冨田秀雄の設計日記

家づくりへの想い、考え、そして私的な内容を綴ったブログです。
フィンランド国立図書館 3層吹抜けの閲覧室
フィンランド国立図書館に入りますと、まずは中央ホールが真ん中にそびえ、その両側に閲覧室があります。その閲覧室も3層で、真ん中は吹抜けの大空間。その大空間に椅子と机が並び、パソコン作業をしたり、ゆっくりと本を楽しんだりする市民の姿を見ることができます。静かな本に囲まれた大空間の中で、本と向き合うことができる本当に至福の時間が過ごせます。






2階の廻廊部分。圧倒的な本の数。そして本と気持ち良く向かえあえる通路。空気感を感じられる吹抜け。自分の居場所が解る、安心できる配置計画。

天井のヴォールトにはなたれた開口部からの光は、厚い壁に反射して、柔らかい光で、吹抜け空間を優しく照らします。


窓からは同じ設計者によるヘルシンキ大聖堂が見えます。
| 建築・設計について | 18:33 | comments(0) | -
フィンランドヘルシンキ 国立図書館 本に囲まれた中央ホール
ヘルシンキ大聖堂と並んで建つフィンランド国立図書館は、大聖堂と同じ設計者であるカール・ルードヴィグ・エンデルによる美しい建物です。堂々とした外観
頂部に円形のドームが見えます。


こちらは、後ろの部分であとで増築された円形状の書庫

まずは、正面玄関から中にはいりますと、本でぎっしり詰まった壁面を持つ、中央ホールが出迎えてくれます。装飾の施されたヴォールト天井にはハイサイドライトからの光が入り、美しく天井を照らしだします。圧倒的な空間。本が詰まったシックで重みを感じる低層部に対して、明るく浮くような天井の構成。宇宙を感じるようなホールです。




外観から見えた頂部のドームからはこのような光が内部に注ぎ込まれます。
| 建築・設計について | 10:37 | comments(0) | -
トップライトからの明るい光が注ぎ込む軽快な螺旋階段 ヘルシンキ大学中央図書館
螺旋階段は、本当に魅力的な階段です。真ん中が空いているので階段の全体の姿が昇り降りの時に見えますし、歩いていても何となく楽しい。また、上下の階を視覚的にも繋げる大きな建築要素にもなります。このヘルシンキ中央大学図書館には、平面的に楕円形の大きな吹抜けと、この円形の螺旋階段があり、建物の上下を見事に繋げています。
1階のエントランスロビーにアイストップとして見える綺麗な螺旋階段


最上部の螺旋階段の上に設けられたトップライト

手すりは細く繊細です。

ヘルシンキには沢山の図書館があり、歴史的建造物にもなっている図書館には同じような円形の吹抜けや、螺旋階段があり、それらの建物からの引用とも考えられます。気持ちの良い空間装置は時代を超えて受け継がれています。

こちらは、ヘルシンキ大学中央図書館の最上部にあるスタディー・リラクゼーションのコーナー

外のテラスからは、美しいヘルシンキの歴史的な街並みを眺めることができます。

こちらは、天井に埋め込まれている空調機の吹き出し口
| 建築・設計について | 09:43 | comments(0) | -
ヘルシンキ大学中央図書館 上に行くほど小さくなる楕円形の吹抜け
エントランスを入りますと、まずは大きな吹抜け空間が迎えてくれます。楕円形の吹抜けなんですが、上の階に行くに従ってその楕円が小さくなっていきます。それで、下から見上げると、その楕円の重なりがパースペクティブでとても綺麗に見えます。この楕円の吹抜けの廻りは、生徒のスタディースペースになっていて、美しい椅子がならびます。

上に行くほど楕円が小さくなっていきます。
とても綺麗なトップライト




途中階の吹抜け空間。
楕円の吹抜けの廻りはスタディースペース
| 建築・設計について | 07:20 | comments(0) | -
フィンランド ヘルシンキ大学中央図書館 街に溶け込む煉瓦の外観
ヘルシンキ大学中央図書館です。
廻りの街区に合うデザイン
煉瓦の外壁に半円のガラスカーテンウォールが組み込まれ、内部からはその大きな開口部を介して、歴史あるヘルシンキの街並みを眺めることができます。
設計は、アンティネン・オイヴァアーキテクト


