出した秀作の椅子が展示されています。



曲げの技術の展示

いくつかの椅子が置かれていて、実際に座り、その感触を確かめることができます。



また、奥にはアルヴァ・アアルトが影響を受けた建築家ル・コルビジェやルイス・カーン、フランクロイド・ライトといった建築家達のパネルもあります。

建築関係者だけではなく、芸術や建築、インテリアに興味のある人も十分楽しめる内容。あらためてアルヴァ・アアルトの築いてきた業績の偉大さを確認できるアルヴァ・アアルト美術館でした。
| 建築・設計について | 11:19 | comments(0) | -
アルヴァ・アアルト美術館 アアルト設計の建築コンセプトが一目でわかる素晴らしい展示の美術館
建築の美術館ですが、アルヴァ・アアルトがどのように考えて設計したかそのコンセプトやスケッチ、そして模型が建物毎に実にうまく展示されていて解りやすく、しかも建築の素人にも楽しめる内容になっています。展示パネルの色や文字も美しく、一つ一つが作品という感じ。しかもセンスが良いです。
階段を上がった左には実物大のインテリアレイアウト



この部分にはアルヴァ・アアルトが多くの建物で用いてきた丸いトップライトが付いています。

そして展示室ですが、壁に沿って作品が並ぶのではなく、立体的にパネルが配置。その展示室には大きなハイサイドライトから光が注ぎ込みます。

右の展示ではアアルト独自のデザインであるゴールデンベルのペンダント照明が実物大で展示されています。

展示パネルは、可愛い足が付いていて、移動もできます。この床から浮いているのも重さが感じない理由ですね。床の光がずっと奥まで見える。面白い


奥の壁はうねる木の壁となっています。


アルヴァ・アアルト設計のホールに見られる山の稜線がつながったようなデザイン

アアルトが家族と共に夏を過ごした実験住宅でもある夏の家


今回は残念ながら行けませんでしたが、その夏の家の立地状況など模型が示してくれます。


そしてこのアルヴァ・アアルト美術館の2階平面図
扇形の開く平面がよく解ります。空間もこのように自由に拡がっていくので、とても大きく感じることができますし、気持ちが要のです。角が無い建物はこんなに優しいのですね。
| 建築・設計について | 08:24 | comments(0) | -
アルヴァ・アアルト美術館 人を導くうねる階段手すり
それでは、アルヴァ・アアルト美術館の方に入っていきます。玄関の扉を開けますと、左が受付とその奥にショップとクロークスペース。白い半円筒のタイルが貼られた丸い柱。アルテック社の椅子や木カウンターがさりげなく置かれています。

宙に浮くクロークカウンター。白い足の部分がなんとも可愛らしい。

そして右側がレストラン。外の景色を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。サッシは木製サッシ。そしていつものようにアルヴァ・アアルトが設計デザインしたペンダント照明がテーブル近くまで降りてきています。



レストラン奥がオープンキッチン

どうですか、この曲面を持つキッチンカウンター。いかにもアルヴァ・アアルトの設計だと解りますよね。その腰壁そしてバックの壁には外壁と同じ半円筒の形をした明るい白のボーダータイルが貼られています。外との一体感が感じられます。

さて階段を昇ります。やはり、空間と空間を繋ぐ、そして意識を高めていく階段は建物においてもっともダイナミックな装置です。その階段に付く手すりもアルヴァ・アアルトらしい、優しい曲面を持った手すりでした。昇るところは手すりが曲がりこんで地面に設置。こうすることで、手すり自体の強度も出ますし、すぐにつかめるという機能的側面もあります。



中間の踊り場の手すり。芸術的です。階段をわざと隙間を設け、視界を通し、空気を抜ける感じをつくり、そこに滑らかな手すりを付ける。

中間踊り場にもちゃんと外を向く開口部があり、手すりがそのままオブジェに変身しています。

さらに上を見ますと、アルヴァ・アアルトの像が迎える2階へ。


像とそれを囲い込むような有機的な動きのある手すり。

人はこの手すりの誘導で、自然に展示室へと導かれていきます。


改めて階段のディテールを見てみますと

巾木の納まりが面白い。

壁と繋がる部分には真鍮をいれて、他は木。なるほど勉強になります。


1階平面図。図面の下がエントランスです。
| 建築・設計について | 08:09 | comments(0) | -
アルヴァ・アアルト ユベスキュラ アルヴァ・アアルト美術館 アラビア社製の白い煉瓦タイルと半円柱ボーダータイルによる縦ラインを強調した外観
ユベスキュラ教育大学のすぐ近くにある、アルヴァ・アアルトの建築作品を展示する美術館で
す。1973年竣工のアルヴァ・アアルト75歳の時の建物で最晩年の作品の一つ。扇形の平面、ハイサイドライトからの光をふんだんに採り入れた明るい展示室、流れるような平面構成、動線計画、暖かみを感じるインテリアデザイン、そして、白い外壁。アルヴァ・アアルトの集大成のような建築です。