大きなガラス開口部

中には開口部に面して読書閲覧スペースが設けられています。

そしてモダンな内部へ。
| 建築・設計について | 19:37 | comments(0) | -
ヘルシンキ現代美術館キアズマ エルネスト・ネトの世界が拡がる5番展示室
さて、ぐるりの廻りまして、キアズマの最上階にある5番目の展示室に入ります。高い天井は緩やかなカーブを描き、ハイサイドから柔らかい光が展示室全体に注ぎ込まれます。訪れた時は、ブラジルを代表する現代アートの作家エルネスト・ネトの布を用いたダイナミックな展示がされていました。大きな部屋の中にもう一つ布の部屋ができています。形はとても自由で有機的。鑑賞者は、くつを脱いでこの世界に入っていきます。中は、胎内のような不思議と心が落ち着く空間。子供達ははしゃいでいましたが、とても自由で、楽しい展示でした。
斜路を昇ってNO5の展示室へ。

大きな空間にエルネスト・ネオの世界が拡がります。





胎内にいるような不思議な世界



この展示室の奥に進みますと、ライブラリーがあります。

最後1階に戻ってきて、外の水盤を眺めながら、エントランスホールへとたどり着きます。

歩いていても本当に楽しい美術館でした。
| 建築・設計について | 17:34 | comments(0) | -
ヘルシンキ現代美術館キアズマ 現代アートと光を楽しめる美術館
キアズマの内部は、とても変化に富んでいて、美術品に触れる楽しみは勿論の事、この内部に入る光や、外の美しい景色を感じる楽しみがあります。斜路や階段は、ちょっとした気分転換の場になり、再び現代アートと向かい合える。丁度良い具合に緩衝地帯が設けられていて、歩いていても全く疲れません。







展示室を出ますと、前に歩いた通路が見える吹抜けや階段に出るので、自分が居る場所が理解できて解りやすい構成。このエントランスのスロープがある吹抜け空間と廻り階段のある吹抜け空間が大きな核になっていて、歩いていたらこのどちらかの場所に戻るような構成です。


外の景色も見える廻り階段の吹抜け空間


3から4,5展示室につながります。

玄関ホールを3層目の廊下から見る

中を歩いている人や、鑑賞している人を見るのも楽しい。

| 建築・設計について | 09:56 | comments(0) | -
スティーブン・ホール フィンランドヘルシンキ現代美術館 キアズマ 斜路の建築
アメリカの建築家スティーブン・ホールが設計したヘルシンキ現代美術館キアズマ。それは、斜路の建築でした。美術品を鑑賞しながら建物をめぐるわけですが、作品と作品の間の空間である通路や、ふと外部がみられる場所の設定、そして何よりも北欧らしい光の捉え方が素晴らしい美術館です。
催されていたのは、韓国を代表する現代美術作家 チェ・ジョンファ。


まずは、白いトップライトからの光を浴びてスロープを上がります。




NO2の展示室から中へ
そして部屋一杯にチェ・ジョンファの世界が拡がります。


色とりどりの安価なプラスチックのキッチン用品や家電製品がつながったチェ・ジョンファのプラスチックのジャングル


美しさ、はかなさそして大量に消費される現代社会を思わざるをえない作品
外部が覗きます。

そして、エントランスの吹抜け空間を通り、次の展示室へ。
ここからも、入ってきたスロープが見えます。

| 建築・設計について | 18:39 | comments(0) | -
フィンランドの建築家ユハ・レイヴィスカ ミュールマキ教会(3) 透明な折り重なる神の光を感じる教会
ユハ・レイヴィスカの設計したミュールマキ教会は、北欧の透明な光を見事に建築に採り入れた秀作でした。重なり合う壁によって光が見えます。薄い壁のエッジが、鋭く光を捉え、奥行のある祭壇を作り上げています。ここでは、天井から下げられたストライプのタペストリー、淡いベージュの十字架が刺繍されたタペストリーが、空間に柔らかさと優しさをもたらしています。
トップライトからの光も決してきつい感じではなくて、柔らかい光です。

祭壇の折り重なる光の壁
重なり合い貫通する壁から生まれる無数の光。まさにユハ・レイヴィスカの真骨頂とも言える光の捉え方です。




サイドの細長いスリット開口からの光が壁に当たり、我々に光を認知させます。

祭壇から見返しますと、その壁には下から上まで真っ直ぐに伸びるスリット開口が、まるで森の樹木のように並びます。

祭壇の脇に置かれた洗礼盤。これもユハ・レイヴィスカの設計。建物の抽象化されたミニチュア版

玄関側の壁

そしてパイプオルガン側です。


パイプオルガンの横には、聖歌隊の座る席が並びます。


高くなったその席から振り返ったところ。
天井からランダムにつりさげられている照明も全てユハ・レイヴィスカの設計

パイプオルガンとは反対側の面


大きな壁のような引き戸が付いています。
この引き戸は、壁に引き込まれて隣の部屋に繋がるしくみ。多くの信者さんが集まる際には壁の中に引き込まれて、さらに大きな聖堂空間となります。
天井のハイサイドライトは、2つの部屋にまたがるもの。それにしても透明感が感じられるデザインです。

こちらはその大きな扉の反対側の部屋である教区センター。普段は集会場や講義室として使われています。




ここミュールマキ教会を訪問する季節や時間によって様々な光を体感させてくれる素晴らしい光の建築でした。
| 建築・設計について | 08:52 | comments(0) | -
フィンランドの建築家 ユハ・レイヴィスカ設計のミュールマキ教会(2)静かな光で満たされた教会
ユハ・レイヴィスカの設計したこのミュールマキ教会に入っていきます。
エントランスは、天井の高さが抑えられ、外の緑を一杯に取り込む大きな開口部が設けられた空間でした。

寒い国なので、どこの建物でもそうですが、大きなコートクロークがエントランス脇に備えられています。

そして、教会聖堂に向かう白い格子の扉が目に留まります。
天井は、3段構え。段差があるのですが、折り上げ天井というのではなくて、水平なプレートが折り重なるような造形です。

平面図
細長い敷地に対して、真ん中のエントランスが中心に、右が聖堂。左は事務所や集会所、神父さんの部屋が入るゾーンになっています。
いくつかの段に分節して、その壁と壁のスリットから光が入るように平面計画されています。

そして聖堂への扉から中へ。

白い透明な光が満たされた静かな聖堂が見えてきます。


大きな吹き抜け空間
正面が祭壇。光が何重にも重なるまさに光の教会です。

祭壇の左側には大きなパイプオルガンが配置されています。

祭壇の右側

息をのむ美しい教会です。
| 建築・設計について | 08:48 | comments(0) | -
光と音の建築家 ユハ・レイヴィスカ設計のミュールマキ教会の縦ラインを強調した軽快感のある外観
ヘルシンキから列車に乗って20分。駅の真ん前にベージュ色のタイルが貼られた教会が見えます。今フィンランドで最も有名な建築家の一人でもあるユハ・レイヴィスカが設計したミュールマキ教会がこの建物。
プラットフォームから見た外観。線路に沿った細長い敷地に長く建てられています。
シンボリックな鐘塔が垂直方向を強調。

駅を出て、教会に向かいます。


アプローチ


大きなボリュームをいくつかの壁で分節された外観
しかも壁が薄いパネルのように見えるデザイン。
煉瓦タイルの壁とガラスの取り合い、縦ラインを強調した金属パネルとのコンビネーション。
コーナーエッジが建築家ユハ・レイヴィスカの設計した建築の特徴ですが、外観にもその重なり合うような壁とそこに造られるエッジがあらわれています。


線路側の足もと

煉瓦タイルと金属パネル、縦長スリットガラスの構成



エントランスに向かいます
線路と反対側は、緑豊かな林



縦のラインに対して、水平に飛び出す庇


| 建築・設計について | 07:54 | comments(0) | -
フィンランドマリメッコ本社 社員食堂もマリメッコデザイン
1951年フィンランドで誕生したテキスタイル・服飾の国民的ブランドマリメッコ。そのフィンランドヘルシンキの本社を訪ねました。ヘルシンキの中央駅から地下鉄に乗り、最寄り駅で下車。そこから徒歩で15分足らず。モダンなアルミパネルの外壁がマリメッコ本社ビルです。