晴天の青い空に映える白い外観
白いボーダータイルは地面までいかず、コンクリートの基壇までで止まります。こうすることで、よりそのボーダータイルの部分が強調されて見えてきます。地面まで下ろしてしまうと、どうしても重くやぼったくなりますよね。しっかり基壇とその上の壁でデザインを分ける。これもアルヴァ・アアルトの設計手法の一つ。
大きな白い塊の上に3列に並ぶハイサイドライトが特徴的な外観です。
道路に面する部分は、大きな白い壁で、ダークグレーのエントランスのみがその白い壁に設けられています。

白い壁は陶磁器で有名なアラビア社製の煉瓦タイルと半円柱の白いボーダータイルで、外壁から飛び出したボーダータイルの影が壁面に写り、陰影が出た深みのある外観となっています。


側面に廻りこむと内部機能に合わせて木製サッシの開口部が並びます。

後ろのほうのバックヤード部分の外壁には半円形ボーダータイルは用いられていません。機能がそのまま外観に表現されています。

また2階の開口部には一部縦ルーバーが取り付けられています。

これは、道路正面側から見た時に、この上階のサッシを見えづらくして、あくまでもボーダー面が続いていくように見せたかったからではないでしょうか。

この角度から見ますと、先ほどの上の階のサッシが縦のルーバーで見えなくなります。

そして白い壁の正面エントランス側にもう一度戻ります。

いくつかのアルヴァ・アアルトの設計した建物を見てきましたが、このエントランス部分を強調したデザインは、アアルトが多くの建物で取り入れた設計手法の一つだと解ります。
やっぱり、人と建物が接するエントランスは重要です。



玄関扉の取っ手はアルヴァ・アアルトのデザインの例の柔らかい握りやすい取っ手
優しく人を迎え入れます。

敷地を回ってもうひとつ気が付いたのがこの境界線に建てられたフェンス
建物に呼応した縦を強調した木フェンス。

低い太陽の光により生み出された木陰と実によくマッチしていました。

| 建築・設計について | 07:28 | comments(0) | -
アルヴァ・アアルト フィンランディアホール 白亜のヘルシンキの記念碑的ホール
ヘルシンキアルヴァ・アアルトが設計した建物と言えば、まず一番に挙がるのが、この建物でしょう。フィンランディアホールです。1962年から71年にかけてできた建築で、アルヴァ・アアルトが都市計画を行い、その中に自ら設計して建てたコンサートホール、会議場を持つ複合建築です。市民の憩いの場である大きな湖のトーロ湖の湖畔にフィンランディアホールはその姿を見せてくれます。水平方向に長い建築でできる限り高さを抑えながらも湖畔に映るその姿は、これぞ北欧建築という感じでした。

トーロ湖の湖畔にあるフィンランディアホール。青い空と水に対して真っ白な外観が映えます。



ダイナミックな形態。

水平の伸びる白い建物。大きく手前に張り出した部分はメインエントランスがあるフロアーのバルコニー
1階はピロティーで手前は車の入り口。

人は、2階のエントランスまで、いくつかの階段を用いて上がります。2階は大きなバルコニーが付いていて、トーロ湖周辺の景色を楽しめます。

フィンランディアホールの配置図です。図面の下の方がトーロ湖側

1,2階平面図

1階右下が車寄せのピロティー
2階がコンサートホールへのメインエントランス部分。図面の上の方は地形が1層分上がっているので、歩いてきた人はこの上の部分からホールへと入る動線です。歩行者と車の動線が完全に分かれています。
左部分の外壁が波打っているところは会議室棟です。当初はホールと会議室が兼用で計画されましたが、スペースの問題から急きょ会議室棟が新たに増築計画されて今の形になりました。
3,4階平面図