簡素で装飾の無い玄関

正面に2階事務室に上がる階段があり、その向こうの壁にはマリメッコデザインのタペストリーが下げられています。

とてもクールでシャープな本社の中では、色鮮やかで、有機的デザインの商品がたくさん生まれています。
エントランスホール
向こうが、社員食堂で手前が受付カウンター

受付

2階の事務所には上がれませんでしたが、トップライトからの光が入り、とても明るい作業場だと思います。

そして1階の社員食堂。トレイから全てマリメッコデザイン。
なかなか明るくて、気持ちの良いダイニングでした。
左がキッチンでトレイを持って好きなものを選びます。




| 建築・設計について | 07:03 | comments(0) | -
フィンランドヘルシンキの顔 ヘルシンキ大聖堂と元老院広場 
ヘルシンキの観光名所といえば、第一にあげられるのが、このヘルシンキ大聖堂とその聖堂の前の元老院広場です。これだけの大きな広場とそれを見下ろせる階段、そしてその先に鎮座する大聖堂は、やはり大勢の人達が集まりやすい構図です。遠くから見てもこの対称形の大聖堂は一目でよくわかる目印です。


階段の上から元老院広場を見る

そしてその内部です。





| 建築・設計について | 07:24 | comments(0) | -
映画「図書館戦争」の舞台となった宮城県図書館 
宇宙船のような広い閲覧室と閲覧書庫。自然を一杯に採りこんだ広い共用部。そして劇場にもなる屋外テラス。これが図書館かと思うほど、大きなゆとりある空間があちらこちらに散りばめられた図書館です。映画図書館戦争にも使われた図書館で、近未来的な造形も面白い。
ここは、建物の真ん中あたりにある中庭というか屋外劇場。敷地の高低差をそのまま利用して作られています。

この外部の吹抜け空間に面してレストランがあります。

丸い天窓からは光が、


3階のキューブの閲覧室を支える列柱


再び玄関ホールの吹抜け空間




2階のキューブの中は子供図書室です。


そして3階の閲覧室

エスカレーターは1階まで


静かに落ち着いて勉強できそうです。

照明器具も原さんらしいデザイン
| 建築・設計について | 10:18 | comments(0) | -
宮城県図書館 建築家原広司設計の文化センターとしての図書館
仙台市の泉区にある大きな図書館、宮城県図書館を訪ねました。南面に拡がる緑を建物に導くように、大きなガラス開口部があり、どこからでもその緑が鑑賞できて森の中にいるような感じ。そして閲覧室は閉じられた空間ながら、宇宙船のようなキューブに囲まれた本と向かい合う空間となっていました。宙を舞うキューブとでもいうのでしょうか。さて、まずは、道路側からの外観です。
断面がそのまま立面に現れたような形




そして後ろの駐車場側の立面です。
上部は、ミラーガラス。これだけ長い立面をどうのように設計するかは、本当に悩むところですが、あっさりとガラスの単純な構成でまとめています。

長い立面でしかもボリュームがあるので、相当な圧迫感はありますが、こうしてミラーガラスにしていることで、随分それが薄れています。確かにこの手法もありですね。

足もと廻り。とても長い外部廊下が続きます。

大きなガラスからは、森の緑が見えます。

模型を見ますと、原さんのコンセプトが一目でわかる感じ。
南の高低差のある森に対して低層部は、ガラスとオープンな広場で緑や、自然の土地形態に沿わせ、その森の上にはキューブの筒が伸びていく未来を象徴するようなデザイン。

エントランスです。この余裕というか広々感は、良いですね。
正面の階段は、子供図書室への階段

大きなガラス開口部

| 建築・設計について | 11:30 | comments(0) | -
鎌倉吉屋信子邸 北側の一定した光を取り込む書斎と照明のない寝室
作家の仕事場でもある書斎は、北側に向いた部屋でした。大きな開口部からは、北側の庭とその向こうに拡がる山の緑が窓一杯に見え、落ち着いた光の中で集中して創作活動ができるように考えられています。吉田五十八の開口部は、ガラス窓、網戸、障子などが、全て袖の壁に納まるように考えられていますが、この書斎の窓も同じです。障子も引き込まれますと、窓からは緑しか見えません。また障子も写真のように机の真ん中が横に引かれるようにできていて、ちょっと庭を見れるようになっています。天井には光窓。そして左の壁は収納壁となっていて沢山の本が収納できる造り付け本棚となります。
和室から廊下を挟んで、書斎を見たもの。