斜面を昇って歩行者側のエントランス方向に向かいます



白い大理石の外壁に映る木陰。夕方の空の色。実に美しい

正面側は大きな庇が人々を迎え入れます。


会議棟の大きなハイサイドライト




ただ、長年の風雨にさらされた白い大理石パネルは、伸縮によって変形しています。今フィンランディアホールではこの外壁を少しずつメンテしながら使っているという状況。規模が大きいだけに、外壁のトラブルはとても心配です。これからもヘルシンキの象徴的建物として市民に使われ続ける建物ですから。
| 建築・設計について | 08:35 | comments(0) | -
アルヴァ・アアルト 文化の家 宙に浮くような軽快で存在感のある庇




この文化の家の水平庇ですが、良く見ますと2段構成
手前は細く水平ラインを強調し、上は雨を処理しています。これだけのボリュームの2つの建物を繋ぐわけですから。細すぎるのも違和感があり、太いとやぼったく見えます。丁度良い。そこがアルヴァ・アアルトのデザイン力。

右の方がホールへのメインエントランス。

こちらはもう一つのホールへの入り口

フラット天井の庇ですが、光がはいるように一部フレームとなったデザインがなされています。




そしてこちらが銅板の外壁の事務所棟



横連窓の開口部とその間にはめ込まれた銅板の外壁。アルヴァ・アアルトのデザインです。開口部は2つに分かれていて、FIXの大きなガラス窓と換気のために開く窓の複合サッシです。


銅板は時代と共に落ち着く色に変わってきて、今は本当に良い感じ。
こちらは事務所棟のエントランス。アルヴァ・アアルトのデザインとすぐ解る取っ手や照明器具がしっかり装着されています。



赤い煉瓦タイルのホールの外観ディテールはこんな風に柔らかい感じです。この文化の家の為に開発した曲面対応の煉瓦は、角が無く優しい仕上げになっています。人が物に対して持つ感情は、本当に繊細なので、このような優しいディテールの組み合わせから全体のイメージが伝わっていくわけです。

内部は入れませんでしたが、随所にアルヴァ・アアルトらしい優しい曲面の部位があり、包み込まれたようなホールとなっています。
| 建築・設計について | 10:29 | comments(0) | -
アルヴァ・アアルト 文化の家 ホールと事務所の2つの建物を繋ぐ水平の大きな庇

アルヴァ・アアルト設計の文化の家です。フィンランド共産党の本部で、赤い煉瓦の建物がホール、右の四角い建物が事務所です。その2つのボリュームある建物を正面の長い水平庇が繋いでいるという構成。



アルヴァ・アアルト美術館に展示されている文化の家の模型です。前面の広い道路側、玄関側ファサード側


文化の家の後ろ側の模型


そしてアルヴァアアルトのこの文化の家に対する断面スケッチです。

文化の家の平面図。2つの形が異なる建物を庇が繋ぐ構図が解ります。
ホールの形状は、アルヴァ・アアルトの特徴でもある扇形。
音響を良くする目的、敷地形状から導かれた形態です。
外壁の煉瓦タイルは、アルヴァ・アアルトのアトリエにも展示されていたように、曲面壁にフィットするように開発されたものです。これにより、有機的なこの形態が建設可能になりました。

事務所の建物は、真ん中に廊下が通る機能重視の建物。その両方の建物形態の対比がお互いを引き立たせています。


そしてこの水平ラインを出している庇が2つの建物をしっかりとつないでいます。
| 建築・設計について | 23:44 | comments(0) | -
アルヴァ・アアルト アカデミア書店 気持ち良くすごせる本屋さん 

この気持ちよさは何なんでしょうか。
まずは、この建物の最大の魅力である、逆三角形のトップライト。高度が低い北欧の太陽の光を内部まで反射させて全体を明るくする装置なんですが、その発想といいデザインといい、驚くばかりです。光の筒が内部の四角い空間にダイヤモンドの一塊のように入り込んでくるような感覚。北欧の気候を知り尽くしたアルヴァ・アアルトならではの発想です。



このトップライトは、外部にたいしては対象の三角形のガラス屋根があり、断面はひし形のような形。一度フラットな天井を彫り込んだ上で、ガラスを貫入させています。そしてガラスの周りにはダウンライトを配置


そして2つ目の気持ちよさは、本の配列でしょう。目線が建物の端から端まで通るように、書籍棚の高さが低い。周辺の壁回りはもちろん高いのですが、フロアーの真ん中部分は低く、目線が通ります。そのためとても広く感じますし、ゆとりがあるんですね。
吹き抜け回りの本の並び方や照明のあて方など、参考になります。