とても落ち着きの感じられる書斎。



そしてこちらは寝室
寝室には天井の照明はありません。執筆活動をしている施主の為、寝室は寝るだけの機能。
ただ、天井は船底天井デザインとなっています。

| 建築・設計について | 09:40 | comments(0) | -
庭を楽しむ縁側のある和室 吉田五十八設計吉屋信子記念館
日本の家といえば、いかに自然と親しめる場所をつくるか?ということだと想います。外と内とを緩やかにつなぐ場所。それが縁側ですよね。和室があり外に縁があるのではなくて、内縁。そこに座って庭を眺めていますと、時の経つのを忘れてしまいそうです。





和室の間口は、1間半で床の間が半間。縁側は、床の間の部分を足した2間の大きさです。
和室は、3まいの障子で縁と区切られます。障子を左に寄せて、縁側のサッシを見ますと、縁側が広い分、開口が大きくなり、庭の緑が迫ってきます。拡がりを感じることができるデザインです。


天井の竿縁は、2本重ねて流れを庭方向に造り、天井板の竿縁と同じ方向に板が貼られています。縁側の方まで伸びて、和室と縁が一つのまとまった空間を意識させます。

縁には収納もちゃんと完備

床の間の天井は、下がり天井


リビングとの床段差は、和室に座った人とリビングに座った人の目線が近いように考慮されています。
| 建築・設計について | 10:00 | comments(0) | -
吉屋信子邸 和室とリビングが上手く溶け込む住宅
鎌倉にある吉屋信子邸の中に入って行きます。まず人がその建築に触れる場所である玄関ですが、この玄関で建物全体の雰囲気というのが決定というか認知されると言っても過言ではないでしょう。玄関は全てを物語るような気がします。吉田五十八設計のこの吉屋信子記念館も玄関が良いです。
扉を入った正面
左が明かり採りの窓。右にまわり込むとリビングへ

玄関取次の床の一部が玄関側に飛び出して式台のようになっています。欅の床板

こちらは明かり採りの窓


天井は、杉板の上に塗装を施し、ふき取りを行うことで、生地を見せたもの
上がりまして、右に進むとこのように上部が開いた壁があります。この奥は、お手伝いさんの部屋だったところ。目隠しの壁としての機能と、リビングへと向かわせる装置としての機能があり、訪問者は自然に左のリビングへといざなわれます。

入った途端大きな空間が待っています。
手前はリビングで正面が和室。和室は、床が1段上がっています。床の間まで視線が行くので、本当に奥行が感じられます。リビングと和室は、同じデザインで統一されているので、床だけが違う同じ部屋の感覚。リビングの中にとってつけたような今風の和室とはかなり違います

リビングには庭を眺める大きな開口部があります。


家具も吉田五十八設計のオリジナル

天井の文様がリビングの特徴の一つ
| 建築・設計について | 12:45 | comments(0) | -
吉田五十八 鎌倉吉屋信子邸 庭の緑を眺めながら進む魅力的なアプローチ
近代数寄屋建築の第一人者でもあった建築家吉田五十八が鎌倉で女流作家吉屋信子の為に設計した住宅。吉屋信子がその敷地、建物ごと鎌倉市に寄贈し今は吉屋信子記念館として週末に開放されています。
狭い道路沿いには美しい塀。そして門が見えます。



門から一直線に伸びるアプローチ。
鎌倉の山を背後にして、やがて建物が見えてきます。


一度クランクして、進むと視界が開けます。

左は、池がある大きな芝の庭


玄関からアプローチを見返したところ
通路は2つあって、右は主動線で、左は勝手口から伸びるもう一つの道

勝手口から玄関側を見ますと

お庭側からみた外観
大きな寄棟の瓦屋根の下に水平方向を強調したデザインの銅板葺きの庇が玄関の方まで伸びていきます。有機的な鎌倉の山や緑に対して水平方向の切れるデザインが光ります。
こちらからみて大きな開口の左が和室で右がリビングの大開口


玄関部分と庭とのあいだには壁が設けられ、しっかり領域を隔てます。

リビングと和室には段差があり、それがそのまま外観に現れています。
| 建築・設計について | 10:44 | comments(0) | -
ぐるり東京のテレビラジオ放送局を廻る フジテレビ・日本テレビ・テレビ朝日を見学
今時のテレビ・ラジオの放送局は、どのようなものなのか?一般の人に多くを開放しているところもあれば、やはりそこはきちんと区分けして、玄関の一部のみのところもあり、一度ぐるりと廻ってみました。
まずは、お台場のフジテレビ。建築家丹下健三の設計で中間の吹抜け空間に球体が浮かぶ特徴ある外観。増殖都市メタボリズムの建築かと見間違うような土木的で、これからも継ぎ足しができるのではと思える建物です。
この広い大階段を昇っていくときの迫力は、ちょっと他にはない都市的スケールの体験ができます。