こちらは外部開口に面する側の本棚配置

そして吹抜け空間に面して、カフェ・アアルトが設けられ、アアルトデザインの中でゆっくりコーヒータイムを楽しめます。黒い椅子は、北欧デンマークの建築家アンネヤコブセンがデザインしたアントチェアー

ここにはアアルトデザインのゴールドペンダント照明もちゃんとあります。

本と楽しく接しながら、気持ち良く過ごせる本屋さんでした。
| 建築・設計について | 11:06 | comments(0) | -
アルヴァ・アアルト ヘルシンキ アカデミア書店 通りに対して配慮した銅板のファサード
ヘルシンキ中央駅の近くにあるアルヴァ・アアルト設計によるアカデミア書店です。

この建物は2つの通りの交差点にあり、その銅板で包まれた外観は、重厚で存在感があります。窓廻りに注目しますと、片側の通りに面する部分は窓の枠も外壁と同じ銅板。一方もう一つの面は窓廻りに白い大理石を用い、表情が明るく見えるようにしています。これはそれぞれの通りの他の建物、街並みに対する設計者の配慮から出たデザインなんです。
一方の通りサーリネンの銀行などが並ぶケスクスカツの通りは煉瓦の建物や歴史的な建造物が並ぶので暗いイメージで、もう一方のエスプラナード側の通りは明るく、開放的なので、そのイメージに合うようにしています。


煉瓦建築と並ぶケスクツカツ通り

そちらのファサード。全てが銅板による重厚で暗いファサード。サインが目立ちます入り口もシックでおとなしい。


こちらのエスプラナード側のファサードの窓廻りは白い大理石の枠が入り、明るいイメージ。
なるほど、同じ建物なんですが、面によって表情を変えているんですね。窓の大きさは同じで、外壁も銅板仕上げでグリッドをそろえた上で、窓廻りに一工夫している。建物全体を見ますとほとんど気が付きませんが、歴史ある街並みに敬意を表しきちんと対応しています。


エスプラナード側エントランス 白い庇が出て、明るい感じです。



扉の取っ手は、アルヴァ・アアルトだとすぐわかる握りやすい取っ手が連続して縦に繋がっているタイプ


手前天井が低く、真ん中に大きな吹抜けがある構造です。

実に気持ち良い書店の空間
| 建築・設計について | 09:41 | comments(0) | -
ヘルシンキ カンピ静寂の礼拝堂 モミの木を曲げて造った円筒型の礼拝堂
ヘルシンキ中央駅からすぐ近くのカンピ広場に建つ木造の礼拝堂
廻りが古い石造、コンクリート造そして近代建築で囲まれているのでこの木の建築はひときわ目に付きます。2012年の完成ですから4年の歳月が経ちますが、外壁の細い木の重なりでできた外観には変色も見られず、綺麗にメンテされています。

この円筒形の木の部分が礼拝堂で、右のスクエアーの部分が入り口





細い木がカーブを描きながら重なってこの造形を創り出しています。
どうやって重ねてあるのか。接合部や防水はどうしているのか?
木の曲げの技術はアルヴァ・アアルトが先駆ですが、それにしても見事です。
設計は、K2S。コンペの結果選ばれた秀作




内部も外部と同じように細い木が重なりシンプルで感動的なインテリアとなっています。天井のトップライトから淡い光が壁の木を沿うように落ちてきます。
木とそれを優しく包み込むような光によってできた空間。
多くの人が一時の静寂を求めて訪れます。
椅子に座り、静かに時間とそして自分と向き合う。
こんな場所が東京にも必要です。
| 建築・設計について | 21:51 | comments(0) | -
スティーブンホールの代表作 ヘルシンキ現代美術館キアズマ
ヘルシンキ現代美術館キアズマです。キアズマとは交差。この不思議な形態は、この土地が様々な都市グリッドの合流点であることとアルヴァ・アアルト設計のフィンランディアホールやエリエルサーリネンの中央駅に挟まれていること、そして遠くの港に向かって解放できる可能性をもった三角の土地からの生成によります。
設計はアメリカの建築家スティーブン・ホール





そしてこちらがエントランス側





スチールフレームの庇を通り内部へ。

まず、白い吹抜け空間が目の前に拡がります。そこの中央部を斜めに昇っていくスロープ。そして明るい光天井。

このエントランスがこの建物を物語っています。訪問者は、この斜めのスロープを昇り、傾斜した壁のある展示室を見て廻るわけですが、先がカーブしているので次から次へと展示室が展開されていきます。展示室から展示室の移動にはこのエントランスの吹抜け空間を通り抜けていくような構成。