今度は上から


フレームの構成は土木的


上から見ますと

ドームの中は勿論スタジオ

見学者は、階段を昇り、キャラクターや番組の紹介コーナーを歩いたり、エレベーターやエスカレーターを縦横に使いながら、このたてもの全体を見て廻れます。景色も楽しめるし、結構面白い
続きましては日本テレビ
汐留のガラス貼りのタワー。構造フレームが外に出た形態が特徴

一般の人が入れるのは低層階の一部ですが、スタジオジブリの仕掛け時計が迫力ありました。




続いてテレビ朝日
丸いガラス局面の洒落た感じはいかにも建築家槙文彦氏の設計





このホールは自由に入れます。
タモリさんもしっかりお出迎え
| 建築・設計について | 13:00 | comments(0) | -
失われる名建築 芦原義信  数寄屋橋ソニービル
大学に入ってまず見に行った建物の一つがこのソニービル。何がすごいかと言いますと銀座という日本で一番土地の高い場所にありながら、公共広場パークを建物の角に設けたことです。芦原さんは、東京オリンピック駒沢や、国立民族博物館など多くの名建築を残していますが、我々が一番影響を受けたのは「街並みの美学」という本です。都市をいかに楽しく豊かなものにするか等、学ぶべきところが多い本でした。大都会の中にわずかなポケットパークをつくることで、そこが憩いの場になるというのは、まさしくこのソニービルで実証されたのではないでしょうか。このコーナーの広場にはクリスマスには大きなツリーが飾られましたし、水族館のように熱帯魚が泳いでいたこともあります。待ち合わせする場所として最適でした。

最近は薄っぺらい表層デザインの建築が沢山お目見えしてますが、このソニービルの品のある形態とデザインは、設計者の行き方、考え方が現れたものです。




縦のルーバーも実に美しい



内部は、スキップフロアーと言って少しづつ階段で昇っていくような面白い構成でした。そういえば、スキップフロアーのビルなんて、今はまったくお目にかかりません。
ということで、このソニービルも後世に残すべき名建築であったわけです。
| 建築・設計について | 23:13 | comments(0) | -
失われる名建築 村野藤吾 日本興業銀行本店
またまた次世代に残すべき名建築が姿を消します。ぼくが思いますに、建築はその中で暮らし、仕事した人たちのいろいろな思いがつまっている宝石なんですよ。ただの物ではなく、魂というか想いが残っているわけ。激動の時代に多くのサラリーマンが汗して働いたこの日本興業ビルにもいい想い、悔しい想いも含めて詰まっています。仕事を離れ、しばらくぶりにこの建物の前を通るとき、記憶は過去に戻り、懐かしい思い出が浮かびます。音楽と同じだと思います。しかもこの建築は村野さんが熟練期の83歳の力作。年代も1974年の高度成長期。外壁のマホガニーレッド大理石の磨かれた石の彫刻のような形態。そしてこの重厚感。ガラス張りの新しい同じような建築がバラバラ立ち並ぶ丸の内の中にあって、こんな建物これからでてきません。若い建築家にとっても、勉強できる生きた教材でした。残したい建物でした。


像の鼻のような独特の形態。そのコーナー部分の下にはかつて水をたたえた池があり、通りを歩く人の束の間の気分転換の場でもありました。

圧倒的存在感のある赤褐色のマホガニーレッドの大理石の壁。この開口部のない壁の後ろは機械室


石とサッシの取り合い部分も見事。石の柱は、真ん中が外に少しだけ出ていて、凸型になっています。力強く上へ上へと伸びていく感じは、ゴシック建築を連想させます。



足元やコーナーの石のディテールなど参考になるところは多い


通りの反対側の隣地側デザインも建築基準法を苦心してクリアーしていますが、複雑ながら見事な納まり。





以前の村野藤吾展での模型写真。裏側の複雑さがわかります。





コルビジェの西洋美術館も良いですが、これら日本の優れた建築家が残した遺産も同等に貴重なものなんです。丸の内からまた一つ名建築が姿を消す寂しさと憤りを感じます。
| 建築・設計について | 10:23 | comments(0) | -
奈良井宿の町屋建築 中村邸 風が抜ける土間 漆塗りの黒光りした美しい内装
奈良井宿の中で、その特徴が残っている町屋建築の中村邸の内部です。
平面図