スロープの奥からエントランスを見たところ。



スロープの先にある螺旋階段

で、内部なんですが、時間切れの為入館できませんでした。
また次の機会に訪れたいと思います。
| 建築・設計について | 06:52 | comments(0) | -
ヘルシンキ テンペリアウキオ教会 銅の円盤天井を持つ岩をくり抜いてできた教会
さて、ヘルシンキに戻ってきました。
岩の教会とも言われるテンペリアウキオ教会を訪れます。
丘の上に建つ教会ですが、外からはその姿はわかりません。ドーンと建ついわゆる教会建築ではなく、岩をくり抜きその中に設けられています。屋根が公園ともなっており、現在建築界では良く設計されるような見えない建築の先駆的なものではないでしょうか。1969年の完成で設計はスオマライネン兄弟によります。

これが入り口。丘の上で、掘りこまれた部分がエントランス。


そして教会だとわかる十字架がさりげなく斜面に据えられています。

スチールでデザインされた十字架ですが、見事な造形。十字架を設計するのは形が単純だけに難しいと思いますが、この造形は存在感や透明感も感じますし、まさに象徴的であります。


そして内部に入りますと、こんな感じで天井の円盤を細かいリブが支え、その間から光が注ぎ込まれるというもの。
椅子のブルーとパープル色が、自然の岩と渋く光る銅天井と対比し、暖かみをもたらします。



天井の円盤は銅線をぐるぐる巻いて造ったものです。太陽を表現しているそうです。





開口部のマリオンにもなっている屋根を支える180本の列柱

その列柱の影が床に美しい文様を作り出していました。


まさに洞窟建築

| 建築・設計について | 12:25 | comments(0) | -
フィンランド国民年金協会 天井輻射熱パネルのある明るい社員食堂
社員を大切にする会社は伸びる。それはそうだと思います。会社はそこで働く人そのものだから。で、働くスペースも大切ですが、一息つける場所はそれと同じぐらい大切です。会社で言いますと社員食堂なんかはその一つですよね。このフィンランド国民年金協会においても、設計者アルヴァ・アアルトはよく解っていらっしゃいます。大きく開かれた開口部からは緑豊かな中庭が見え、気持ちの良い季節では外の空気を吸って食事もできます。家具も暖かみのある優しいデザイン。気持ちが仕事モードから見事にリラックスモードに入れ替わります。
さて、その食堂に向かう階段

真鍮の手すりが見事です。両サイドの壁は白いタイル。昇るところから素材を替え、気持ちを切り替えます。


そして昇っていきます。階段廻りのデザインで大切なのは、階段そのものも勿論そうですが、天井です。大きな幅の階段で直通階段ですと、昇る人の目線は天井に注がれる。その天井のデザインで、人の気持ちは変わります。
で、この天井

白いパネルで構成されている面白いもの。実はこの天井パネルには温水が通るようになっていて、その温度で天井全体を温めるというもの。輻射暖房なんです。暖房の場合は、床暖房が普通ですが、この食堂では天井パネルを利用した暖房になっています。


食事をするスペースには半円形のタイルが壁に貼られ、陰影を感じる趣が意図されています。

そして大きな開口部からは明るい光が注ぎ込まれます。


中庭に面する窓際の席は、床が3段ほど高くなっていて、同じ大きな食堂のなかに、変化をもたらしています。





外観、吹き抜けホール、ライブラリー、そしてこの食堂とアルヴァ・アアルトが考え尽くしたデザインが今も生きる貴重な建築だと思いました。
| 建築・設計について | 20:40 | comments(0) | -
フィンランド国民年金協会 2層になった気品あるライブラリー
さらに奥には、階段が付いている2層のライブラリーがあります。
ぐるりと廻りを本で囲まれ、光は天井に開いた丸いトップライト。
そして、一段低くなったところにはスタンドの付いた大きなデスク。
まさに本にじっくりと向かい合う場所だと思います。
本棚にも本が傷まないように、角のところに真鍮が取り付けられています。