中山道の道から建物の中を裏の庭まで真っ直ぐ通る土間があり、道の方からまずはお店、吹抜けのある台所、そして住居空間と繋がります。
土間は、動線として勿論重要ですが、風の通り道にもなります。

道の反対側にある庭。その奥には蔵があるのが特徴

京都ですとここが中庭となりますね。
お店の構えは、中山道に対してフルオープンになる建具がはめ込まれています。

そして吹抜けの台所



おもて2階に上がります。
2階の上り口

美しい障子



そして勾配天井
すべての木の部分に漆が塗られています。
黒光してとても美しい。

こちらは、裏2階階段部分

| 建築・設計について | 09:56 | comments(0) | -
江戸の街並みが残る宿場 奈良井宿 鎧庇と猿頭を持つファサード
木曽の宿場町である奈良井。そこに漆を見に行きました。奈良井宿は、江戸の宿場町が残る宿場で、当時の趣を今に伝えています。


道を挟んで両側に2階建ての木造建築が続く風景は、ヒューマンスケールで、歩いていても圧迫感は無いですし、造りも凝っているので見ていて楽しい。
京都や金沢の洗練されたものとは違う、力強さを感じる家々です。


この奈良井宿の町屋のファサードの特徴の一つが、鎧庇と猿頭。説明は下記をお読みください。



その姿を一番忠実に残し、今は中も見れる店舗付き住宅の中村邸


中村家の2階の格子からは道路の反対側の鎧庇が見えます。


新しく作ったり、改修したりする家も街並みに合わせます。

こうして、これからもこの景観が守られていくわけです。
| 建築・設計について | 00:22 | comments(0) | -
日本綿業倶楽部(綿業会館)地下のグリルから上がるうねる回り階段
綿業会館の地下にある会員および同伴者専用のグリルです。
内装な何度かリフォームされていますが、つい立壁となるブルーのモザイクタイルの壁は当初からのもの。



そして地下から1階に上る階段が、いかにも村野さんらしいデザインとなっています。

動きがあり、かつ有機的。すべて曲線ながら力強い。これはこまかなディテールの蓄積によってもたらさせる印象なんです。
1段目は浮いているように軽快




そして1階に


そして玄関の吹抜けホールに戻ります。

細かなところまで精神を傾けた建築家渡辺節の力作でした。
| 建築・設計について | 07:14 | comments(0) | -
鏡の間 装飾を抑えながらも貴高さを備えた会議室 アンモナイトの床 綿業会館
貴賓室の隣には、アンピール・スタイル(ナポレオンのフランス帝国時代の美術様式)と呼ばれる装飾を抑えたデザイン的特徴を持つ会議室が続きます。
天井を縁取る楕円の模様がシンプルで美しい

正面の扉には、鏡がはめ込まれています。
折り上げ天井に対して、シャンデリアの上を照らす光が反射して、天井を優しく浮き上がらせています。縁の装飾は、シンプルですが、空間を上手く引き締めていて優れたデザイン。






床の黒とベージュの千鳥になった大理石には大きなアンモナイトの化石が残ります

特別室との間の扉

| 建築・設計について | 07:10 | comments(0) | -
控えめな装飾と、ウォールナットの壁が高貴さを表現する特別室 綿業会館
談話室に続くのは、貴賓室と呼ばれる特別室。
クイーン・アン様式のインテリアと言われます。イギリスアン女王の治世に見られた美術・工芸様式で、ロココ調ではあるが控えめな装飾、動物の脚をかたどったテーブルなどが特徴。
確かに、この部屋は、壁の仕上げがウォールナット系の美しい仕上げで、床は職人技が光るヘリボーンの貼り方。そして有機的な部分を持つ家具や、やや装飾的な天井や、凝った照明器具など高貴さが漂います。