アルヴァ・アアルト設計の世界が凝縮されたようなライブラリー


規則正しく並ぶ円形トップライトも印象的です。


本を照らすブラケット照明




角を真鍮金物で保護した本棚




大きなセンターデスクに取り付けられた照明器具。勿論アルヴァ・アアルトデザイン


地下からライブラリーに入る階段は、カーペットが巻かれていましたが、こちらの階段は静かであることを前提に無垢の木階段となっています。階段の手すりはスチール

何とも言えない素敵な階段フォルム
| 建築・設計について | 21:41 | comments(0) | -
フィンランド国民年金協会 吹抜けライブラリーを繋ぐ豪華客船のデッキにあるような階段 
さて、続いてはフィンランド年金協会のライブラリーです。まずは、扉を開けますと吹き抜けからの光が注ぎ、その中を素敵な階段が上がっていきます。
ライブラリーという静かな特別な空間の中に置かれたその階段は鉄骨のササラ構造の中に大きな木の塊が段々に組み込まれたもので、その独特の形態はやはりアルヴァ・アアルトデザインの独自性を見るかんじでした。ボリューム的には重そうなのですが、全体としてはその重さを感じない、優しいフォルムです。

トップライトから入る明るい光の中を上がっていく階段
どうしても昇りたくなりますよね。



1段1段を構成する木の塊 何とも言えない優しいカーブを描きます。
スリットが入り、1つ1つが分かれているので、全体として軽く感じるのかもしれません。

そして最初の1歩目のステップも床から浮いているように見えます。
階段の一歩目はとても感覚的に大切です。ここでもアアルトはその一歩目を他と違って大きくしています。


これぞアアルトデザインのトップライトの円形の光が優しく迎えます。


木と白いスチールの手すり

階段の踏面は音を考慮してカーペットの仕上げとなっています。



| 建築・設計について | 00:39 | comments(0) | -
フィンランド国民年金協会 連続する大きな2重ガラスの三角形トップライト アアルトの世界
なんと言いましても、このフィンランド厚生年金協会ホールの目玉はこの大きな三角のガラストップライトです。フィンランドのヘルシンキという環境的に厳しい土地においての断熱、メンテナンス、遮光を考慮に入れたアルヴァ・アアルトのトップライトデザインの答えは、2重にすることでした。




外の雨や雪を防ぐガラスと中のガラスの間にペンダント照明が組み込まれ、遮光装置もあります。さらにメンテナンス通路も完備。それらを何の違和感なく、宝石のように構成した見事なトップライトです。





ペンダント照明に燈が入りますとこんな感じ。夜は光がガラスに反射してそれはまた美しいでしょうね。




2階に上がるホール一番奥にある直通階段。ここの木の手すりのデザインは、柔らかさと言うよりかしっかりした感じ。


コーナーにある談話スペース。家具の照明も全てアルヴァ・アアルトのデザインです。このあたりは、住宅にある暖かさを感じます。

そしてこのホールには、この年金会館で用いられているアルヴァ・アアルトデザインのタイルや取っ手の見本が展示されています。



執務ブースの取っ手や、ボーダーのディテールが解ります。
| 建築・設計について | 01:02 | comments(0) | -
フィンランド国民年金協会 アルヴァ・アアルトのトップライトによる明るいホール
煉瓦タイルと銅板、そしてブロンズの重厚感のある扉を開けて中に入りますと、そこは明るい内部空間が展開していきます。


玄関扉の右には、コートを掛けるクロークがあるスペース


そしてまず目に入るのは白と黒の石による綺麗なストライプの床です。なかなか思い切ったデザイン


そして正面は大きな吹抜けのホールになっています。



大きな三角形のガラストップライトのあるホールです。これだけ大きな仕掛けのトップライトは初めて見ました。そして明るい。



入り口側を見たところ。
今は大きなホールとして使われていますが、当初はここに木のフ執務゙ースが並んでいて、それぞれのブースには人が入り、来館した市民を個別に相談対応していました。



当時の写真。部屋の中の部屋ですが、ひとつひとつが丁寧に造られたブースで、カウンターや椅子、照明、取っ手等全てにアルヴァ・アアルトの手の痕跡が残ります。丁寧に作りこまれた造作家具ですね。

その執務ブースが一つだけ展示されていました。


腰板のストライプ模様もアクセントになり、四角い部屋に変化をもたらします。なかなかモダンで凝った作りです。



一つの執務ブースの単位

お客様はここに入って椅子に座り、個別対応してもらうというプログラム。
壁は低いですが座るとプライバシーも保て、開放感も感じ、安心感もある絶妙な高さ。


ここの取っ手は可愛い木の取っ手。
優しく人を迎えるというアアルトの気持ちが伝わるデザインです。
| 建築・設計について | 07:23 | comments(0) | -
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