天井の装飾とシャンデリア照明

床の貼り方

キャンドル型のブラケット照明器具

扉上部の幕板には、大理石が組み込まれていました。
| 建築・設計について | 14:42 | comments(0) | -
京都泉涌寺の窯場で焼かれた泰山タイルが貼られた豪華で高貴な談話室 日本綿業倶楽部(綿業会館)
この日本綿業倶楽部(綿業会館)において、もっとも設計に力をかけて完成したのがこの談話室です。当初吹抜けではなかったものを、2層吹抜けの大空間にしました。ここの壁の一部に貼られたタイルは、京都で焼かれたもので、1枚1枚設計者である渡辺節が確認しながら貼られた力作
まずは、大きな吹抜けを眺めながらこの談話室にはいるわけですが、その入り口の扉廻りからして、ここは綿業会館の中でも特別な部屋だとわかります。
トラバーチンの石の壁にはめ込まれた木の開口部

扉を開けると大きな吹抜けが飛び込んできます。
左側には上階に登る階段が向こう側から伸びてきます。その美しい階段裏を見て正面から右へと視界が移ります。

右を見て、全体の落ち着いた雰囲気に息を飲みます。
人の頭高さぐらいまでの壁は木の装飾壁。その上はこれまた日本独特の渋い色をもつタイルの壁
右側には歴代綿業倶楽部の会長の自画像が並びます。そして高い天井

木で覆われた独立柱の向こう側一番奥の壁は、タペストリーのようにタイルが貼られた、演色された美しい壁面

壁面タイル壁の左には暖炉と煙突のこれまた凝った装飾造作が立ち上がります。

タイル壁の左の大きな開口部には、木の重厚な額縁と装飾が施され、この開口部とタイルタペストリーの壁、そして暖炉の部分がひとかたまりの重要な肝の部分として丁寧にデザインされています。談話室のコーナー部分をしっかり固めたデザイン




タイルタペストリーは京都の泉湧寺で焼かれたもので、色合いが日本。そして深みが感じられる奥が深いタイルです。



さて、ふりかえりまして全体を見ますと、この大きな談話室にもうひとつ動きと特徴をもたらす階段が見えます。
この階段は、柱が無く、壁から持ち出されて支持されたもので設計者渡辺節の優れたデザイン力をここでも見ることができます。



上の階へと昇っていく階段は、静かな空間に流れを生み出しています。

ここに座ってしばし時間を忘れたい。そんな衝動にかられる設計者の注がれたエネルギーが感じられる落ち着いた談話室でした。
| 建築・設計について | 09:33 | comments(0) | -
吹抜けを上がる迫力ある大理石の階段 綿業会館吹抜けホール
さて、吹抜けエントランスホールの目玉であります階段を昇ります。
アーチをくぐり広い階段を見上げる

中間踊り場からエントランスホールを見ます。
2階の廊下が、この綿業会館吹抜けエントランスホールをぐるりと廻っているのがわかります。

玄関部分を見ます。

中間踊り場からは、新館に向かう通路があり、その奥から見ますとシャンデリアが正面に綺麗に見えます。

踊り場の階段ディテール
トラバーチンの美しい仕上げ


階段を上がって2階の廻廊からエントランスホールを見下ろします。





玄関上部の跳ね出した廻廊から、階段正面を見ますと
| 建築・設計について | 08:53 | comments(0) | -
床の段差を設け、拡がりを感じさせる会員食堂 綿業会館
1階吹抜けホールに接して右奥にあるのが、綿業倶楽部の会員の為の食堂です。
階段脇の開口部扉から中に入ります。
大きな食堂部分は、数段ステップを下がったところにあるので、入った時にその広さが認識されて、拡がりを感じます。入り口と同じレベルの席もあり、ここは、2段の床で構成されています。何よりも目がいくのが、天井の装飾。壁の装飾であるミューラル・デコレーションを天井に施したデザイン。グリグリと凝ったデザイン。でも天井が高いのと、柱や壁がおとなしいので、違和感は感じられず、落ち着いて食事が楽しめます。
吹抜けと銅像のあるホールから中に入ります。奥がエントランスホール

そして数段のステップが設けられています。

この数段の段差のために、平面的な食堂空間に立体感が生まれます。
この方が、食事をしていても賑やかですし、空間に奥行が感じられて楽しいじゃないですか。

天井の装飾にも注目





一段高い客席の壁は大理石の腰壁

そして、壁に掛けられた時を刻む時計も素敵です。
| 建築・設計について | 07:32 | comments(0) | -
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